おはようございます。
アレクシア・デグレチャフ魔導中尉です。
どうしてこんな時刻に起きているのかと申しますと...。
「......むにゃむにゃ...。」
寝起きのターニャにイタズラするためであります!
今日は休息日ですので、悪戯をするには問題のない日です。
きっと、怒られて、ご褒美...お仕置きをされてしまうでしょうが!
やらねばならぬのです...!
ターニャはいつも、朝5時には起きるはずです。
現在の時刻は4時50分を少し過ぎたくらいです。
もうそろそろ、起きるはずです...。
いつもターニャに抱き枕にされているのですが、起きたときにターニャの腕の中に私がいなかったらどういう反応をするのでしょうか。
少しだけかわいそうですが、少し楽しみです。
ベッドの影に隠れて、驚かせてやりましょう。
「......ふぁぁ...ん?」
寝起きのターニャも可愛いですね...。
ああ、周りを見回して、私を探していますね。
いつもなら、ターニャが私を起こすのが日課なのですが。
「...。アレクシア?......トイレでも行ったのか?」
流石に、まだ焦りませんか。もう少し様子を見てみましょう。
ターニャが起き、歯を磨き、6時から始まる朝の帝国ラジオの時間。
「...。トイレにしては流石に長すぎるな。近くの部屋に聞きに行こうか...。」
数分ほど経った頃でしょうか。
聞き込みを終えたターニャが戻ってきました。
「...。まさか、な。まさかアレクシアが、誘拐?家出?そんな筈は...。」
なんだか、泣きそうな顔をしています...。
もの凄く罪悪感を感じてしまいます。
今すぐにでも飛び出して謝り倒したいですが、今日は悪戯すると決めたのです。
ぐっと、鉄の心で我慢するのです...。
「...なあ、アレクシア。どうせ、どこかに隠れているだけなんだろう?」
その通りなのです。その通りですが...探そうとはしませんね。
どうしてなのでしょうか...。
「...いつものように、可愛い顔を私に見せてくれよ...。...グスッ」
ああ、泣き出して...これ以上は私の心が持ちません。
ダメです。イタズラ失敗なのです。
ターニャを泣かせては、ダメなのです...。
「...おはよう、ターニャ。」
「...。アレクシア...よかったっ!本当に、よかった!!」
...あれれ。どうして私は、ターニャに抱きしめられているのでしょう?
いつものターニャなら、ふざけるな!くらいは言って、拳骨くらいは放ってくるのですが...。
「ターニャ、どうしたのです。いつもの、悪戯ですよ...?怒らないのですか...?」
「ああ、怒っている。でも、それ以上に、お前が無事だったことが嬉しい。もう二度と、こんな悪戯はしないで...私をヒトリにしないで...。」
ターニャって、こんなにも、弱々しかったのですね...。
いつもは私がいるから平気なのでしょう...。
少し考えれば、私だって朝起きてターニャがいなければ、錯乱してしまうでしょう。
それくらい分かることですのに、どうして私はそこまで至らなかったのでしょうか。
自分が許せません...。
「ごめんなさい、ターニャ。もう二度と、こんなことはしないと約束します。絶対です。」
「...もしも次このようなことをしたら、厳罰だぞ。馬鹿。」
「ごめんなさい、ごめんなさい...。」
数時間ほど、ターニャが私を離してくれませんでした。
いわく、「お前はすぐにどこかに行くかもしれないからダメだ。」
いわく、「姉を困らせる妹にはこれくらいの罰が必要だ。」
それは、ターニャが寂しいだけじゃ...。
と言うと、「当たり前だろう。生まれてからずっと、今まで一緒だったのだから。」
本当に悪いことをしました。
ですが、罪悪感が心を満たす一方、ターニャに抱きしめられていたので、とても至福のひと時でした!
「ターニャ...そ、そろそろ離れよう?もうすぐお昼ですよ。」
「そうだな。お昼を食べに行こうか。だが、手を繋ぐぞ。離したらアレクシアの全額奢りだからな。」
ターニャに何かが目覚めてしまった...!?
「はい、ターニャが嫌がっても、離しませんよ。トイレまでついていってあげます。」
「いや、トイレは流石にな...。」
朝ごはんを食べそびれてしまったので、もうお腹が空いて倒れそうです。
目の前には美味しそうなターニャ...少しくらい味見を...。
「......ぺろ。」
「ひゃんっ!?アレクシア!!」
手を繋いでいたので逃げることもできず。
ま、街の人が見ているのに、抱きしめられてしまいました。
「た、ターニャ...みんな見てますよ...?」
「うるさい!こんな恥ずかしいことを、私にしたアレクシアが悪い!」
「ご、ごめんなさい...。」
周囲の暖かな目が、今はとても痛いです!
軍服を着た幼女の双子が、片方は顔を真っ赤にして路上で抱き合っているのですから、和むのはわかるのです!
わかるのですが...。
「あらあら。イタズラしちゃダメですよ、お嬢ちゃん。」
「は、はい...。」
ターニャにされる罰よりも、心が痛むのです...。
「た、ターニャ、そろそろ行こう...?」
「......。そうだな。ごめんな、今日はなんだか調子が...。」
「...はい。私の方こそ、ごめんなさい。」
色々ありましたが、やっと昼食です。
いつもお世話になっている喫茶店ですが。
ここのコーヒー、それにパンはなかなか美味しいのですよ。
ターニャはコーヒーはブラックが好きみたいなのですが、私には苦すぎました。
ですので私は、カフェオレです。
パンはとても香ばしく、バターも相まってとても美味しいです。
「おや、軍人のお嬢様方。今日はどうされます?」
ここの女将さん...と言っていいのでしょうか。
女将さんは気さくな方で、私達を子供だからと差別したりされないとても良い方です。
「いつも言っているが、お嬢様などではないのだがな。ああ、私はいつものコーヒーと、パンで頼む。」
「私もいつものカフェオレとパンでお願いします。」
「はいよ、お嬢様方。いつもありがとうねえ。」
正直なところ、ここの料理と同じような『味』の喫茶店は割とあります。
ですが、ここの女将さんのような素晴らしい『人』がやっている喫茶店は多くはありません。
前線へ行けば食べられない味。会えない人。
今のうちに楽しんでおくのです。
百合百合したかっただけです。
こんなのターニャ・デグレチャフじゃねえ!という方、
ごめんなさい。
まだそこまで継続していませんが、感想など。
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良い
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まあまあ
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イマイチ