二人の銀翼   作:アレクシア少佐

47 / 67
47 連合王国攻略作戦 2

こんにちは、アレクシア・フォン・デグレチャフ魔導中佐であります。

 

連合王国首都にて、降伏勧告を行い、10分の猶予を与えました。

そろそろ、10分経つので返答があるかと思いますが...。

 

「アレクシア、10分経ったが、まだ何も返答が無いな。こちらの準備はできている、もう一度聞いてみてくれ。」

 

「了解です。『あーあー、こちらは帝国軍だ。そろそろ約束の10分だが...返答が無いということは、この都市を燃やしてもよいと捉えるがよろしいか?即座に返答が無ければ、攻撃を開始する。』」

 

さて...どう出るでしょうか。

 

「ターニャ、戦争を吹っかけてきたのは連合王国ですし...もう燃やしてしまってよいのでは?」

 

「そうだな...優しく勧告も行い、10分も猶予をやった。もう十分だろう。ファントム隊、イーグル隊へ通達、爆撃を開始せよ。」

 

「「了解でありますッ!!」」

 

直後、四方八方から轟音がこだまする。

 

盛大な花火です。

 

「フェアリー01より、サラマンダー01へ!北東より多数の魔導反応!並びに多数の機影を確認!」

 

ヴァイス大尉が見つけたのでしょうか、お手柄ですが...。

 

「こちらサラマンダー01、我々もそちらへ向かう!どの程度の規模か確認できるか!?」

 

「敵魔導師......一個師団規模でありますッ!!」

 

「一個師団だと!?ならば、交戦しつつ、後退せよ!」

 

「フェアリー01了解ッ!」

 

想定外、までは想定内ですが...。

まさか、一個師団規模の魔導師とは。

 

「サラマンダー02より、ファントム隊へ!敵魔導師、及び敵航空機が北東よりこちらへ向かっています!迎撃を!」

 

「ファントム01了解!ファントム隊各機、堕ちるなよ!」

 

急いで私達も援護へ向かいますが...。

 

第203魔導大隊の皆さん...どうか、どうか無事で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ、なんとか、間に合いましたか...。ですが、これは。」

 

ともかく、建物の影に隠れてはいますが...。

 

どうにか、誰も死なせる前に間に合いましたが。

 

中隊長1人、隊員の半数が何かしらの怪我をしています。

これでは、これ以上の継戦は危険でしょう...。

 

「...私が、時間を稼ぐ。貴様ら第203航空魔導大隊は、安全と思われるドードーバード港へ後退せよ。」

 

「...了解であります。中佐殿、武運を。」

 

そう言って、魔導反応を抑え、彼らは撤退していきました。

おそらく、バレないようにある程度距離をとって、一気に脱出するのでしょう。

 

敵の損耗は...流石は、古参の帝国魔導大隊、一個師団相手に、敵も3個中隊ほどは損耗している...ようですね。

 

本来ならば、1個大隊に1個師団でぶつかられたら、ひとたまりもありません。

ですが、練度、質の差でどうにか上回ったのでしょうか...。

 

「...アレクシア、お前も後退しろ。」

 

「...嫌です。私は、ターニャを見殺しになんてできません。...北方で、知っているでしょう?」

 

私が、ターニャを見捨てる?

そんなことが、できるわけがありません。

 

「そうだったな。ここが私達の死に場所になるかもしれないが...ついてきてくれるか?」

 

「はい、ターニャ。」

 

「...思えば、お前には苦労させてばかりだな。不甲斐ない姉で、すまない...。」

 

...と、ターニャに優しく抱きしめられ、キスをされます...。

 

「...。続きは、生きて帰ってからしましょう。状況は...酷いものですが。」

 

「サラマンダー01、02へ!生きているか!?こちらはファントム01!応答願う!」

 

「こちらサラマンダー01だ、どうした!」

 

ルーデル大尉から、鬼気迫った声。

 

「敵航空部隊を壊滅に成功!及び、敵魔導師も何人か撃ち落とすことに成功!なれど、弾薬、燃料ともにこれ以上はもたない!イーグル隊も同様の模様!」

 

「ファントム01へ、イーグル隊と共にドードーバード港へ下がり、補給せよ。私達のことは大丈夫だ。」

 

「ダメですッ!私は認めません!!」

 

