二人の銀翼   作:アレクシア少佐

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こんにちは、同志諸君。

土日が平日よりも忙しい...。


31 アレーヌ市街戦

こんにちは、アレクシア・フォン・デグレチャフ少佐であります。

 

本日は、共和国打通作戦の決行日であります。

私達、第203航空魔導大隊は、共和国に撤兵を気づかれにくくするための、北方戦線の殿軍という任務を拝命いたしました。

 

...気づかれなくするために、私達とZeppelin航空機で共和国軍に対し攻勢をかけています。

地上共和国軍は何の脅威にもなりませんが、敵魔導部隊は脅威です。

いつ交戦してもおかしくない以上、大隊全員に中隊規模で戦闘に努めるように命令してあります。

 

「...フェアリー02より、フェアリー01へ。エリアBのD-13ブロック、敵砲兵、並びに野戦砲の無力化を確認、周辺の敵軍も後退している模様。」

 

「フェアリー01了解。フェアリー01より大隊各位に通達、敵軍が後退し始めたが、追撃はするな。我々の任務を忘れるな。」

 

順調に事が進んでいるようですが、敵魔導師がまったく出てこなかったことが気がかりですね...。

まさか予想していた通り、アレーヌ市へ向かったのでしょうか?

まさか平時より多めの憲兵隊と、予備軍がやられるとは思えませんが、気がかりです。

 

「CPよりフェアリー大隊へ、緊急だ!アレーヌ市にて、憲兵隊及び予備軍が現地民兵によって市外へ追い出された模様!」

 

「こちらフェアリー02、それは本当ですか!...民兵以外の敵勢力は?」

 

「民兵以外に...魔導師が空挺降下し民兵と合流した模様。魔導師群の規模は不明だが、最低でも2個大隊、とのことだ。対応作戦の通り、殿軍は空軍と北方戦線魔導大隊が引き継ぐ。第203航空魔導大隊は、ただちにアレーヌ市へ急行せよ。」

 

「フェアリー02了解、ただちに向かいます。」

 

...危惧していた事までも、現実になるとは。

事前にある程度の準備をしているだけマシ、ですがね。

 

「フェアリー02より大隊各位、現時刻をもって戦闘を中断、殿軍を空軍、北方戦線魔導大隊へ引き継ぐ。各員、集合せよ。」

 

迅速に編隊を組みなおし、アレーヌへ急がねばなりません。

現地に居た帝国軍兵士の大半は市外へ追い出されたらしいですが、捕虜となった同胞も居る筈。

助けなければなりません。

 

「「「大隊、集合完了致しました!」」」

 

「では後は頼みます、ターニャ。」

 

「了解だ。貴様らも通信を聞いているだろうが、我々はアレーヌ市へ急行する。」

 

「「「了解ッ!」」」

 

できれば、アレーヌ市民...民兵には素直に投降してほしいですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレーヌ市郊外 上空

 

「CPへ、こちらフェアリー01、第203航空魔導大隊はアレーヌ市へ到着。状況は?」

 

「こちらCP、現在敵魔導大隊、及び民兵によってアレーヌ市を占拠されている。また、我らが同胞が何人か敵に捕まった模様。」

 

「チッ、予想はしていたが、最悪だな。では、降伏勧告と捕虜解放を同時に求めてみるか。」

 

素直に応じるとは思えませんが、ね。

 

「大隊各位、勧告後に敵魔導大隊と交戦する可能性が非常に高いです。各自準備しておくように。」

 

「「「了解!」」」

 

私としては、捕虜の方々を救いたいですが、おそらく不可能でしょう。

故に、さっさと帝国に仇成すゴミ共を駆逐したいです。

 

『あーあー、こちらは帝国軍だ。諸君ら民間人を殺す程、帝国は無慈悲ではない。今投降し、帝国人捕虜を解放すれば、貴様らの安全は保障しよう。従わぬ場合は、アレーヌ市には民間人はいないものと判断し、攻撃を開始する。』

 

...さて、どう出ますかね。

 

「こちらフェアリー03!アレーヌ市南方より、魔導反応!現在接近中であります!」

 

「...やはりそうなるか。仕方ない、殲滅するぞ。第3、第4中隊は援護せよ。第1中隊、第2中隊、行くぞ!」

 

こういう時のターニャは、とても頼りになります。

すごく、かっこいいです。

 

 

 

 

