それと入隊したい人がいたら広報官よりも現役の人に聞いた方が良いです。何故なら良いところも悪いところも知れるからです。まあ、景気左右されにくく安定した給料が貰えるという点なら良いところですね。
それと俺ガイル以外の二次創作書きたいですね。五等分の花嫁、IS、アズレン、ドルフロなど……でも4作品も残して書くのは良くないのですが悩む……
新幹線に揺られ数時間。富士山が通り過ぎた辺りから眠り起きたら京都だった。川崎に揺すり起こされてそれに気付き目を擦りながら覚ます。なぜ? 眠いのか? まだそれは明かせない。大きく欠伸する葉山を見て申し訳なく思ってしまった。
「何時まで寝惚けているのさ。アンタは」
「もうヒッキーったら。もったいないじゃん」
「お、おう」
来て早々注意されてしまった。さて、仕事をこなしつつ計画も進めねえとな。とりあえず葉山から連絡を待つとするか。しかし……
「ゆきのんがいないと寂しいね」
「しょうがねえよクラス違うからな。でも自由時間になればな」
「うん」
雪ノ下がいないのでやはり寂しい。残念なことにこの時間帯は団体行動なので四人で見て回ることができないのだ。だから団体行動は嫌いだ。だからと言って自由に行動する訳にはいかないので我慢するしかない。そして、もう一つは戸部の依頼だ。
海老名さんへの告白を成功させたい
この依頼だ。俺はこの依頼は非常に難しいと感じた。雪ノ下と川崎はこれに乗るつもりはなかったが由比ヶ浜はノリノリだった。多分、普通の女子高校生ならそういう反応だと思う。だが俺は決断を揺らいでしまった。それはある計画を実行しようとしていたからだ。それで戸部に情が行ってしまいそれと少し羨ましいと思った。
「ヒキタニくん? どう進捗は?」
戸部にこっそり呼ばれ進捗状況について語る。嘘は言わないつもりだ。因みにこいつもある計画の共犯でもある。
「芳しくねえな……そもそもお前と海老名さんが離れているからな」
「え、まじ? それはないっしょー」
オーバーなリアクションする戸部だが無視して続ける。
「というか海老名さんの態度……つーかさ、分かるか?」
「うーん隠してる感じ?」
「それだ。だから読めないんだよな」
「やっぱヒキタニくんでも無理?」
「そんなに信用に値するのか? 俺」
なんでそんな信頼があるのよ。俺は別に旧知な仲でもあるまいのに
「文化祭の時に雪ノ下さんに任せ放しな人達に一言物申したって噂があるから……」
「それで?」
「いざって時に頼りになりそうな人っぽいからしょっ」
「お、おう」
こいつって意外と見てるんだな。まあ進学校の生徒だしな。
「なあ戸部」
「何っしょ?」
「お前の勇気は……羨ましいよ。お前みたいになれたらあの子を……いやなんでもない」
もしかしたらな……戸部みたいになれば少しはまともになれたか?
夜中、自販機で缶コーヒーを買って飲んでいたら雪ノ下に遭遇。そこから少しばかりやり取りを終えた後にラーメンをこっそり食べに行こうとした平塚先生を目撃し一緒に食べるというイベントが終わりその日を終えた。
翌日、グループでバスを使って京都の名所各地を巡ることになり最初は映画村へ色々とコスプレ……させられてその後にお化け屋敷へ、でも川崎がなんとホラーが苦手ということを知り手を握ってやったり由比ヶ浜と腕を組んで恐怖に抗い攻略。でも川崎は背中で暫く蹲っていて由比ヶ浜が膨れ顔になっていたのは何故だ。タクシー拾って仁和寺の庭園で雪ノ下と昨夜ぶりの再開して今まであった出来事を話して別れた。少し彼女が微笑んでいたのは気のせいか?
ホテルに帰ってコンビニで少しばかりの空腹と漫画を立ち読もうとしたら見覚えのある金髪の女子発見。相変わらずの鋭い目つきで目が合ってしまった。というか睨まれている。
「あんさー、あんたら一体何してるわけ?」
「何が?」
「あんま海老名にちょっかい出すの、やめてくれる?」
「何の話だ?」
「はっきり言うし迷惑なんだけど」
まあ言われてもしょうがないか。どうやらバレてるかもしれないな。どうするか、適当にはぐらかすのは逆効果だな……いや待てこれは聞き出せるのに良い機会かもしれない。海老名姫菜という人物を
「そういうことか」
帰り道三浦が言っていた言葉を一言思い出す。
『空気を読めないで合わせんの』
『超他人みたいな感じで』
『海老名は自分のことあんまり話さないし、あーしも別に聞かない。けど、そういうの、嫌いなんだと思う』
だからか海老名姫菜が取っている行動や仕草、返答はそこから来ていたのか。彼女は知られたくないテリトリーというものがあるのだろう。かつて俺だ。過去に縛られていて塞がっていた頃の俺だ。
だが、戸部の依頼が暗礁に乗り上がってしまったのは間違いない。俺はこれを伝えるべきか? それとも? 葉山はこれをどうにかできるのか? 相談するべきか?
