ああ、それと存在Xファンの方には申し訳ありませんが、おそらく登場は......。
「さて、残敵掃討は友軍に任せるとして...。」
こんにちは、アレクシア・フォン・デグレチャフ少佐です。
現在私達は、ダキア公国の侵攻軍司令部を潰し終わり、参謀本部へのお土産を準備し終わりました。
今、ちょうどこれを友軍に引き渡したところです。
「大隊長、全員集結いたしました!」
「よろしい、では、我々はさらに進むぞ。」
「どこまで行きますか?」
そうですね、ダキア...つまり西暦世界のルーマニアですか。
ルーマニアに、めぼしいものは...と。
「とりあえず、首都だ。首都にあると思われる兵器工廠を破壊しようではないか?」
「そうですね、思っていた以上にあっさり終わってしまったので、まだ運動し足りないです。ね、皆さん?」
嫌とは言わせません!
どうせ誰も負傷もなにもしていないのです。
せいぜい、ここまで飛び続けてきたので若干疲れたくらいでしょう。
「では諸君、ダキア公国首都へ出撃するぞ!」
敵国の工廠を破壊してから考えますか。
ええ、何事もなく、本当に何も問題なく敵国首都上空です。
まさか、こうも簡単にたどり着けるとは驚きです...。
私達に意味はないとしても、多少の妨害程度は予想していたのですが。
「よし、目標発見。共和国がテコ入れした兵器工廠らしい。」
「それはそれは、よく燃えそうですね。楽しみです!」
「...見た限り、対航空防御はされていないようですね。」
侵攻軍にさえいなかったのですから...。
「ああ、連中は一世紀前の世界で生きているらしい。」
「さて、では避難勧告を出しましょうか。」
国際法では、一般市民のいるところを攻撃する場合、避難勧告をしなければなりません。
実に面倒ですが、避難勧告後に市民が死んだらそれは、避難が遅かった、としか。
「少佐殿、それでは奇襲の効果が失われてしまうかと...。」
「ヴァイス中尉?貴方、常識的、真面目すぎますよ?」
「...申し訳ありませんッ!!」
ヴァイス中尉は頭が固すぎなのです。
もっと、柔軟に考えることができるようになってほしいです...。
「セレブリャコーフ少尉、さっさと警告を発しろ。規定通り、国際チャンネルでだ。」
...ああ、今丁度思い出しましたが、ルーマニアには油田がありましたね。
規模までは覚えていませんが、第二次大戦時はナチスドイツの重要な石油供給源になったとか。
ただ、ソ連との国境の近くで、さらに飛行場も近かったために連合国側から攻撃されたようですが。
「でも、あの...本当に、私でよろしいのでしょうか...?」
「は?」
「少尉、どうしましたか?緊張してしまいましたか?」
「いえ、そういうわけでは...。」
「ああ...確かに、私がやったほうがよさそうだな。」
え?え?
どういうことなのでしょうか...?
「ええと、ターニャ、どういうことなのです...?」
「いいから、お前も一緒に避難勧告するぞ。」
「ええ...わかりました。」
全然状況が飲み込めないのですが...。
「......せんせい!ぼくたち、わたしたちは、こくさいほうにのっとり、せいせいどうどうせんそうすることを、ちかいます!」
な、なんですか!?
どうして、避難勧告でターニャがこんなに可愛くなるのですか!?
どういうことなのです...?
「けいこくします!ていこくぐんは、これより、ぐんじしせつをこうげきします!」
「え、ええと...ターニャ?これはどういう...。」
「すばらしいですね、完全に子供のイタズラだと思っているようです!」
「ああ?」
ああ...そういう。
確かに効果的ですが...ターニャが不機嫌になってしまったのです...。
「すごいですね、少佐殿は演劇でもやられていたのでしょうか。」
「はぁあ?」
「ま、まあまあ...。」
「...さて諸君、国際法上の義務は果たした。仕事にかかるとしよう!」
ストレスを早くぶちまけたいのですね、わかりますよターニャ...。
「そうですね、さっさと仕事をしましょう。」
「総員、長距離用術式展開ッ!」
「目標!ハルベリウス兵器工廠!各中隊は、少佐殿に合わせて斉射せよッ!!」
そんな名前だったのですね、あの工廠。
...これから破壊するので、覚える必要もないですが。
「......総員、撃てえぇェェェッッ!!!」
「兵器工廠、跡形もなく吹き飛びました。...っと。」
目の前で大爆発。きれいな花火です。
「ダキアには足を向けて寝れんな、実弾演習だけでなく、花火まで用意してくれていたとは。ともあれ、目標は達成だ。」
「ターニャ大隊長!少しよろしいでしょうか!」
「どうしたアレクシア、急に畏まって。」
「あはは、一度やってみたかっただけです。...予想よりも遥かに早い時間で任務が終わってしまいましたね。」
油田を確保すれば、帝国が潤いますし、手柄にもなります。
それに、西暦世界と同じように展開していくかは分かりませんが、もしも連邦と戦争になった場合、ダキアに拠点があれば相当楽になるはずです。
「そうだな、何かやりたいことでもあるのか?」
「はい、ダキアには、確か油田があったと思いますが...。」
「ああ、成程。時間もある、ついでだな、占領して帝国への土産としようか。」
この後は、何事もなく油田地帯を確保し、友軍が到着、同日ダキア公国は降伏。
