百合というものは、素晴らしいですよね?
こんにちは、アレクシア・デグレチャフ帝国軍魔導准尉です。
現在、帝国-協商連合国国境にて、戦闘中です。
ターニャと私、二人きりで、30人以上の敵兵を屠っています。
しかし、敵も猿ではありません。少しずつ、少しずつ私達は削られています。
「...ふふふ、なんたる光栄だ。楽しいぞ、楽しくて楽しくて仕方がない!」
ターニャ、楽しそうですね。
「ターニャばっかりズルイです!私にも遊ばせてください!」
軽口を叩いていますが、満身創痍です。
いつ撃ち抜かれて殺されてもおかしくありません。
「戦勝確定の戦場。つまらぬ仕事かと思えば、2人で1軍を相手取り、戦場の主役だ。これが、楽しまずにいられるか!?」
「そうですね、ここは私とターニャが主役の劇場。私達が輝き、貴方達は死ぬ。たった、それだけの短い劇ですが、楽しんでください。」
私とターニャは、ほとんど同時に、動き出した。
- - - - - - - -
あの戦闘からどのくらい時間が経ったでしょうか。
......。
「知らない天井だ!」
「アレクシア、お前はこんな大ケガをしていても、元気だなぁ...。」
どうも、アレクシアです。無事生き残り、今は病院のベッドの上です。
結局、二人で敵の一個魔導大隊を壊滅させたはいいものの、胴体と頭以外はズタズタにやられてしまって。
のんびり来やがった友軍に回収され、今に至ります。
私もターニャも、ぼろぼろです。
お医者様いわく、「よくもまあ、ぼろ雑巾よりもひどく傷だらけになって。」だそうです。
あ、そうそう。
私が命令違反をしてしまった、CPさんもお見舞いに来てくれました。
「貴官らには、感謝してもしきれない。ターニャ・デグレチャフ准尉、よくぞ持ちこたえてくれた。本当に、ありがとう。そして、アレクシア・デグレチャフ准尉。命令違反こそしたものの、よくぞターニャ・デグレチャフ准尉と共に帰ってきてくれた。本当に、ありがとう。」
と、半分泣きながらに言ってくれました。
命令違反、という言葉にターニャが反応し、私をジト目で見つめてきました。
...可愛いターニャにそんなに見つめられたら、興奮しちゃう。
無我夢中で戦っていたので、何人堕としたかは覚えていませんが、宝珠に残っていた映像記録によれば。
私達二人で、撃墜8、撃破6、継続戦闘能力喪失4、戦意喪失2、不明3。
大戦果だった。
散々二人で暴れまわって、数えきれない射撃や術式によって仕留められたけれど、
どうにか友軍到着まで持ちこたえた。
さらに二人とも、かろうじて一命を取り留めた。
この大戦果に対し、北方方面軍からは私達二人の叙勲の推薦。
砲兵隊の大本、陸軍からは少尉への任官上申。
大騒ぎになってしまいました。
どちらも私達の回復を待ってから、ですが、こんな大けがですし。
全身が痛くて動けないので、ターニャのすべすべお肌の確認もできません。
ケガよりも、そっちのほうがつらいです...
深夜。
なかなか眠れず、ぼーっとしていると。
「...アレクシア。どうしてお前は、私を助けに来たんだ?」
「ターニャ。だってターニャは、私の唯一の、大好きなお姉様ですよ、家族なんですよ?」
「そうか...あの時は、お前の気持ちも考えず、戻れなどと言ってすまなかった。」
「いいんです、ターニャ。ターニャが私のことを想ってくれているって、わかってますから。」
抱きしめたい。撫でてもらいたい。
ああ、歯がゆい...
「話は変わるんだが。アレクシア?」
「はい、なんでしょうお姉様。」
「...命令違反とは、何のことだ?」
げっ、覚えてた...
- - - - - - - -
退院、と同時に。
少尉への昇進、勲章の授与。
陸軍のとっても偉そうな人が、
「ターニャ・デグレチャフ魔導少尉、並びにアレクシア・デグレチャフ魔導少尉!」
「「はい!」」
...こうして私とターニャは、『銀翼突撃章』という、生きて叙勲された人間は数えるほどしかいない勲章を頂き、航空魔導士のエースとなりました。
瞬く間に軍内で有名になりました。
これで私やターニャを侮る輩が少しは減ってくれればいいのですが。
ターニャは、これだけ凄いものを獲得したのにあまり嬉しそうではありませんね。
しかたないです、後で慰めてあげましょう。
- - - - side 陸軍幹部
ターニャ・デグレチャフ、アレクシア・デグレチャフ。
何だあの双子は。
たった二人で協商連合国の一個航空魔導大隊を壊滅に追い込んだ?
そう聞いたときは、嘘をつくにももうちょっとまともな嘘を、と思った。
真実だとしても、どんな屈強なベテラン魔導士が来るのかと思った。
まさかあんな、歳が10になるかどうかの子供が、そんな大戦果を?
末恐ろしい子供だ。
そんな子供に、叙勲するのはどうやら私の仕事らしい。
今から胃が痛くなりそうだ。
実際に対面してみたが、あれは本当に子供か?
ターニャ・デグレチャフ少尉。
子供とは思えぬ酷く冷たい双眸、気迫。
化け物、とさえ思った。
アレクシア・デグレチャフ少尉。
こちらはまだ子供らしい、と思えた。
それ故に恐ろしく感じた。
あんな激戦の直後だ、並大抵の兵士ならば憔悴していてもおかしくはない。
だがこんな子供が、そんな様子は全くない。それがとても、恐ろしかった。
双子の化け物。
- - - - side アレクシア・デグレチャフ
もう夜中ですよ!まったく!
溜まっていた仕事も終わり、次の命令あるまで休暇。
やっと、少しはゆっくりできる。
「うふふ...ターニャ。」
「どうした、アレクシア?」
そう、ケガやらなんやらと忙しくて出来なかったこと。
「そういえばターニャ。ターニャの柔肌が無事かどうか確かめていません!」
ターニャににじり寄る。
ああ、かわいいターニャ...
「な、なんだアレクシア、やめろ、そんなところ触るな、あっ...」
...すりすり。
「ターニャの身体は、大丈夫みたいですね。よかったです!」
「......。」
「はっ!私はなんということを...た、ターニャ、ごめんなさい!」
私としたことが!
ターニャを怒らせてしまった...!?
「ふふっ、それくらいで私が怒るわけないだろう。だがなアレクシア。いくら姉妹だからといっても、限度はあるぞ?」
「はい...ごめんなさい。」
「分かったなら、次からはちゃんと確認するように。」
...えっ?
確認したら、触り放題...!?
「はい!」
「じゃあ、アレクシア。」
なんだか、とても嫌な予感がします。
「これから私が同じことをアレクシアにもしてやろう!」
......えっ!?
ゆるしてください
まだそこまで継続していませんが、感想など。
-
良い
-
まあまあ
-
イマイチ