二人の銀翼   作:アレクシア少佐

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こんにちは、アレクシア少佐です。

ああ、私は作者のほうですよ。

前話のアレは、死亡フラグなどでは全くないのでご安心ください。

2019/10/03/13:35 追記
同じ文章が2回続いていたので修正しました


23 次の戦地への準備

「大隊長、入室!」

 

 

おはようございます、アレクシア・フォン・デグレチャフ少佐です。

 

「楽にしろ。さて諸君、先日のダキアとの戦い...戦いと呼べるかは少々疑問だが、よくやってくれた。」

 

「「「はっ!!」」」

 

私も大隊長なのですが、ターニャが私の分まで仕事をしてしまうのです...。

さて、ダキアに勝利した休暇も終わり、今日からまたお仕事です。

 

「結構。では、これより参謀本部よりの通達を告げる。ヴァイス中尉。」

 

新しいお仕事でしょうか。

次は北方でしょうか?西方でしょうか?

 

「はっ。すでに大隊長より通達されたことではあるものの我が大隊は遊撃大隊となる。」

 

「言い換えれば、大隊は常に内線を全力で東奔西走させられるということだ。」

 

既にダキアまで散歩してきたばっかりです。

ダキアを一瞬で降しはしましたが、西暦世界と違い同盟国の無い帝国。

協商連合を倒し同盟とするのが最も良作でしょうか?

 

「つまり、参謀本部は我々を馬車につながれた、馬並みにこき使うということだ。喜べ。キャロットは用意されているらしい。」

 

「キャロットが何か、とは何も知らされていませんが!」

 

「「はっはっはっはっは!!」」

 

笑い始めた皆さん。

まあ、笑うしかないですね。

一つの国を倒しても、休暇一週間ですよ!

...まあ、また勲章がいくつか増えましたが。

 

「大隊、傾聴!」

 

「本日18:00より、夜間長距離機動を開始する。各中隊長は集合。飛行プランを提示する。」

 

中隊長たちが集まって、各々の予定を確認します。

 

「さて、中隊長らがおしゃべりを楽しんでいる間、短い通達事項を伝えておきましょうか。」

 

まあ...皆さんおおよその予想はできていると思いますが。

 

「大陸軍が抜けたとはいえ、北方戦線は本来、今ごろ決着がついていなければおかしいのです。」

 

そうなのです、まだ終わっていないのです。

このままでは冬になってしまいます。

 

「本来は、ということはですよ、何かがあると思ってよいかと。」

 

「大隊長殿!?」

 

「ヴァイス中尉、これは私達の推察です。私見に過ぎませんよ。」

 

予想、というよりは大方そうなのでしょうが。

 

「まあ、諸君。共和国か連合王国か、はたまた何処の誰かは知らないが誰かがお節介をしているということだ。」

 

また、ターニャが私の仕事を...。

 

「...そういうことです。さて、話は少し変わりますが、皆さん。実は、皆さんがまだ、あの雪山で訓練をする前にですね、新しい航空機が量産され始めたのです。」

 

「...ほう、そうなのかアレクシア。それで、私達の魔導大隊とどんな関係が?」

 

いい質問です!

と言いたいところですが、ターニャのことです、きっと分かって言っているのでしょう。

 

「新しく配備される航空機は、戦略爆撃機、です。」

 

「なんだと!戦略爆撃機だと!」

 

あれ、ターニャは知らなかったのでしょうか。

 

「はい、そうです。ええと、戦略爆撃機というのはですね、従来の爆撃機と違い、兵士を殺すことよりも、敵の兵站を潰すことに重きを置いています。高高度から敵国へ侵入、爆撃目標...兵器工廠や、物資の集積所などですね、これを爆撃します。」

 

本当は、敵国の市街地も焼くのですが、それは国際法に反しかねません。

 

「この爆撃機が現在、早くも20機が完成しており、北方か西方かどちらに配備するか参謀本部で揉めていたらしいですね。結局、先に北方を片付けるということで、北方配備になったようですが。」