...宣戦布告から、わずか半日も経たずに終結しました。
帝国は、全土併合するかと思いましたが、傀儡国にするようです。
多少の自治権を認めるだけで、油田や飛行場などの一切がすべて帝国管理下みたいですが。
...ほとんど併合に近いですが、もはやダキアに戦う力はありません。
ゼートゥーア閣下が、私の提言を皇帝陛下に進言してくださったのでしょうか。
なんにせよ、戦線拡大は免れそうですね。
初陣から、数日が経ちました。
ダキア公国を半日で降伏させた功で、一週間ほど休暇を頂くことができました。
「ダキア公国は半日も経たずに降伏。私達の初陣は大勝利でしたね。」
「そうですね、少佐殿。そういえば、今日は少佐殿はお一人なのですか?」
「はい、ターニャは今、参謀本部から来たレルゲン中佐殿とお話ししています。私もご一緒しようと思ったのですが、『たまには、外で伸び伸びとしてこい』って言われまして...。」
といっても私、ターニャと一緒に居る以外に特に楽しみもないのですが...。
ぼーっとしていても暇なので、ヴィーシャのところに来たのです。
「そうですか。少佐殿は、お姉さんのことが本当に大好きなのですね。」
「はい、大好きです。...私達は戦災孤児なのです。教会に拾われ、育てられました。ですから、私の、血のつながった家族はターニャだけなのです。」
あの頃は...とても貧乏で、食べるものも着るものも良いものではなかったですね。
「ターニャは...小さい頃からずっと、ずっと私のことを想ってくれています。ずっと、私はターニャに守られてきたのです...。」
ヴィーシャは、静かに聞いてくれます。
優しい人です、少し抜けているところはありますが...。
「ですから、私はターニャに少しでも恩返しをしたいのです。ヴィーシャは、気づいているかもしれませんが...私は、ターニャのために一生懸命になりすぎてしまうことがあって...。」
「はい、知っていますよ。お姉さんからこっそり、教えてもらいました。」
ターニャも、ヴィーシャのことは信頼しているのですね。
ターニャがそう判断したのなら、きっと大丈夫なのでしょう。
「ヴィーシャ、戦争が終わったら、その...。」
「はい、なんでしょうか少佐殿。」
「...二人きりのときは、アレクシアでいいですよ。堅苦しいのは、大隊の皆さんの前だけでいいです。戦争が終わったら、その時は私達とたくさん遊んでください。」
「少佐殿...あっ、すみません、ええと...アレクシア、ちゃん?」
ずっと、軍人でしたからね...。
そう呼ばれるのは、いつぶりでしょうか。
教会のシスターに呼ばれたのが最後のはずですが...。
「はい、ヴィーシャ。ありがとうございます、ああでも、このことはターニャには内緒ですよ?きっと、嫉妬してしまって上官に対して何という態度だ!だとか言って怒ってしまいます。」
「あはは、言いそうですね。本当は、少佐殿...アレクシアちゃんのこと、もっと恐ろしい人だと思っていました...。」
「そ、それは心外です。ターニャほど厳しいことは言ってないはずですが...。」
私に、初めて、友達ができました。
私達の、良き理解者になってくれそうなのです。
ヴィーシャだけじゃないです。
ヴァイス中尉も、他の皆さんも、なんだかんだ言って誰も脱落することなく、今まで一緒に戦ってきたのです。
大隊のみんなは、それぞれ仲良くなっているようです。
「皆さんは、ターニャのこと、どう思っているのでしょうか...。」
「とっても厳しい大隊長、ですが、妹想いの、大隊想いの優しい人だって、皆さん知っていますよ。」
よかったです、厳しすぎる鬼畜大隊長、とか思われていなくて...。
やはり、仲が良いほうがちゃんと命令を聞いてもらえますから。
「そうなんですか。よかったです、皆さんがターニャのこと嫌いだったら...。」
「感謝こそすれ、嫌うはずがありませんよ。確かに、厳しすぎるくらい厳しい方ですが、大隊長の厳しすぎる訓練のおかげで、戦場で緊張しないのですから。」
「あはは。私も見てて、ちょっと厳しすぎるのでは?と時々思いますが...。」
「少佐殿から進言して頂いてもよろしいのですよー?」
「でも皆さん厳しい厳しいと言いながら誰も離脱しないじゃないですか。終わった後のご飯もとても美味しそうに食べますし。」
選抜のときのひどい訓練でも、誰も途中で離脱しませんでしたし...。
「...では、そろそろいい時間ですね。私は戻りますね。」
「はい、少佐殿。」
「ヴィーシャ。二人きりのときは、名前で、って言いましたよね?」
「ああっ、す、すみません...。またお暇なときに、お話ししましょう、アレクシアちゃん。」
「はい、ヴィーシャ『お姉ちゃん』。また。」
「えっ...ええと...はい、また。」
今回のは、百合に含まれますか?
お姉ちゃん発言に少しでも反応を示した人は同志です。
まだそこまで継続していませんが、感想など。
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良い
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まあまあ
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イマイチ