そして、修学旅行は終わりに向かっている。灯籠に照らされる竹林、嵐山に俺たちはそこにいた。告白の時……のはずだが。そこにはいつも葉山グループが歩いていた。それは何故か? 一時間前に遡る。
「正直言おう。この依頼は達成できない。すまん力不足だ」
「え? ど、どうして」
「俺には告白が成功できるビジョンが浮かばない」
「いや案外行けたりするしょっ! それにヒキタニくんたちが悪いだけじゃないし」
「違う……違うんだよ戸部」
俺は戸部を落ち着かせ知っている限りのことを話した。海老名について知りうることを伝えた。つまり
海老名にとって戸部という存在はただそこにいる存在。眼中には無いのではということを
「なあ戸部。俺は止めようとは思わないが……仮にだ付き合ったとしても、彼女と上手くやっていけるか?」
「……えっと……多分イケるじゃね?」
「本当の海老名を知らないで?」
「!」
「理解したようだな。お前も海老名もお互い知らない。そんなの続かねえよ」
「俺どうしたら」
「三浦から聞いた感じグイグイ行くより側で支えたり彼女について知ろうとすることをすればいいと思う」
「戸部」
「隼人くん」
「今は告白しないでおこう。まずは言われた通りにすればいいんじゃないか?」
「そこまで言われたらそうするしょ。それに頭冷えた気がするし」
「後は」
「ヒキタニくんの番しょ! 今度は応援する番だし何かテンション上がるわー!」
「戸部静かに。聞こえるかもしれないだろ。結衣に向かわせるようにする。後は君の思いを」
「ああ」
「俺も助かったよ。良い機会になったよ」
「すまんな。背中押してくれてよ……」
これがやり取りの一部始終だ。聞こえてくるのは心臓の鼓動。雪ノ下雪乃、由比ヶ浜結衣、川崎沙希……俺を変えてくれて側に居てくれてそんな日常がどれだけ心の支えになったか。正直言おう。俺は三人のことが好きになったのだ。LikeではなくLoveだ。
でもそれを伝えたら変わってしまうのは確かだ。それが良い方向か悪い方向かそれが唯一懸念する点だ。だが、それを恐れる訳にはいかない。拳を握り彼女たちが居る場所まで足を動かした。
「あら来たのね」
「隼人くんから聞いたけど」
「ねえなんでアタシらを呼んだの?」
足を止める。伝えたいのに言いたいのに喉が詰まってしまうこの感覚。それを振り切るように戸部の依頼について話す。
「依頼の件、成功はしなかったが失敗じゃなかったな」
「ええそうね。でもそれを教えて欲しかったけれど」
「うっ……それは悪い」
「むー」
「悪かったって……」
「あんときは頼りになったのに」
「す、すまん」
あれ可笑しいなー俺めっちゃ叩かれてる?
「その、あのさ」
「何かしら? 伝えたいことがあるなら言って頂戴。あなたはよく隠し事するもの心配でしょうがないわ」
「わかった。あのな」
「ずっと前から好きでした。」
三人の目が見開く
「雪ノ下も由比ヶ浜も川崎も……でもな」
「一人しか選べないんだよな……俺はお前らのこと好きなのに。なんか悔しいんだよな……はは」
あれなんでこんなに泣いているんだろう? 誰かが手を握ってくれた。
「そうなのね……私たちのこと好きになってくれたのね」
涙を拭ってくれる。
「ヒッキーあたしも嬉しいよ。あたしも好きって言ってくれて嬉しいよ」
頭を撫でてくれる。
「比企谷。アタシもアンタのこと……好きだよ」
「比企谷くん。あなたの口から言ってくれてありがとう。でも」
「少し時間を掛けて話合いましょう。大丈夫、あなたのことが好きだから……私たちも逃げずに私たちなりに答えを出して。あなたに伝えるわ」
「ヒッキー。今は帰ろうね? あたしも好きだよヒッキーのこと」
「アンタはアタシたちを助けてくれた。今度はアタシたちがアンタに向き合わないとね」
「ありがとう」
その言葉しかなかった。後悔はない。もう手放さない。もう失わないこの手を温もりも絶対に
次回は雪乃、結衣、沙希視点での修学旅行と告白後の心境を書きます。