 

「成程...戦略爆撃か...。」

 

「して、大隊長。それと、我々にどのような関係が...?」

 

ここまで聞いて、まだわからないのですか...。

 

「いいですか、北方に新型航空機、戦略爆撃機が配備されたということ、私達が北方へ仕事をしに行く事。おそらく我々は、この爆撃の護衛も務めることになるかと思われます。」

 

「は、はあ...。」

 

問題は、この先なのです。

 

「この爆撃機、まあ考案は私ですが...誰が設計したのかは不明なのですが。最低でも高度、およそ25000を飛ぶのだそうです。」

 

さて。皆さん、顔が青くなってきましたね。気づいてしまいましたか。

 

「大隊長、それは、つまり...。」

 

「そういうことだ。爆撃機というものは、攻撃する際に大きく急降下する。これに合わせ、我々は爆撃機の攻撃の隙を埋めることにある。貴様ら、あれだけ訓練をしてやったのだ。今はもう余裕で飛べるよな?」

 

「「「...はっ!!」」」

 

なんですか、その微妙な無言は...。

まあいいでしょう、せいぜい20000以上を飛んでいれば大丈夫だろうと思っていましたが、遥かに上回るとは思いませんでしたね。

 

「では諸君、時間までは自由にしていい、解散。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...しかしアレクシア、いつの間に戦略爆撃なんて参謀本部に提案したんだ?それで、どうしてお前が戦略爆撃機の配備状況を知っているのだ。」

 

「はい、ターニャ。戦略爆撃による兵站破壊は、大学生だったときに論文として提出しました。ゼートゥーア閣下が、『大学図書館の本を読んでいるよりも、貴官の論文のほうが面白い』と絶賛してくださったのです。それ自体は嬉しいことなのですが...。」

 

「なんだ、何かあったのか?」

 

「ええと、『前の論文は検討しておこう。その前のものは既に実行中だ、安心したまえ。さて、次はどのような論文を持ってきてくれるのだ?』と、閣下に催促されていまして...。」

 

「はぁ、閣下は知識欲の塊のような方だからな、目を付けられてしまったのか...。」

 

本当に、大変でしたよ...。2~3週間に一本、くらいのペースで論文を書いていましたから...。

ただ、その甲斐あってかほとんどが実用化され、帝国は少しずつ強くなっています。

ですが、確かその中に戦略爆撃による兵站破壊の有効性を書いたものがあったのは覚えていますが...。

ここまで早く実行、実用化されているとなると、魔導を用いたクラスター爆弾まであと少し、ですかね?

 

「成程、論文のことは分かった。」

 

「爆撃機の配備については、この前ターニャと喫茶店に行った際に、ターニャがトイレへ行っている間にレルゲン中佐殿と偶然会いまして...。」

 

本当に、たまたまでしたが。

 

その時の中佐は、私のことをターニャと勘違いしたのか怖い顔をされていました。

私だと分かっても怖い顔でしたので、ターニャが嫌いなわけではないようです。

 

「中佐が、そういえば、と言って教えてくださいました。それだけ言われて、忙しそうにどこかへ行ってしまわれましたが。」

 

「そうか、中佐が...。そういえば言っていたな。あの時は挨拶だけだろうと思って何も聞かなかったが、成程そういうことがあったのか。」

 

戦略爆撃の有効性を、北方で示すことができれば、共和国や連合王国に対してかなり有利になります。

また、ゼートゥーア閣下にお話した、工場を破壊しておいて復旧のための資材を売りつけることもできるようになるかもしれません。

不安があるとすれば、試験済みであるとはいえ新型航空機、壊さないようにしませんと。

 

しかし、こんな短期間で、私の論文を読んだだけで、まだこの世界には無かった新型の航空機を製造するとは、本当に驚きです。

一体、誰が設計したのでしょうか...。




設計した変態も後々出てくるハズなのでご安心を。

皇女殿下ではないです。

まだそこまで継続していませんが、感想など。

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