こんにちは、アレクシア・フォン・デグレチャフです。
先日の戦闘で右肩を負傷してしまい、不便な生活を送っています。
「ほら、アレクシア。...あーん。」
「はい...んっ...。」
不便ですが、ターニャにあーんをしてもらえるので、これはこれでアリですね。
「...美味しい?」
「......はい、いつもありがとうございます、ターニャ。」
「当たり前だろう、アレクシアの為だ。」
本当に、ターニャは優しいのです。
お互いの想いを知ってからは、二人きりのときに限り、遠慮をしなくなりました。
「...さて、今日は久しぶりの休みだ。だが...その傷が治るまでもう少しかかるからな、今日は大人しくしていよう。」
「はい、私はターニャと一緒に居れるだけで、楽しいですよ。」
「...私もだ、アレクシア。」
...休日ですから、昼間からいちゃいちゃしても、いいですよね?
二人でいちゃいちゃしたり、帝国ラジオを聞いて情勢の先行きを予想したり。
のんびりと過ごしていると、コンコン、と私達の部屋を誰かが訪ねて来ました。
「...私が出よう。」
「ターニャちゃん!!それに、アレクシアちゃんも!!久しぶり!!」
「うわっ、め、メアリー!?抱きしめるな!!何をしに来た!!」
「...やあ、二人とも。」
アンソンさんも、いますね。
「...アンソンさんも。今日はどのような用で、帝国へ?」
「ああ、共和国を倒したものの、亡命政府を樹立されたと聞いてな。我々協商連合国としては、最早帝国を裏切ることなど不可能、これは君達も知っているだろう?」
そうですね、そうなるように仕向けたのですから...。
「どうせ裏切れないのだ、ここで帝国に恩を売っておこうと思ってな。具体的な日程は決まっていないが、協商連合国は帝国を全面的に援助することになった。ああ、まだ復興中故、できる限り、だがな。今日はこの話を、先程してきたところだ。」
...これは意外ですね。良い意味で、予想を裏切ってくれました。
「そうなのですか、ありがたいことです。」
「...メアリー、いい加減に離してくれないか...。」
「ダーメッ!アレクシアちゃんも抱きしめたいけれど...。聞きましたよ、共和国軍に怪我をさせられたんですって?」
「はい、かすり傷程度ですが...。」
「私ね、航空魔導師に志願しようと思うの。」
...?メアリーが、航空魔導師に?
「それは、どうしてなのですか?」
「二人がどう思うかわからないけれど...私、戦争中で、敵なのに、お父様を助けてくれた二人に恩返しがしたくて...。それに、私の魔導適正はAでしたし!」
適正は、申し分ないですが、アンソン殿はどう思っていらっしゃるのでしょうか。
「...私は反対したんだがな。二人も知っての通り、メアリーは一度決めたら曲げることはない子だ、諦めたよ。それに、魔導師になりたい理由が、君達の為ならば、余計にな。」
「そうか...メアリー、ありがとう。その気持ちはとても嬉しい。だから離...。」
「ターニャちゃんは素直じゃないなぁ。口ではそうやって言ってても、満更でもないんでしょう?ターニャちゃんなら、本気で離れようと思えばできるでしょ?」
「うっ......。」
...メアリーはなかなかいい性格をしていますね...。
「...そういえば、今の協商連合国で魔導師になると、どういう扱いなのだ?」
「ああ、一応所属は協商連合だが、軍としては帝国の管理下だ。まあ帝国も、強制はしたくないのか自分の国を守ってろとしか言わないがね。そのおかげで、摩擦も少ない。」
軍は帝国の管理ならば、志願すれば帝国兵としても戦えるでしょう。
メアリーにはそんな危険なことを、してほしくはないですが。
「...実はもう、帝国軍魔導士官学校に、入学する手続きは済んでいるんですよ。ですから、明日からは私は、メアリー・スー魔導少尉候補生ですよ!」
......。
「「はっ!?」」
いやいや、確かに、何の問題もないですが。
いや、メアリーが帝国魔導師として前線に来るというのは問題ですが。
「私、二人の隣を飛べるように、頑張りますから!!」
「......という訳だ、二人とも本当にすまないが、メアリーのことをよろしく頼む...。」
「急すぎますよ!!そ、それに、メアリーがこちらに住むのですか!!」
「戦場へ行かない日は、毎日抱きしめられてしまう...。」
翌日。
今日は、肩の調子も良いです、痛くないです。
やはり、治癒の術式があるとすばらしいですね。
今日は新しい航空機について、ゼートゥーア閣下とクリスタちゃんに説明です。
