二人の銀翼   作:アレクシア少佐

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こんにちは、アレクシア・フォン・デグレチャフ魔導大佐であります。

 

順調に歩兵の皆さんの再教育が進んでいます。

 

...最初の頃は、すごく嫌そうな態度だったり、表情だったりしたのですが。

今ではなんだか...私達を見るたびに、興奮しているといいますか。

 

いえ、やる気に満ちていることは素晴らしいことなのですが、なんだか怖いです。

......素直に言えば、気持ち悪いです...。

 

「はぁ、どうしたものか...。奴らがやる気になってくれているのは喜ばしいが...。」

 

「...気持ち悪いです。まるで...変態ですよあの目つきは...。」

 

「...アレクシアがこうなってしまってはなぁ...。」

 

厳しくしすぎたのでしょうか。何かに目覚めさせてしまったのでしょうか...。

一体、何がいけなかったのかわかりませんが...後悔の念で胸がいっぱいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- - - - side ターニャ・フォン・デグレチャフ

 

東軍歩兵大隊どもの訓練を任され、言われた通りに精鋭に仕立てるべく訓練をしているのだが。

 

最初の基礎訓練、その後の登山や爆破など、様々な訓練を施しているうちに、奴らめ、快楽に目覚めてしまったらしい。

...まるで理解はできないが。

 

妹にはそのあたりの知識は流石に無いらしく、どういうことかと困惑している...。

いや...そんな知識、無い方がいいな。知らぬが仏という言葉もある。

 

「...ターニャ、男性というものは、あんな変態ばかりなのですか...?」

 

「いや、そんな訳がなかろう!もしもそうなら...前世が男である私も、変態ということになる...。」

 

「...ターニャは変態でもいいのです。」

 

...なんだろうな、嬉しいような、嬉しくないような...。

...まあ、妹に恋心を抱いている時点で、立派な変態かもしれないが。

 

ともかく、なるべく私達と会わなくて済むように、もう少し過酷な訓練にぶちこんでやるしかないか...。

 

「...とりあえず、別のルートでの登山をやらせるか...。それならば、私達があまり関わらなくていいだろう。」

 

「そうですね。私は大賛成です!」

 

まあ、アレクシアの気持ちはすごくよく分かる。

わざと遅れているようなふざけた奴に怒鳴りつければ、口では「申し訳ありません!」と叫んではいても、顔は恍惚としていて気味が悪い。

あまりに気持ち悪いので、一度だけ術式で爆破......いや、少しだけしばいてやったことがあったが...。

......股間を濡らし、絶頂していたな...。

 

教育方針を間違った?

だが、第203航空魔導大隊編成で行った訓練を、歩兵用に修正したものを行っている。

殆ど内容は変わらないはずだが...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- - - - side 再訓練歩兵大隊 一般歩兵

 

...少し前から、俺の周りの奴らの頭がおかしくなってしまった。

あまりに過酷な訓練のせいなのか、奴らはだんだんと狂気に侵されていった。

 

俺は、大佐殿達を尊敬している。

多くの戦場で、困難な戦局を切り抜けて来た英雄だ。

さもなくば、プロパガンダだけでは大佐まで登り詰めることは不可能だろう。

 

周囲の奴らも、最初はナメていたようだが、基礎訓練終了後の地獄の登山で、基礎を固めることによる体力向上を実感したらしい。

それからは、皆が尊敬しているものと思っていたが...。

 

「ああ...。あのお二人は神の使い...いや、神だ。美しい...。」

 

「なぜ、俺たちは最初、疑ってしまったんだろう...罪深き我々を許したまえ!」

 

...だんだんと狂ってきたというか、宗教じみてきている...。

 

尊敬も、度を超せば偶像崇拝になるのか?見ていて気持ち悪いだけだが。

崇拝しているだけなら、まだマシだった。

 

最近では、訓練中にわざと遅れたりする奴までいる。

そんなことをすれば、間違いなく大佐殿に怒鳴られる。

 

