二人の銀翼   作:アレクシア少佐

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ええ、ちゃんとタグについているでしょう?

ガールズラブがッ!


17 即応大隊発足

こんにちは、アレクシア・デグレチャフ魔導大尉です。

 

ええ、中尉から大尉に昇進致しました。

階級が変わっただけですので、特に変化もありませんが。

 

「「デグレチャフ大尉、命により出頭いたしました。」」

 

「おめでとう。」

 

人事部の大佐殿が、そう言ってくださいます。

素直に嬉しいですね。

 

「昇進だ。ターニャ・デグレチャフ大尉、アレクシア・デグレチャフ大尉。」

 

「「ありがとうございます。」」

 

揃ってここまで昇進してきましたが、少佐からは幹部ですね。

ターニャは少佐になるとしても、私は昇進できるでしょうか...。

 

「さて、来てもらったのは昇進だけではない。貴官らの配属についてだ。」

 

陸軍大学卒業後の、配属のことですか。

陸軍大学卒の人事は、教育総監ではなく、参謀本部が握っているそうです。

要するに、現在の参謀達に気に入られれば、ぬくぬくできるわけです。

 

「できる限り、希望を考慮することになっている」

 

「「有り難くあります。」」

 

考慮、ですか。

しかし、銀翼突撃章持ちの私達を参謀本部がそう易々と野放しにするでしょうか?

あの手この手で自分達の指揮下、あるいは直轄にしたいと考えそうなものですが...。

 

「ですが、小官は軍人です。命令とあらば、どのような配置でも謹んでお受けいたします。」

 

「ターニャ大尉に同意であります。どのような配属でも喜んで。」

 

「結構だ。貴官らにはこのように書類が回されてきた。」

 

わあ。

20枚ほどの書類の束。どこでも選び放題ですね。

 

「ああ、それと参謀本部からも一枚出ている。」

 

...やっぱりですか。

案の定、野放しにはしないようですね。

まあ、参謀本部のゼートゥーア閣下とは面識もありますし、問題はありませんが。

 

「貴官らの武功を考慮し、人事部では選択を強制しない。好きなものを選びたまえ。」

 

「選り取り見取りでありますね。迷ってしまいます。」

 

「どれにしましょうか...。」

 

参謀本部からのお誘いを断れるはずもありませんがね...。

 

「だろうな。」

 

大佐殿は重々し気に、熟慮したまえと促してきます。

ポーズであっても、その姿は真摯にキャリア選択を悩む若者に助言するという人物像を造りだしています。

まったく、大した役者ですね。こちらの大根演技など見破っているでしょうに...。

 

「だが、いつの時代も楽な仕事というものはない。」

 

「「はっ」」

 

「参謀本部が君達に何を命ずるかは知らないが、幸運を祈るとだけ伝えておく。」

 

「「痛み入ります大佐殿。」」

 

「なに、貴官らのことだ。すぐにまた会うことになるだろう。」

 

はあ。何とはなしに、予想できてしまいますがね...。

 

 

 

応接室を出ると、ゼートゥーア閣下の副官殿が待っておられました。

促されるままに、副官殿について行きます。

やはり、閣下のお誘いでしたか...。

 

「久しいな、若き大尉。昇進おめでとう。」

 

「閣下の御言葉、誠に光栄であります。」

 

「誠に有難うございます。」

 

「貴様らのことだ。実務的な話の方がよかろう。」

 

堅苦しい前置きをしないでくださる閣下は、とても話しやすいです。

このような幹部の方は貴重です...。

 

「参謀本部よりの配属を受けたな?」

 

「はい。参謀本部付きで。」

 

「小官も、同様の配属を。」

 

おそらくターニャと同じ配属...だといいですが。

 

「結構だ。」

 

「......小官には、話が見えません。」

 

「小官も同じ意見であります。どういうことなのでしょう。」

 

閣下にお誘いを受けるような心当たりは...。

 

「逸るな大尉。なに、参謀本部は、すぐにでも貴様達に大隊を任せるつもりだ。」

 

ええ?大隊...?