『Engage!敵魔導反応を確認...ネームドです!個体名は、ラインの悪魔!』

 

『What!?悪魔共は国境で戦闘中のはずだろ!見間違いじゃないのか!?』

 

『間違いなく、ラインの悪魔です!』

 

 

 

 

上昇、さらに上昇。

現在、高度9000を通過。敵魔導師も上がってきていますが、やはり8000程が限界のようですね。

 

『卑怯だぞ、悪魔め!』

 

「卑怯なのはあなた方でしょう!市民を扇動し、蜂起させたのですから!」

 

卑怯も何も、私は純粋に高度を取って戦っているだけです。

市民を盾にするような連中に言われたくありませんね。

 

...まだ何か、ぎゃあぎゃあ喚きながら攻撃してきますが、遅すぎて当たりません。

イライラしますね、さっさと終わらせましょうか。

 

「死ね、帝国に仇成すゴミ虫共が!」

 

爆裂術式展開、敵乱数回避範囲予想。

爆裂術式に織り交ぜて、貫通術式も撃ち込みます。

 

「...Stirb(死ね)!」

 

直後、轟音、閃光。

 

「...こちらフェアリー02、大隊各位へ、敵魔導師、中隊規模を撃滅。」

 

「こちらフェアリー01、こちらも中隊規模を撃滅完了だ。残りは...」

 

第3、第4中隊が連携し敵一個中隊を倒したみたいですね。

残りは逃げて行きますね。

 

「こちらフェアリー02、大隊へ、深追いするな。敵魔導師は最低でも2個大隊はいる筈、追うのは危険と判断する。」

 

「フェアリー01了解、では再度、降伏勧告をしようか。」

 

こちらの損耗は弾薬程度です、これだけ戦力差を見せつければ降伏すると思いますが...。

 

「......大隊長、敵側よりオープン回線で映像が送られてきました。かなり酷い映像ですが...。」

 

「ヴィーシャ、見ましょう、話はそれからです。」

 

「そうだな。アレクシアはグロテスク、ショッキングな映像は大丈夫か?」

 

「はい、戦場で散々見てきましたからね。」

 

わざわざ映像を送ってくる...ということは。

 

「...おえ...。」

 

「ヴィーシャはダメでしたか、こういうのは。見なくても大丈夫ですよヴィーシャ。」

 

「すみません...。」

 

映っていたのは、帝国軍の服を着た人間が、民兵...によって拷問されている、というもの。

拷問、というよりは一方的な暴力にしか見えませんが。

 

ひたすら鉄パイプや角材などで殴ったり、蹴ったり。

気を失えば、生爪を剥がして起こす。

映像に映っていた同胞は、両手の爪を合計で7枚剥がされ、よく見れば歯も何本か無く、傷だらけでした。

 

映像の最後で、民兵のうちの一人が、『我々は帝国になど屈しはしない!最後の一人になるまで戦い続ける!』と。

そして、同胞を射殺。頭を撃ち抜かれていたので助からないでしょう...。

 

「......現代でこれとは、酷いものですね。」

 

「...そうだな、嫌な気分になる。だが、言質は取った。終わらせようか。」

 

「...CPへ、こちらフェアリー02。敵が『最後の一人になるまで戦う』旨の発言をした映像を、敵から送ってきました。砲兵隊、航空部隊へ攻撃許可をお願いします。」

 

「こちらCP、了解した。300秒後に攻撃を開始する。フェアリー大隊は現在の場所から離脱せよ。オーバー」

 

「了解。オーバー」

 

「...さて、離脱しましょう。」

 

「そうだな...。」

 

多少の耐性はあるとはいえ、あのような映像を見た後です、最悪の気分ですよ。

 

 

 

 

 

市外から、美しかったアレーヌ市が燃えるのを見届ける。

 

「...ターニャ。...んっ...。」

 

皆に見られていないのを確認して、ターニャにキスをします。

 

「......。馬鹿、皆に見られたらどうする。」

 

「ごめんなさい。ですが、少しでも嫌な気分を忘れたかったのです、許してください...。」

 

「帰ったらたくさんしてやるから、な?」

 

「...はい、ターニャ。」

 

ターニャの私を見る目が、とても優しく、愛おしいものでした。




言葉にしていなくとも、お互いを愛しているという事実を理解していく百合って素晴らしいと思いません?

まだそこまで継続していませんが、感想など。

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