未来の頭脳が二人。
私にも分かりません。
はい、こんにちは。
アレクシア・デグレチャフ大尉であります。
ええ、本日は第601編成部隊編成官補佐として、ターニャの航空魔導大隊の選抜を手伝っております。
ターニャの考えた、心が燃え滾るような熱い募集文句に、志願書殺到です。
いや、本当に。
二人では捌ききれないですよ...。
「ああ、もう!どうしてあのような募集に、こんなにも食いついてくるのだ!」
「ターニャの才能ですよ...。」
「こんな才能が私にあったとは...じゃなくて!こんな量、私とアレクシアだけで捌ける筈がない!従兵!従兵!」
10人体制でも厳しい量ですよ、これは...。
「はっ、はい大尉殿。なにか、ご用でしょうか。」
あれ?女性?
部屋に入ってきたのは、若い女性です。私達よりは、年上ですが。
階級は...特務伍長、ですか。
特筆することは、ありませんね。
「......ん、ああそうか。貴官とは初対面になるか。官姓名を申告したまえ。」
「ヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフ特務伍長であります。大尉殿の大隊副官を命じられております。」
「ターニャ・デグレチャフ大尉だ。なるほど、どうやら随分と気を使われたようだ。」
「アレクシア・デグレチャフ大尉です。よろしくお願いします、セレブリャコーフ伍長。」
彼女が副官...?ならば私は副官より上の、大隊長の部下?
ターニャの補佐官あたりですかね。
「さて、セレブリャコーフ伍長。すまないが、衛兵司令にお願いして何人か憲兵をお借りしたいと伝えてくれ。」
「何名ほどお借りしましょうか。」
「そうだな...。できれば、ダースはお借りしたいと伝えて来てくれ。」
「了解であります。」
なかなか、仕事のできそうな人です。
それに、同性の仲間がいるというのは、ターニャには及びませんが多少は安心できますね。
「ターニャ、あの人が副官ならば、私は何になるのでしょう?」
「ん?書類をよく読んでいなかったのか。」
「ごめんなさい、ターニャ。」
「ああ、いいさ。アレクシアは、私と共に大隊長、だそうだ。」
「ええ?一つの大隊に二人の大隊長ですか?」
てっきり補佐役だとばかり思っていましたが...。
「どうも、参謀本部は私達のことを二人で一人、だと認識されているらしい。」
「そうなんですか。私としては、ターニャと一緒に居られるのであれば嬉しい限りですが。」
「私だって、アレクシアが居てくれて嬉しいさ。私の背中を、隣を任せられるのはお前しかいない。」
ターニャが、そこまで私を想ってくれているなんて...。
...いえ、この前の悪戯をしたときには泣かれてしまうほどでした...。
あの悪戯以降、ターニャが前よりも過保護になったように感じます。
部屋にいるときはずっとべったり、外出するときも手を繋いで。
まるで恋人みたい...ですが、私達は血のつながった姉妹です。
......これくらい、普通、なのかな?
「そんな...ターニャ、嬉しいです。」
「あ、あの...」
はっ!
「し、失礼した。伍長、戻っていたのならばノックくらいしてくれ...。」
その後、セレブリャコーフ伍長が私とターニャをじろじろと見てきましたが、睨み返すと大人しく仕事をしていました。
まったく...。
「...ターニャ、やはり書類選考の後にもう一つ試験を課すべきではないでしょうか。」
「そうだな、経験の浅い者などは書類で落とすとしても...経験が長いだけの無能など掴まされたら面倒だな。」
「書類選考は彼らに任せるとして、私達は書類を通った者を試験する準備をしましょう。」
書類選考、面接、試験。
人を選ぶときの基本です。帝国軍士官学校の入学にも、これらはありました。
そのときは、年齢以外は私とターニャが上位でしたね。懐かしいです。
「アイシャ・シュルベルツ中尉、ただ今着任いたしました。」
「クレイン・バルハルム中尉、同じく着任いたします。」
...さて、面接と試験の両方を一気に行いましょう。
とても、合理的、効率的です。
「御苦労。参謀本部第601編成委員会委員長、グレゴリオ・フォン・ターナー大佐だ。」
さて、今回は受かるといいですね...。
「諸君には、すでに本日の予定が通知として来ていると思うが変更を告知する。」
さて、どうでるか、です。
「通達してあるように、本日1400までに第七演習場集合は取りやめ。諸君は、ただちに第六航空戦隊司令部へと向かいたまえ。」
もやもやしていそうな表情をしていますね。いいですよ、その調子です。
「......なお、当然のことではあるが選抜過程による機密保持義務が貴官らにはかけられている。」
気づけるでしょうか?
