二人の銀翼   作:アレクシア少佐

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こんにちは、アレクシア・フォン・デグレチャフ魔導大佐であります。

 

忌々しい変態の集まり......いえ、東部軍の歩兵大隊を再教導し始めて2週間ほどが経ちました。

 

連合王国は未だ降伏せず、帝国は連合王国本土の南側をすべて掌握。

連合王国は北部に臨時で首都を移転し、未だ抵抗を続けていますが...無意味でしょう。

ですが、帝国軍にも少なからず被害が出ているようで、参謀本部より私達に後始末をしてほしいとの要望がありました。

 

...港の占領のための先鋒、首都強襲を行い、これ以上は無いと思っていましたが...。

このままでも、押しきれるでしょうが、被害を考慮すると私達が臨時の首都へ浸透、同時に攻勢が被害が少なく済みます。

 

「さて...蛆虫共。私達はこれから一週間程、連合王国へ掃除をしに行く。貴様らは各大隊長に従い、訓練を続けろ。以上だ。」

 

...相変わらず、半数ほどの変態共の視線が気持ち悪いです...。

ああ、この気持ち悪さを、連合王国の兵には悪いですが晴らさせてもらいましょう...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...アレクシア、大丈夫か?」

 

...ターニャに、心配させてしまいました。

ダメですね...私は。

 

「はい、大丈夫です...。」

 

「そうか...?随分と青い顔をしているが...。何かあったら、すぐに私に言うんだぞ。」

 

「はい。」

 

ターニャが、抱きしめてくれて、少し落ち着けました。

 

うぅ、変態共の視線...もう見られているわけでもないのに、寒気がします...。

ターニャは平気なのでしょうか...。

 

「...ターニャ、あの変態共の視線を集めて...その、気持ち悪くないのです?」

 

「ああ...もちろん気持ち悪いさ。だがどうやら、奴らは私達の熱心なファンらしいぞ?」

 

「......そうなんですか。どうして、少し嬉しそうに...?」

 

「ああ、アレクシアには言っていなかったな。......あの気持ち悪い糞共を、私達直轄の歩兵大隊にしてくれるそうだ。...連邦戦が始まったら、英雄にしてやろう。」

 

...成程。確かに、一応、帝国の同胞ですが...あれだけ気持ち悪いのであれば...使い捨てても心は痛みません。

それに、半数とはいえおよそ2個大隊程度...。

 

...2個大隊規模で変態が?......それはそれで、吐き気がしますが。

 

「...確かに、それなら私達の手を汚さず処理できますね。万が一生き残っても、問題はありませんし。素晴らしいです!」

 

ターニャには敵いませんね...。

だからこそ、愛しているのですが。

 

「...さて、連合王国...だった所へ行こうか。」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連合王国本土、最前線から少し後方。

 

サラマンダー戦闘団の第203航空魔導大隊、第43戦術戦闘飛行隊を連れてきています。

 

「お久しぶりです、皆さん。久しぶりで悪いのですが...未だに無駄な抵抗をする連合王国を叩き潰しましょう。」

 

「我々が最先鋒だ、喜べ。我々が敵臨時首都へ強襲浸透、同時に帝国軍も攻勢する。我々がしくじれば、命は無いものと思え。」

 

失敗すれば、戦場で死ぬか、生き残って屈辱の中敵の砲弾などに塗れて死ぬか、です。

 

「...発言を。」

 

「セレブリャコーフ中尉、許可しよう。」

 

どうしたのでしょうか、ヴィーシャが意見なんて珍しいですね。

 

「...前回のように、敵地の真ん中で包囲される前に撤退するべきかと愚考します。」

 

...痛いことを。メアリーも、うんうんと頷いています...。

ですが、あの時はターニャが負傷してしまいました。

二度と、あのような事は起こしてはいけません!

