こんにちは、アレクシア・フォン・デグレチャフ魔導中佐であります。
連合王国首都にて、降伏勧告を行い、10分の猶予を与えました。
そろそろ、10分経つので返答があるかと思いますが...。
「アレクシア、10分経ったが、まだ何も返答が無いな。こちらの準備はできている、もう一度聞いてみてくれ。」
「了解です。『あーあー、こちらは帝国軍だ。そろそろ約束の10分だが...返答が無いということは、この都市を燃やしてもよいと捉えるがよろしいか?即座に返答が無ければ、攻撃を開始する。』」
さて...どう出るでしょうか。
「ターニャ、戦争を吹っかけてきたのは連合王国ですし...もう燃やしてしまってよいのでは?」
「そうだな...優しく勧告も行い、10分も猶予をやった。もう十分だろう。ファントム隊、イーグル隊へ通達、爆撃を開始せよ。」
「「了解でありますッ!!」」
直後、四方八方から轟音がこだまする。
盛大な花火です。
「フェアリー01より、サラマンダー01へ!北東より多数の魔導反応!並びに多数の機影を確認!」
ヴァイス大尉が見つけたのでしょうか、お手柄ですが...。
「こちらサラマンダー01、我々もそちらへ向かう!どの程度の規模か確認できるか!?」
「敵魔導師......一個師団規模でありますッ!!」
「一個師団だと!?ならば、交戦しつつ、後退せよ!」
「フェアリー01了解ッ!」
想定外、までは想定内ですが...。
まさか、一個師団規模の魔導師とは。
「サラマンダー02より、ファントム隊へ!敵魔導師、及び敵航空機が北東よりこちらへ向かっています!迎撃を!」
「ファントム01了解!ファントム隊各機、堕ちるなよ!」
急いで私達も援護へ向かいますが...。
第203魔導大隊の皆さん...どうか、どうか無事で。
「っ、なんとか、間に合いましたか...。ですが、これは。」
ともかく、建物の影に隠れてはいますが...。
どうにか、誰も死なせる前に間に合いましたが。
中隊長1人、隊員の半数が何かしらの怪我をしています。
これでは、これ以上の継戦は危険でしょう...。
「...私が、時間を稼ぐ。貴様ら第203航空魔導大隊は、安全と思われるドードーバード港へ後退せよ。」
「...了解であります。中佐殿、武運を。」
そう言って、魔導反応を抑え、彼らは撤退していきました。
おそらく、バレないようにある程度距離をとって、一気に脱出するのでしょう。
敵の損耗は...流石は、古参の帝国魔導大隊、一個師団相手に、敵も3個中隊ほどは損耗している...ようですね。
本来ならば、1個大隊に1個師団でぶつかられたら、ひとたまりもありません。
ですが、練度、質の差でどうにか上回ったのでしょうか...。
「...アレクシア、お前も後退しろ。」
「...嫌です。私は、ターニャを見殺しになんてできません。...北方で、知っているでしょう?」
私が、ターニャを見捨てる?
