あの文化祭が終わり修学旅行の話題が流行り始めた。俺が取った言動により、多少孤立したと思うのだが意外な事に人が居る。
「ヒッキー、一緒になろうね」
「アンタといると落ち着くというか」
「僕もいいかな?」
この3人は相変わらずだ。相模へのヘイトは無く俺の言動が引かれたぐらいで文化祭は終わった。彼女はいつもの生活を送っている。分かる事と言えば俺や由比ヶ浜達を嘲笑うような事が無くなったという事だ。雪ノ下陽乃の事もある程度分かったし雪ノ下達は俺にとって、どれだけ大切な存在なのか。よく分かった気がする。
「って、ヒッキー話聞いてる?」
「? あ、あぁすまん」
膨れ顔になる由比ヶ浜を宥め放課後まで時が過ぎ奉仕部へ。ドアの前に立つと紅茶の香りがするという事は雪ノ下がいるという事だ。その香りに誘われようが誘われまいが関係無く扉を開ける。
「あら、もう飲めるわよ」
「いい香りだね。新しい品種?」
「ええ、取り寄せて見たの」
「……頂きます」
程よく冷ましてカップを口元へ運び喉へと通す。やはり雪ノ下
が淹れる紅茶は旨いわ。彼女もそれを振る舞う事が日課になり楽しんでいるようだ。
「本当に旨いな。好きだ」
「えっ!? そ、そう」
「味が香りもまた」
「さて下げましょう」
素直に味の感想を言ったんだが……待ってくれ由比ヶ浜も川崎も目付きが怖い。
「ヒッキーは大罪だねっ!」
「それは言えてる」
「何かしたか、俺?」
「はぁ……あなたは本当に……そういう所も」
二人もうんうんと頷いてるし俺何かしたか? 取り敢えず話題を変えようそうしよう。
「えーとその何だ。修学旅行だが……同じ班になりたかったな」
「別のクラスなのだからしょうがない事よ。でも」
「でも?」
「同じクラスだったら……同じ班になりたかったかもしれないわ」
「何だよツンデレかよ」
「勘違いしないでただの可能性よ」
耳が赤いのは気のせいか? 何か3人で集まっているが
「本当に罪深いし……そういう所含めて」ヒソヒソ
「確かに、でも比企谷は信念というか意志があるというな」ヒソヒソ
「全く彼は……無意識にも程があるわ」ヒソヒソ
「と、とにかく楽しみだな。修学旅行」
「ふふっ冗談だよ。そうだね楽しみだね」
悪戯っ子みたいな笑顔を見せる3人にお手上げな俺……変わらない文化祭で色々あったが変わらないんだ。俺はこの変わらない日常を過ごしたい。昔みたいな後悔なんてしない。
絶対に……もう手放したくない。後悔したくない。その決心がつくと同時にノックが……
「やあ、ちょっといいかい?」
葉山と戸部だ。色々あって3人が戸部を威圧したとかあったけど、ある依頼を引き受ける事になった。しぶしぶだが……戸部の熱意に負ける形となってしまった。
戸部からの相談を受けて、帰宅する前に葉山を呼び出した。
「葉山……前から言いたかった事がある」
「なんだい?」
「何時まで本心を隠し通すつもりだ? 何故お前はあいつらの前いや皆の前でもそうだ」
「……気付いていたのかい?」
「前からな。どうして?」
「君は……何故?」
「お前が後悔しそうだから……そんな気がした。後悔する奴は俺一人で十分。お前は俺と同じ人間になるな」
葉山が目を手で抑え、俺に目を合わせた。その目には何かの決心があるようだ。こんな葉山を見ると……初めてだ。
「もう一つの依頼……良いかな?」
「わかった。けど、最終的にはお前が決める事だ。俺には助言程度しかできない。それでも構わんな?」
「いいんだ……俺は君のようになりたい。けど完全にはなれない。今までの自分とはおさらばしたいんだ」
奉仕部でのやり取りは修学旅行中に回想という形にします。原作もこの作品も大きな分岐点……となります。