 

「だが新編の魔導大隊になる。」

 

魔導大隊...どこかで聞いた覚えがありますね。

 

「新編、でありますか。」

 

「成程、さしずめ参謀本部直轄の即応大隊、でしょうか。」

 

...ターニャの売り込みのおかげですね。

 

「組織の常だ。諦めろ。面倒事は多い。アレクシア君、その通りだ。」

 

やっぱりですか。

大隊指揮、ですか...ターニャなら得意そうなことですね。

私にはとてもとても...。

 

「そこでだ、貴様らは明日にでも編成官の辞令を受けることになる。」

 

「編成官?随分と、古式めかしい職務でありますが?」

 

「大尉に大隊を預けるのは難しい。大隊編成の功で無理やり少佐にねじ込んでおく。」

 

「閣下、それは、小官もなのでしょうか。ひとつの大隊に、少佐が二人など...」

 

「それは問題ない。貴官らは『銀翼突撃章』を持っているだろう?」

 

なるほど、名声でごまかせと...。いいのでしょうか...。

 

「......実質的に大隊長と認識してよろしいのですか。」

 

「案ずるな、そこの約束は果たすつもりだ。全力で取り組め。」

 

ターニャが大隊長...。

想像しただけでもかっこいいです...。

 

「周囲の反感を買う事を前提で申し上げてよいでしょうか。」

 

「いまさら気にする口かね。なんだね?言ってみたまえ。」

 

「編成に際しては、全権が与えられたと考えてよろしいのでしょうか」

 

「言った通りだ。大隊兵員、装備は可能な限り充当する。」

 

選り好みし放題、ですね。

優秀な人間をかき集めることができそうです。

 

「48名以下であれば、好きなように編成してかまわん。」

 

「48名ですと、増強大隊になりますが、よろしいので?」

 

「即応大隊が増強大隊なのは当然の処置である。新編ということで、予算はねじ込んだぞ。」

 

私達の大隊だけで、小国相手ならば勝ててしまいそうですね。

これは慢心、かもしれませんが。

 

「ただ、人材は東部軍と中央という制約がつく。こればかりは動かせん。」

 

流石に西方と北方から引き抜きはできませんよね。

現在進行形で戦争継続中ですし。

 

「大隊は貴様らの本業に合わせて、航空魔導大隊になる。」

 

「指揮系統は、どうなるのでありますか?」

 

「即応の観点から参謀本部直轄だ。編成番号はV600番台を用意してある。希望はあるか?」

 

「空きの番で結構です。」

 

「ならば601だ。基本的に貴様らの上官はいない。喜べ。参謀本部会議直轄だぞ。」

 

「......まさに我が世の春ですね。」

 

「全くだ。誰だって羨ましいことだろうよ。」

 

私の上官はもとよりターニャだけです。

参謀本部には、逆らえばターニャが不利になってしまうので従いますが。

 

「編成の期限は?」

 

「早いに越したことはないが、明確な期限は無い。」

 

「なるほど、ではせいぜい選抜に勤しみます。」

 

私とターニャは顔を見合わせて、嬉しくてつい笑ってしまいます。

昇進も嬉しいですが、ターニャが大隊長ならばこれからもずっと一緒に居られるのです。

 

「ああ、大尉。忠告しておくが貴様達は部下を選びすぎるという評判がある。」

 

そりゃそうですよ、誰だって無能に足を引っ張られるなんて御免です。

 

「能力を疑うわけではないが、あまり良い風評ではない。留意しておけ。」

 

「御高配に感謝致します。」

 

「肝に銘じておきます。」

 

選びすぎて時間をかけてくれるな、ということでしょうか。

 

「なに、貴様達が実力でもぎ取った成果だ。誇ってよいぞ。」

 

「驕って墜ちるよりは、」

 

「謙虚で生きながらえたいと思います。」

 

「結構。その様子ならば、問題なかろう。」

 

ああ、どんな士官が来るでしょうか。

ターニャに悪い虫がつかないようにしなければいけません。

私のものであると、最初に言い聞かせねば...。

 

「明日にでも辞令は出るだろう。今日は、宿舎からでないことだな。」

 

「......随分と手回しのよいことですね。」

 

「せめてもの詫びだ。気にするな。」

 

「いえ、ありがとうございます。」

 

「では、期待しているぞ。武運を祈る。」

 

 

閣下もなかなか、悪戯が得意そうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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帝国軍参謀本部戦務課通達

 

『常に彼を導き、常に彼を見捨てず、常に道なき道を往き、常に屈さず、常に戦場にある。

全ては、勝利のために。

 

求む魔導師、至難の戦場、わずかな報酬、剣林弾雨の暗い日々、耐えざる危険、生還の保証なし。

生還の暁には名誉と賞賛を得る。』

 

参謀本部第601編成委員会

 

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まだそこまで継続していませんが、感想など。

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