「機密保持資格に疑義が出た場合、即刻原隊へ処分付きで送り返すので注意せよ。」
「はっ。」
...はあ、ダメでしたね。これで何組目ですか、原隊送りは。
「......これではいい加減、対光学系術式対策を徹底しようという気になるな。」
「でしょうね。視野狭窄と言われても仕方ないはずだ。」
「ゼートゥーア閣下、このような魔導師の基礎を見破れぬような者ばかりであります。このままでは...。」
本当に、ほとんど誰も見破れないのです...。
こんな、お粗末な幻影を、ですよ?
グレゴリオとかいう人形だって、よくよく見れば口をパクパクしているだけなんですよ...?
「なるほど。貴様らが散々不合格を突きつけるものだから、視察しに来てみたが納得だ。」
中央軍から志願してきた人たちは、数は少なかったですが半分ほどは合格しました。東部軍は...ほとんど、全滅です。
「しかし、中央軍の実戦経験者が半数は見破れる詐術か。」
「同水準のそれを東部軍では、ほぼ全員が見破れないのは問題だな。」
「光学系の式で幻影を形成しているだけの単純な術式です。実戦では一般的なデコイとして使います。」
「こんな簡単なものさえ見破れないのであれば、敵の幻影はおろか、味方の幻影にさえ惑わされかねないかと...。」
ターニャや私が実戦慣れしているとかそういうことではないのです。
少なくとも、中央の人たちは半分とはいえ見破れました。
つまり、東部の怠惰以外何者でもないのです。
「光の屈折で、眺めている試験官の前で実在しない映像相手に踊っているのです。採用したくない気持ちもお分かり頂けるでしょう。」
「......それで、東部軍の成績は?」
「東部軍志願組は、これまで29組中27組が幻影に騙されて原隊復帰となりました。」
わずか2組、ですか。先が思いやられますね。
幹部の人たちも顔色は蒼白、頭を抱えています。
再教育、大変そうですね...。
「中央軍の10組中5組が受かったのと合わせても、中隊分しかありません。」
二人一組ですから、まだたったの14人ですよ。
私とターニャ、セレブリャコーフ伍長を含めても、17人です。
「現在、残っている東部軍65組に期待したいところです。」
「...この割合では、もう中隊分集まればいい方ですね。」
「......仕方あるまい、要求水準を引き下げるほかあるまい...。」
そうしますと、再教育しないといけませんね。
どのみちやる予定でしたが、ターニャの手間が増えますね。
ああ、まったく。これだから、無能というゴミは。
「再訓練を施せば、使い物になるという基準設定が必要です。編成に時間がかかります。」
「具体的には?」
「一月ほどは、頂きたく。」
「多少、手荒になってしまいますが、致し方ないでしょう。」
「かまわん、殺さない程度に再教育してやれ。...嘆かわしい、通常訓練、教育の見直しが必要だな...。」
「「はっ。」」
「あぁそうだ、この記録を教導隊に送ってやれ。連中に、東部軍を再教育させてやる。」
ゼートゥーア閣下はお優しい方ですね。
怠惰な無能にも、チャンスをお与えになる。
手間も時間もかかるというのに...。
さて、大隊編成です。
別視点などを削いでいるせいか、早く感じますね...。
といっても、原作も18話で大隊編成なんですが。
そうそう、Los! Los! Los! 良い曲ですよね、ずっと聴いております。
まだそこまで継続していませんが、感想など。
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良い
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まあまあ
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イマイチ