「...魔導航空機構想、か。航空魔導師を、航空機に乗せる...成程...。」
新しい案、とは、魔導師を航空機に乗せる、ことです。
魔導師は自力で飛ぶことができますが、高度の限界やずっと飛び続けるなど、航空機に劣る部分が多いです。
反面、対地上への火力は申し分なく、誘導系の術式を組み合わせれば大抵の敵はなんとかなります。
また、防御術式を展開できるので、ある程度の攻撃は防ぐことができます。
航空機は、高度や航続距離など、魔導師とは比較にならないくらいです。
しかし、もし機体がやられてしまった時にパイロットが死んでしまう確率が非常に高いです。
魔導師を、航空機パイロットとして使えば、両方の弱点を補うことができます。
パイロットは死ににくくなりますし、もし航空機が撃墜されても魔導師のパイロットならば自力で飛んで逃げることもできます。
魔導師の機動力ならば追いつける航空機はそうそうありませんし。
格段に生還率が上がるでしょう。
「...更に、航空機自体に演算宝珠を埋め込み、爆撃機や戦闘機の武装に誘導性を持たせることも可能、か。」
真の理由は、これですね。
航空機に宝珠を取り付け、武装に誘導性を持たせるだけならば、魔導適正が低くても可能なはずです。
誘導するだけで、いいのですから。
また、航空機に魔導師が乗っていれば、例のクラスター爆弾の使用も楽になります。
「...素晴らしい案だ。採用しよう。だが、このような航空機を設計できる者がいるのかね?」
「はい、閣下。既に知り合いの設計士に頼みまして、設計済み、であります。後は製造するだけです。」
「ほう、貴官は意外と、顔が広いのだな。」
「また、今回は航空機での案を出しましたが、応用すれば戦車や野戦砲などにも同様のことができるかと。こちらの設計士は知り合いがいませんので...。」
「...検討しておこう。」
ああ、ちなみに航空機の機体名は、『Zeppelin MB-1』と、『Zeppelin MK-1』です。
世界初の、魔導航空機です。
「戻りました、ターニャ。」
「遅いっ...。」
部屋へ入るなり、ターニャに抱きしめられ、キスをされてしまいました。
「ごめんなさい、ゼートゥーア閣下と話し込んでしまいまして...。」
魔導航空機構想の話の後、連合王国や連邦、イルドアについて話をしました。
内容は、この前の参謀本部での話と殆ど同じでしたが。
「...まったく、閣下の知識欲は恐ろしい。アレクシア...好きだ。...んっ...。」
「......。ターニャ、この続きは、寝る前に、です。」
「...そうだな。まずは夕飯にしようか。」
「はい。」
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名称 : 『Zeppelin MB-1』
分類 : 魔導爆撃機
【Krista von Zeppelin】が設計・開発した、世界初の魔導爆撃機。
機体自体の性能は『Zeppelin B-67』と殆ど同等。
魔導によって、落とす爆弾すべての落下地点をパイロットの思うがままに誘導することが可能。
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名称 : 『Zeppelin MK-1』
分類 : 魔導戦闘機
【Krista von Zeppelin】が設計・開発した、世界初の魔導戦闘機。
機体自体の性能は『Zeppelin K-36』と殆ど同等。
ただし、魔導航空機として再設計したことで、『Zeppelin K-36』の特徴である翼の厚みが無くなっている。
防御を魔導でカバーすることで、さらなる速度向上を実現した。
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また、両機共に機体に演算宝珠が埋め込まれているため、やろうと思えば誘導以外も可能。
例えば、空気抵抗を術式によって軽減し速度を上げる、機体を防御術式で覆い攻撃を防ぐ、等。
魔導と科学の融合!
ロマンです。
まだそこまで継続していませんが、感想など。
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良い
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まあまあ
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イマイチ