 

「そうですね。ですが、慎重になり過ぎて遅れる訳にもいきません。」

 

「...今回は、さっさと撤退するさ。前回とは違い、今回は味方がすぐ近くにいるからな。」

 

「了解であります!」

 

皆さん納得してくれたようです。...これだけ愛されているとは、思ってもいませんでした。

私は、私達は良き上官になれたのでしょうか。

 

「攻勢開始は明朝だ、準備しておけ。...いつも最前線で嬉しいのは分かるが、暴れすぎないようにな。」

 

...ターニャも私も、人の事を言えませんが。

気を付けなければ...!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- - - - side ターニャ・フォン・デグレチャフ

 

気色悪い変態から久々に解放され、最前線。

 

後方勤務が良い!と考えていたが、あんなにもストレスが溜まり、あまつさえ妹にまで被害が出るとなれば最前線のほうがいくらかマシか?

 

...そういえば、最初の後方勤務も危険物の試験ということで何度も死にかけたな。

 

どうも私は、私達は後方勤務は向いていないらしい。

最前線にいるほうが、負傷のリスクはあるものの、後方よりもストレスが少ないとは。

 

大佐にまで昇進したというのに。レルゲン少将殿のように、中佐くらいから後方勤務の者もいるというのに...。

...確かに、アレクシアと私で作戦を練り、穴を埋め、運用して勝ってきている。

いちいち指示を仰ぐよりは、勝手にやって勝手に勝ってくるほうが、参謀本部も仕事をしなくて済む...とでもいうのだろうか。

 

アレクシアが、私の妹がいるからこそ成り立っている。

軍人として、私は妹のことを誇りに思う。

姉として、私は妹のことを大切に想っている。

 

一人の人間として、愛している。

 

だからこそ、できれば後方のほうが良いのだが...仕方あるまい。

 

「ターニャ...。ちゅっ...。」

 

「んっ......。」

 

布団に入りながら、考え事をしていたところを妹に唇を奪われる。

 

...お互いの想いを知った直後は、恥ずかしくて仕方が無かったが...。

今では、日課になってしまった。

 

「...ターニャ。連合王国は正直...被害が出ているとはいえ、私達が出るまでも無いと思います。参謀本部としては、さっさと終わらせて連邦の対策に注力したいのでしょうが...。」

 

「そうだな。参謀本部の思惑通り、このままだらだらと被害を出していては時間と資源の無駄だ、さっさと終わらせることには私も賛成だ。」

 

弾薬や人的資源を無駄に消費したところで、良いことは何もない。

さっさと終わらせ、平和になるのを祈るばかりだ。

 

「...連邦戦は、帝国は、勝てるでしょうか...。」

 

「さて、な...。前世のドイツよりは、多少状況はマシだろうが...。連邦はとんでもなく広い、電撃戦が通用するのも最初だけだろう。...モスコーまで行けたとして、それ以上の侵攻は困難だろうな。」

 

ナチスドイツはバルバロッサ作戦で、有能な将校が粛清され指揮統制もぼろぼろなソ連軍を圧倒。

ソ連首都、モスクワを目前にして兵站限界、ソ連各地から集められたソ連兵による徹底抗戦など、様々な要因が重なり敗北。

その後、ベルリン陥落までずるずると敗走することになる...。

 

兵站が伸び切ることは、ゼートゥーア閣下ならば必ず理解している筈。

無謀な突撃は避けるべきだろう。

 

ナチスドイツは、米英の脅威もあり失敗に終わったが、私達は英国の脅威は無い。

ヨセフグラード(ソビエト連邦におけるスターリングラード)を何としても最優先で占領し、南方を掌握。

その後、鉄道や道路整備など兵站を確保し、再侵攻...。

 

それまで、連邦軍からの攻撃を耐えなければならない。

 

レガドニア協商連合国、イルドア王国から義勇兵が来ているし、我々の航空機は未来の技術...と言っても過言ではないだろう。

おそらく、両軍かなりの死傷者が出るだろうが...勝算はある。

 

「だが...そうだな。参謀本部と協力し、各国の義勇兵...皆が同じ方向へ進むことができるなら、勝てる...とは言い切れないが、勝算はある。」

 

「...ターニャが言うのなら、きっと大丈夫です。今までも、そうでしたから。...ちゅっ。」

 

...さっさと平和な世界が訪れ、アレクシアとゆっくりと過ごしたいものだ...。




なかなか投稿が...!

まだそこまで継続していませんが、感想など。

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