二人の銀翼   作:アレクシア少佐

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プロローグと第一話。

二次創作初挑戦!


1 士官学校

ああ、今日もお姉様は美しい...

 

 

あ、突然すみません、初めましての方は初めまして。

私、帝国軍魔導士官学校に通う、アレクシア・デグレチャフ魔導少尉候補生、9歳であります。

 

9歳のクソガキが、軍人になれるのかって?そうですよね、私もそう思います。

 

ですが現実は非情なのです。本当にヒドイですよね、戦争というものは。

男女の差別無く軍人になれるよ!

ということで、こんな幼気な女の子でさえ、駆り出されています。

 

まあ私は志願したんですが。

 

なぜ私が帝国軍魔導士官学校に志願し、通うことになったのか...

 

原因は、私の双子の姉であるターニャ・デグレチャフ魔導少尉候補生のせいなのであります!

 

 

 

 

 

- - - - - - - -

 

私とターニャは、戦災孤児です。

父は軍人で、二階級特進。母は生活が苦しくなってしまったのかは不明でありますが、幼き私とターニャは孤児院に。

 

唯一の家族、とても仲良く、貧乏ではありましたがまあまあ幸せに生きておりました。

 

ある日、軍に勤めるお医者様が、魔導適正があるかどうか、検査にいらっしゃいました。

 

私もターニャも、適正はA。お医者様は、将来が楽しみだ、と笑っておられました。

 

私はそうなのかぁ、くらいにしか思っていませんでしたが、ターニャは違ったらしく、その検査からしばらくして士官学校に行く、と私にこっそり打ち明けてくれました。それと、

 

「アレクシア、お前はどうする?」

 

とも。

聞かなくても分かっているくせに、イジワルなお姉様です。

 

「私も行く!ターニャとずっと一緒にいるって、約束したでしょ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

..私は、ターニャの秘密を知っています。

ターニャも、私の秘密を知っています。

 

私達の秘密、それは、私もターニャも「転生者」である、ということです。

 

私は、前世の記憶はほとんどありません。

男だったのか女だったのか、当時の名前も、何もかも、覚えていません。

ただ、学び得た知識、知見、それくらいしか覚えていないのです。

 

なぜ私がターニャが転生者だと、気づけたのか。

 

簡単です。

 

 

ターニャは時々寝言で、「日本語」を話すのです。

 

ターニャってば、普段は澄ました顔して落ち着いて、凛としてかっこいいのに。

寝てるときは寝言を言うし、私を抱き枕に...

 

かわいいですよね。

 

 

おっと、話が少し逸れてしまいました。

 

たしか、5歳の頃です。ある晴れた日の夜に、ターニャに聞いてみたのです。

 

 

日本語で。

 

 

『お姉様、お姉様はもしかして、転生者、なのですか?』

 

「アレクシア!?一体、どこでその言語を...いや。そうか。」

 

 

 

「アレクシア、お前もまさか、転生者、なのか?」

 

「はい、お姉様。最も、前世の記憶は、知識しか覚えてないですが..」

 

「そうか...私は鮮明に前世を覚えている。なぜ、死んだのかも、な」

 

「ごめんなさい、お姉様。嫌なことを、思い出させてしまって..」

 

「いや。いいんだ、死んだのは私が原因だ。」

 

 

それから、お姉様のことを教えてもらいました。

 

前世では、男だったこと。サラリーマンとして働いていたこと。

この世界に酷似した世界の未来、だったこと。

 

「アレクシア。この話は、私達だけの秘密だ。いいな?」

 

「はい。前世の、それも未来の記憶があるだなんて、もし知られれば精神異常者扱いで済めばいいですが。」

 

「そうだな。それでも盆栽生活なんて御免だがな。」

 

 

 

この件以降、私とお姉様は今まで以上に仲良く、親密になれました。

お互いを半身と、想うほどには。

 

- - - - - - - -

 

 

 

 

 

そんなこんなで無事、士官学校を進級致しまして、私とターニャは一号生であります。

 

大人だらけの学校で、私達のような子供がトップで進級、後輩の指導をしなければいけません。面倒ですが、ターニャ一人に任せるわけにもいかないので。

 

「栄光ある帝国軍魔導士官学校の狭き門を潜り抜けてきた、諸君。合格おめでとう。」

 

はぁ。ターニャ、凛としてかっこいい...