そんなことが、できるわけがありません。
「そうだったな。ここが私達の死に場所になるかもしれないが...ついてきてくれるか?」
「はい、ターニャ。」
「...思えば、お前には苦労させてばかりだな。不甲斐ない姉で、すまない...。」
...と、ターニャに優しく抱きしめられ、キスをされます...。
「...。続きは、生きて帰ってからしましょう。状況は...酷いものですが。」
「サラマンダー01、02へ!生きているか!?こちらはファントム01!応答願う!」
「こちらサラマンダー01だ、どうした!」
ルーデル大尉から、鬼気迫った声。
「敵航空部隊を壊滅に成功!及び、敵魔導師も何人か撃ち落とすことに成功!なれど、弾薬、燃料ともにこれ以上はもたない!イーグル隊も同様の模様!」
「ファントム01へ、イーグル隊と共にドードーバード港へ下がり、補給せよ。私達のことは大丈夫だ。」
「ダメですッ!私は認めません!!」
...ああ、こうなったメアリーは誰の説得も聞きませんね...。
アンソン殿の気持ちが、少し分かります。
「ファントム02!気持ちはありがたいが...貴官まで死なせるわけにはいかない。」
「...ターニャちゃんッ!アレクシアちゃんも!二人とも、私の大切な『家族』ですっ!失う訳にはいきません!!」
「ターニャ...ああなったメアリーは、もう止められないです...。」
「はぁ、世話の焼ける...。」
なんでしょうか、絶望的状況だというのに...っと、敵に私達の居場所がバレたようですね。
まあ...これだけ通信で騒いでいれば...ばれますかね。
それにしても、メアリーの、『家族』ですか。
私には、ターニャだけが唯一の家族ですが...メアリーの家族というのも、なかなかどうして、嬉しいですね。
「...仕方ない、ファントム隊へ、隊長、副官以外はドードーバード港へ後退せよ。隊長、副官は...機体を破棄せよ。自爆用の爆弾はあるだろう?敵魔導師群へ突っ込ませ、爆破せよ。」
...一応、クラスター爆弾の応用で、もし敵に機体を奪われた場合に備え、自爆機能が取り付けられています。
これは、他国よりも圧倒的に進んだ技術を奪われたくない、と参謀本部が決定しました。
「「了解!」」
という通信と殆ど同時に、私達のいる場所のほぼ真上で爆音。
確かに囲まれていましたが...真上で爆破するとは。
「アレクシア、馬鹿が二人真上で自爆したな。ここは危険だ...。」
「そうですね...隣の建物に行きましょうか...。」
ともかく、港へ後退した皆が、援軍を呼んでくれるのを期待して、耐えましょうか...。
- - - - side 連合王国 とある中佐
まさか、帝国が本当に奇襲作戦を決行するとは...。
こちらの海軍は損害甚大、首都周辺も爆撃され復興にはしばらくかかるだろう...。
だが、不幸中の幸いか、何度も我々を苦しめてきた、あの『ラインの悪魔』を包囲することに成功。
あとは嬲り殺すだけだ...と思っていた矢先、突如帝国の戦闘機が特攻してきたではないか。
いくら帝国の機密だらけの最新鋭戦闘機といえど、この数の魔導師に特攻など無謀すぎる...。
「ッ!?何だとッ!!」
...直後、轟音と共に友軍魔導師が何人か血まみれになり落ちてゆく...。
自爆したのだ。
何が?帝国の戦闘機が。
「チッ...そこまでして、『ラインの悪魔』を取り戻すつもりか!?」
自らの命を使ってまで、帝国にとって重要なのか、『悪魔』は。
「ですが、中佐殿。思えば、ダキア、レガドニア、フランソワ、イルドア...そのすべてが、悪魔によって征服されているように思えますが...。」
確かに、ダキアは後にスパイが確認したところ、帝国魔導師の大隊規模が首都へ現れ、ふざけた勧告をした後、兵器工廠を爆破。
レガドニア、フランソワ、イルドアは帝国に対し、今や友好的であるため、確認させるのは控えたが...。
観戦武官としてライン戦線に居た者からは、これまでの常識を覆す帝国の作戦のみならず、これを遂行するに至ったのは『悪魔』だ、と言っていたようだ。
...つまり、『ラインの悪魔』こそが、今の帝国を形作る要なのか?
「...かなりの損害を出したが...これは、好機だ。『ラインの悪魔』を仕留めさえすれば、帝国に勝てるやもしれん...。」
大袈裟かもしれないが、今までの恨みもある。ここで潰しておくべきだ。
「ッ、中佐殿!もう一機、戦闘機が突っ込んで来ますッ!!」
「チッ!ふざけやがって...!」
自爆されても、ある程度解析できると思ったが...改めて見ると、とてもできそうにないくらい粉微塵だ。
どこまで、用意周到なのだ。
「...自分達の誇る技術を、他国へ渡すまいとする帝国の姿勢...今までの帝国とは全く違う。どうなっているのだ...。」
ともかく、今は悪魔共を追い詰めているのだ、ここで潰すことを考えよう...。
まだそこまで継続していませんが、感想など。
-
良い
-
まあまあ
-
イマイチ