二人の銀翼   作:アレクシア少佐

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私は知っているのですよ。

ガールズラブタグのついたコレを読んでいるアナタは、きっと、
可愛い女の子のきゃっきゃうふふが大好きな同志であるとッ!

姉妹百合はお嫌いですか?




20 即応魔導大隊結成

こんにちは、アレクシア・デグレチャフ大尉です。

 

ええ、やっと訓練期間の一か月が終了しました。

 

...ターニャとの、あの一件以降、一週間ほどは気まずかったですが。

ただ、あの件でターニャは何か吹っ切れたのでしょうか。

...その、朝起きるとき、夜寝るとき、キスをしてくるようになりました。

姉妹なのに、血がつながっているのに、いいのでしょうか...。

私は、全然嫌ではないですが...。むしろ嬉しいですが!

 

もちろん、私達だけの秘密ですよ?

 

 

 

さて、今日は即応航空魔導大隊の、お披露目です。

 

「こののろまども!尻を引きずらずに、さっさと高度を上げろ!」

 

「たったの8000ですよ?腑抜けているのですか?聞こえていますか?」

 

まったく。航空魔導師の限界は一般的に6000らしいのですが、訓練では皆さん5500ほどで限界でしたね。

ちょっと頑張って6000に到達、くらいでしょうか。

 

それを見たターニャが目標を8000に設定、最後の一週間扱きに扱いたのですが...。

 

「むりです、もう無理です大尉殿。」

 

「よろしい。ならば、死ね。今すぐに死ね。貴様が死ねば諸経費が仲間のために役立つ。」

 

「安心してください、苦しまずに殺してあげましょう。」

 

無理だと思うから無理なのです!

...とまでは言いませんが、訓練では7800まで飛べていたのです、あと少しではありませんか...。

 

以前私とターニャは、西方のライン戦線で高度12000を飛んでいました。

その際、共和国軍の魔導師は8000まで上がって来たのです。

つまり、敵国の魔導師は無理をすれば8000まで上がれるということです。

ですので、我々は余裕で8000を飛べなければならないのです。

 

「レルゲン中佐、いかがでしょうか。」

 

どうでしょうか...この大隊の出来具合は。

 

「見事なものだ。」

 

ああ、よかった。私達の苦労は無駄にはなりませんでした...。

 

「......酸素ボンベも無しに、何故高度を8000に上げられる?」

 

「ああ、それは簡単です。酸素発生の精製式を常時展開させています。」

 

「......常駐式を二つもかね?」

 

「はい。最低でもそれくらいは出来なければ。」

 

高度6000を超えると、高山生まれの人ならともかく、普通の人間にはちょっとつらい環境になります。

酸素が薄くなるのです。

高度8000を飛ぼうと思えば、酸素発生くらいできなければ話になりません。

 

「どこから、そんな無茶に応えられる演算宝珠を?」

 

「ああ、エレニウム工廠のドクトルには、貸しがありますので。その伝手で、先行量産品を。」

 

あの狂った科学者だったドクトルだが、神がどうだと言い始めてからはある程度会話ができるようになりました...。

ストレスが溜まりますが。

 

「貴様ら!単調な機動を取るなと言っただろう!良い的だと何故気がつかない!?」

 

「ターニャ、落ち着いて。ね?」

 

「しかしだな、アレクシア...。何度言っても聞かないのだ、少し躾けてやる必要がある。」

 

「うーん、そうですね。けがをさせない程度に、ですよ。」

 

「わかっているさ。よろしい、私が直々に貴様らを躾直してやろう!」

 

「あはは、すみませんね、レルゲン中佐。」

 

ターニャは嬉々として術式を放っています。

大方、ドクトルとの会話で溜まったストレスの発散、といったところですかね。

 

「ら、乱数回避!急げ!」

 

「......信じられん。常駐式を並列起動して乱数回避機動が取れるのか。」

 

「デコイも出していますね。」

 

うんうん、その辺りは徹底して訓練しましたからね。

すぐに撃墜されていては、ターニャの評価が下がってしまいますし。

 

「......エレニウム工廠の新型は想像以上に優秀ですな。」

 

「エレニウム工廠に資料を請求したい。」

 

「わかりました。手配しておきます。中佐殿。」

 

もしかしたら、あの宝珠が次の帝国魔導師の支給品になるのでしょうか。

 

「いい機会だ。貴様らの価値を証明して見せろ。」

 

「...アレクシア・デグレチャフ大尉。君の姉は、いささかやりすぎではないかね?」

 