...ああ、こうなったメアリーは誰の説得も聞きませんね...。

アンソン殿の気持ちが、少し分かります。

 

「ファントム02!気持ちはありがたいが...貴官まで死なせるわけにはいかない。」

 

「...ターニャちゃんッ!アレクシアちゃんも!二人とも、私の大切な『家族』ですっ!失う訳にはいきません!!」

 

「ターニャ...ああなったメアリーは、もう止められないです...。」

 

「はぁ、世話の焼ける...。」

 

なんでしょうか、絶望的状況だというのに...っと、敵に私達の居場所がバレたようですね。

まあ...これだけ通信で騒いでいれば...ばれますかね。

 

それにしても、メアリーの、『家族』ですか。

私には、ターニャだけが唯一の家族ですが...メアリーの家族というのも、なかなかどうして、嬉しいですね。

 

「...仕方ない、ファントム隊へ、隊長、副官以外はドードーバード港へ後退せよ。隊長、副官は...機体を破棄せよ。自爆用の爆弾はあるだろう?敵魔導師群へ突っ込ませ、爆破せよ。」

 

...一応、クラスター爆弾の応用で、もし敵に機体を奪われた場合に備え、自爆機能が取り付けられています。

これは、他国よりも圧倒的に進んだ技術を奪われたくない、と参謀本部が決定しました。

 

「「了解!」」

 

という通信と殆ど同時に、私達のいる場所のほぼ真上で爆音。

確かに囲まれていましたが...真上で爆破するとは。

 

「アレクシア、馬鹿が二人真上で自爆したな。ここは危険だ...。」

 

「そうですね...隣の建物に行きましょうか...。」

 

ともかく、港へ後退した皆が、援軍を呼んでくれるのを期待して、耐えましょうか...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- - - - side 連合王国 とある中佐

 

まさか、帝国が本当に奇襲作戦を決行するとは...。

 

こちらの海軍は損害甚大、首都周辺も爆撃され復興にはしばらくかかるだろう...。

 

だが、不幸中の幸いか、何度も我々を苦しめてきた、あの『ラインの悪魔』を包囲することに成功。

 

あとは嬲り殺すだけだ...と思っていた矢先、突如帝国の戦闘機が特攻してきたではないか。

いくら帝国の機密だらけの最新鋭戦闘機といえど、この数の魔導師に特攻など無謀すぎる...。

 

「ッ!?何だとッ!!」

 

...直後、轟音と共に友軍魔導師が何人か血まみれになり落ちてゆく...。

 

自爆したのだ。

 

何が?帝国の戦闘機が。

 

「チッ...そこまでして、『ラインの悪魔』を取り戻すつもりか!?」

 

自らの命を使ってまで、帝国にとって重要なのか、『悪魔』は。

 

「ですが、中佐殿。思えば、ダキア、レガドニア、フランソワ、イルドア...そのすべてが、悪魔によって征服されているように思えますが...。」

 

確かに、ダキアは後にスパイが確認したところ、帝国魔導師の大隊規模が首都へ現れ、ふざけた勧告をした後、兵器工廠を爆破。

レガドニア、フランソワ、イルドアは帝国に対し、今や友好的であるため、確認させるのは控えたが...。

 

観戦武官としてライン戦線に居た者からは、これまでの常識を覆す帝国の作戦のみならず、これを遂行するに至ったのは『悪魔』だ、と言っていたようだ。

 

...つまり、『ラインの悪魔』こそが、今の帝国を形作る要なのか?

 

「...かなりの損害を出したが...これは、好機だ。『ラインの悪魔』を仕留めさえすれば、帝国に勝てるやもしれん...。」

 

大袈裟かもしれないが、今までの恨みもある。ここで潰しておくべきだ。

 

「ッ、中佐殿!もう一機、戦闘機が突っ込んで来ますッ!!」

 

「チッ!ふざけやがって...!」

 

自爆されても、ある程度解析できると思ったが...改めて見ると、とてもできそうにないくらい粉微塵だ。

どこまで、用意周到なのだ。

 

「...自分達の誇る技術を、他国へ渡すまいとする帝国の姿勢...今までの帝国とは全く違う。どうなっているのだ...。」

 

ともかく、今は悪魔共を追い詰めているのだ、ここで潰すことを考えよう...。

まだそこまで継続していませんが、感想など。

  • 良い
  • まあまあ
  • イマイチ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。