しかし、当の本人はというと。

 

「ああ、神のお言葉を、声を聞くことができたぞ!」

 

「くっ...羨ましい。だが今日は貴様の番だからな...。」

 

......この始末だ。

 

『双翼』のお二人も、これはおかしいと気付いたのか、生ゴミを見るような目でゴミを見るようになった。

そして、ますます悦ぶ生ゴミ共。

 

...俺にはクソ共の思考は全く理解できないが、上官方の気苦労はとてもよくわかる...。

俺まで同列に見られるのも癪だな...。

 

「はぁ...お前ら、ほどほどにしておけよ...。」

 

「あの方々の素晴らしさを、お前は理解できないのか...かわいそうに。」

 

...本当に腹が立つな、こいつら...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大佐殿!再訓練第2歩兵大隊、第3中隊中隊長であります!入室致します!」

 

「......どうぞ。」

 

俺は奴らと同類ではない!という意思表明...と、流石に俺や、まだ宗教に染まっていない連中も奴らには苦労している。どうにかできないものか。

 

「...どうした、中隊長。何か用か?」

 

「はっ...最近、御存じの通り...我々再訓練歩兵の一部...一部の兵が訓練中にわざと遅れるなどしている事実があります。」

 

「......そうだな。全員ではない、と思っていたが、中隊長。貴様は、奴らと同類ではないよな?」

 

...同類だったならば、殺されていたのか?

 

「当然でありますッ!小官を含め、奴らの思考を理解できない者が苦労しています...。」

 

「...それなら、貴方を信用しましょう。どうして、彼らは叱られて、あんなにも気持ち悪い表情をするのですか。」

 

やはり、気持ち悪い表情をしていたのか...。

上官とはいえ、まだ12歳の子供だ。あのような気持ち悪い人間を見れば、吐き気を催しても仕方ない。

実際、俺は奴らを見ていて吐き気がする。

 

「...それは...。」

 

「ああ、中隊長、少し待て。アレクシア、おそらく、聞いてしまえば本当に吐くぞ。.........。」

 

ターニャ大佐殿が何か、耳打ちをするとアレクシア大佐殿は部屋を出て行かれた。

...おそらく、おおよその見当がついているからこその配慮なのだろう。

 

「...では中隊長、話してみろ。だいたい予想はついているが...。」

 

「はっ。奴らは...厳しい訓練の中で、気が狂ったのかは定かではありませんが...。大佐殿。」

 

「...なんだ?」

 

「奴らは...ターニャ大佐殿、アレクシア大佐殿を神聖視し、崇めております...。」

 

と、見てきた事実を伝えたところ、想像以上だ、とでも言いたげな表情をされている。

...俺だって、こんなこと夢だったら...と何度も思った。

ずっと、少なくとも仲間だと思ってきた奴らが、幼女に興奮する気持ち悪いクソ共だったなんて。

 

「また...叱られることに関しては、『神の声を聞けた!』などと言って悦んでいる始末です...。」

 

「......はぁ...。だが......そうか。」

 

大佐殿は、少し疲れたような、諦めたような表情をしていたと思えば、突然悪魔的な笑みを浮かべておられる。

...恐ろしい方だ。

 

「大佐殿...?」

 

「いやなに。...奴らは、私達を崇拝しているのだな?」

 

「はい。」

 

「...では、再訓練が終了次第、再編成してやるとしよう。......ふふっ。」

 

気持ち悪い崇拝者を、分けてくださるのか?それはありがたいが...。

そんなことをしても、苦労は変わらない気がするが...。

 

まあ、英雄の考えることだ。俺には到底理解できないだろう。

それに、俺たちの苦労が減るのならば万々歳だ。

 

「中隊長、報告を有難う。明日からも訓練だ、戻って休め。」

 

「はっ!」




変態共はどうなってしまうのか!?

まだそこまで継続していませんが、感想など。

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