妹だけど、惚れちゃいそう。将来、ターニャのお嫁さんになるのも悪くないですね。

 

 

「私は、諸君ら二号生の指導先任となるターニャ・デグレチャフ一号生である。」

 

私も指導先任だ。挨拶しておこうかな。

 

「同じく、貴方達の指導先任になるアレクシア・デグレチャフ一号生であります。」

 

 

私は演説は得意じゃないし、ターニャに任せよう。要所要所で補助に入るくらいかな。

 

「はっきりと言おう。我々は、実に困難な情勢において、常に最良の結果を求められる。」

 

今の帝国は戦争中、私達もさっさと教養を得、強くならなければならない。

 

「だが、安堵してほしい。我々は、貴様らに期待しない。だから私達としては、望む。私達を絶望させるなと。」

 

ターニャの毒舌、何かに目覚めちゃいそう。

もしかしたら、後輩の中にも目覚めちゃった人がいるかもしれませんね。

 

「断わっておくと、私の使命は、帝国軍の防疫である。すなわち、無能という疫病を、帝国軍から排除することにある。」

 

「そうですね、敵さんのとっても強い兵隊さんよりも、何を仕出かすか分からない無能な身内ほど、恐ろしいものはありません。」

 

私の記憶、知識にも類似した言葉があったので、引用させてもらいました。

 

「その通りだ、アレクシア魔導少尉候補生。かかる情勢下において、帝国軍に無能が蔓延するを許すは、罪ですらある。」

 

ターニャと私は、双子故か、同じ転生者だからか、思考が近い。

私の言いたいことをターニャが、ターニャの言いたいことを私が言うことができる。

 

「諸君は、48時間以内に、私達の手を煩わせることなく、自発的に退校可能である。」

 

「自覚できる無能は、良い無能です。たとえ帝国兵士としては無能でも、他に特技があるならばそちらに注力していただければいいのです。」

 

 

「だが、誠に遺憾ながら、48時間有っても、自分が無能であると判断できない間抜けは、私達が間引かねばならぬ。」

 

ターニャは言い方が過激ですね。その方がズバっと伝わりますが。

まあ新兵の皆さんは10代後半、私達の倍は生きていそうです。

それなのに、自分の得意不得意さえ認識できないなんて、無能もいいところです。

 

「まあ、ヴァルハラへ行くまでの短い付き合いではあるが、新兵諸君、地獄へようこそ。」

 

「あはは。地獄だなんて。地獄のほうが、生温いと思えるかもしれませんね?」

 

「違いない。ハッハッハ」

 

 

- - - - side 二号生

 

なんなんだ、あのクソガキ二人は。

言いたいように言いやがって。

 

あんなガキがトップを取れる程とは、帝国軍の質は落ちたのか?

 

だが、あのクソガキ二人。

 

ターニャとかいう奴のほうは、終始二号生に対して本当に子どもなのかと疑うほどの冷たい目をしていた。

末恐ろしいガキだ。

 

アレクシアとかいう奴は、二号生なぞ視界に入っていたかさえ怪しい。

何せ、ほとんどターニャ一号生を見ていたのだ。

舐め腐ったクソガキめ。

 

あんなクソガキに教えられるとは屈辱もいいところだが、教官達がそうしたのならば仕方ない、あんなのでも一応は上官となるのだ。

反抗などしようものなら厳罰モノだ、おとなしく従っておくに限る。

 

何とも腹立たしいが、クソガキに教えられるなどという屈辱以上はしばらくは来ないだろう。精神的にも鍛えられるというものだ。

 

 

 

- - - - side アレクシア

 

士官学校の一日は、清掃から始まって、野戦演習、そして用具整備をして終わる。

今は戦時中なのもあって、促成教育、迅速に実践的な士官を育てることこそ重要であります。

さしあたって、人間に対して銃で発砲できなければ何の意味もありません。

一号生最初の壁は、銃殺。

 

国の上層部が、殺しても問題ないと判断した社会のゴミを銃で撃つ。

すごく簡単ですよね?

一号生がゴミを撃つのを、二号生が見守る。

 

私とターニャは何の躊躇いも無く撃ち殺していますが、やはり人を殺す感覚に戸惑う、慣れない他の一号生達はなかなか行動できていないようです。

 

最初は仕方ないですよね、私達がオカシイのかな?