「いえいえ、何も問題はありません。これくらいで墜ちるようでは、最前線で死んでしまいますよ。」

 

「しかし、限度があるだろう。すでに、半数が脱落したのだぞ?」

 

まだ半分程度ですし...。

 

「大丈夫ですよ、まだ、二個大隊分の人員はあります。人的資源には、まだ問題ありません。」

 

「そうか。わかった。続けたまえ。邪魔をしたな。」

 

どうかしたのでしょうか、レルゲン中佐は...。

何やら険しい顔をされています。

 

「いえ、お気になさらずに。」

 

「......そうか。よくわかったよ、成程、貴様らが書いたに違いない。」

 

何の話なのでしょうか...。

私達が書いた、と言われましても、心当たりが多すぎるのです。

 

「中佐殿?どうかされましたか。」

 

「いや、少し考え事をしていただけだ。やれやれ、彼女が狂っているのか、世界が狂っているのやら。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、蛆虫諸君!」

 

いよいよ、魔導大隊の結成です。

 

「本日をもって貴様らは無価値なウジ虫を卒業する!」

 

「本日から、貴方達は帝国軍魔導師であります。」

 

「戦友の絆に結ばれる、貴様らのくたばるその日まで!どこにいようと軍は貴様らの兄弟であり戦友だ。」

 

「これより諸君は戦地へ向かう。ある者は二度と戻らない。」

 

「だが肝に銘じておけ!そもそも帝国軍人は死ぬ。」

 

「死ぬために我々は存在するのです。」

 

「だが帝国は永遠である!つまり―――貴様らも永遠である!

故に、帝国は貴様らに永遠の奮戦を期待する!」

 

これでやっと、私達の魔導大隊...帝国軍第203航空魔導大隊は、結成です。

 

 

 

 

 

 

 

 

「デグレチャフ少佐。」

 

「なんだ?」「なんですか?」

 

...紛らわしいのです。

ターニャも私も、デグレチャフなので、呼ばれるとき紛らわしいのです...。

フルネームでもいいのですが、まあまあ長くなってしまいますし...。

 

「参謀本部より、軍用通信です。」

 

「ご苦労、セレブリャコーフ少尉。」

「ご苦労様です、ヴィーシャ。」

 

さて、なんでしょうか...。

 

「...と。んん?」

 

「なんですかターニャ、見えないです。」

 

「ああ、異動だ。ダキア公国方面...?なぜだ?」

 

ダキア...ですか。ええと...。

西暦世界でいうと...ルーマニアですか。

この世界のオーストリア、ハンガリー、チェコスロヴァキア、ユーゴスラビアは既に我が帝国領です。

ですので、ダキア公国とは国境を接しています。

 

「まさか、ダキアが宣戦してくるとでも言うのでしょうか。」

 

西暦世界と同じ地形ならば、山脈があり河川も豊富、防御側有利な地形だらけだったはずです。

まあ南部は平地ですので、そちらから回ればいいのですが。

 

「さて、な。この際だ、ダキア語でも勉強しておこうか。」

 

「もし戦争になったら、降伏勧告をダキア語でしてあげましょうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- - - - - 帝国軍 南東方面軍 第五駐屯地

 

「南方管区から通達です。」

 

「...緊急。軍団規模、ダキア軍。我が国境を侵犯中。」

 

「はい、敵歩兵軍の規模は4個軍集団、およそ60万と。」

 

本当に、ダキア公国が来るとは...。

 

「航空戦闘の戦況は?」

 

「敵航空戦力の情報は、ありません。」

 

ええ?共和国や協商連合でも爆撃機くらいは持っているのに...。

 

「何?通信状況に問題は?」

 

「ありません。すべて正常です。」

 

「...ダキア公国のこと、少し調べましたが。兵のおよそ半分が農民らしいですよ。」

 

「まさか。まさか、そのような国がなぜ、帝国に...。」

 

本当に不思議です。

どう考えても、少しでも調べれば帝国には勝てないと分かりそうなものです。

 

「...ターニャ。もしかしたら、ダキア公国は、我々の大隊に実弾演習を提供してくれているのでは?」

 

「...ああ、成程。それでわざわざ、戦争と。我々の初陣を勝利で飾らせてくれるというのか、優しい国だな。」

 

海上から支援を受けようにも、相当な回り道をしなければならないダキア公国が。

帝国に勝てるなどと、本気で思っているのでしょうか...。




ああ、この世界のターニャは百合の加護で精神汚染されない...はずです。

まだそこまで継続していませんが、感想など。

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