 

 

今日のお勉強は、戦術論?知っていることを学びなおすのも楽しいことです。

ターニャは楽しそうではないですが。

ムスっとしたターニャも、かわいいですね...

 

「......一号生!アレクシア・デグレチャフ一号生!話を聞いているのかね!」

 

ターニャに見惚れていたら、怒られてしまった。

面白くないおっさんのお話よりも、ターニャのほうが大切に決まっています。

 

「はい、すべて聞いております。」

 

「本当か?ならば問題だ。想定条件、攻勢。この状況で半包囲下におかれた部隊の取るべき戦術を述べよ。」

 

戦術はターニャの専門なんですけどね。

これくらいなら私にも分かりますが。

 

「はい、中央突破、背面展開、包囲殲滅。これが最適であります。」

 

まあこれは理論、実戦では使いたくない戦術ですが。

 

「状況防衛、かつ敵戦力が優勢の場合。」

 

まだ続くのですか。

 

「はい、一点突破による離脱。もしくは遅延部隊を設け、後退。以上であります。」

 

「よろしい。妹にばかり問題を投げるのもかわいそうだな。そうだと思わんかね、ターニャ・デグレチャフ一号生?」

 

あはは、ターニャにも投げるのか。思ったより面白い教官かもしれません。

あ、ターニャ不機嫌そう。かわいいです。

 

「はい、どんな問題でありましょうか?」

 

「アレクシア一号生の問題の続きだ。状況防衛、半包囲下であり、敵戦力が優勢の場合、この状況下での遅延戦闘の本旨は?貴様が分隊指揮官であるとする。」

 

ターニャは前世の記憶もあるけれど、天才なのです。

 

「はい、狙撃戦術が最適かと判断します。」

 

流石です。一人の犠牲で、みんなハッピー。

 

「想定追加、撤退が許可されない場合。」

 

教官もなかなか、イジワルですね。

 

「はい、敵の損害最大化、もしくは敵拘束時間の極大化のどちらかを戦術目標に設定していただきたいと思います。」

 

よくスラスラと出てくるなぁ。私じゃ少しだけ考えちゃうのに。

 

「何れの場合も述べよ。」

 

「はい、敵損耗最大化を目的とする場合、伏撃より混戦に持ち込み優勢なる敵支援投射能力の無力化に努めつつ、近接にて刺し違えます。」

 

半包囲される、つまりは敵の支援火器に弄ばれる。

だから、混戦に持ち込めば敵は誤射を恐れて撃てなくなる...

 

「そして、敵拘束時間の最大化でありますが、少数の部隊を殿軍とし、ゲリラ的に出血を強要する戦術を採用します。」

 

長く敵を引き付けるには、やっぱりゲリラ戦しかないね。

知識でしか知らないけれど、世界最強の米帝様だってベトナムやイラクでゲリラには苦労したみたいだしね。

 

「・・・大変結構である。」

 

あはは、あの顔。完璧に返されて、ぐうの音も出ないって顔だ。

 

「教官殿、質問をよろしいでしょうか。」

 

ターニャは真面目だなぁ。あれだけ面白くなさそうにしてたのに、きちんと疑問を解決しようとしてる。

 

「かまわん。なんだ?」

 

「はい、半包囲下におかれるという想定は、攻防戦でありえる設定であります。」

 

実際の戦場では、押したり引いたりだからたまには起こりうることだ。

 

「その通りだ。一般的に、部隊の孤立は忌むべきではあるが、ままあることである。」

 

「はい、ですが、敵が優勢、かつ後退が許されない状況とは?」

 

たしかに。負けている側がやることだね。

 

「なにが、言いたいのかね?」

 

「はい、死守命令が、下される状況は、どの程度ありえるのでありましょうか。」

 

ターニャ!?

その質問は、評価が下がっちゃうかもしれない...

 

「珍しいな、怖気づいたのか?」

 

ああ、ターニャが強張ってる。

でもがんばって、平静を保とうとしてる。

 

「はい、いいえ。教官殿。」

 

「...ならば、よし。」

 

はぁ、危なかった。

講義が終わったら、抱きしめてあげよう。そうしよう!




原作に沿いつつ、できるだけアレクシア視点でがんばってみました。

まだそこまで継続していませんが、感想など。

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