二人の銀翼   作:アレクシア少佐

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思えば、連合王国戦...ゼーレヴェをもっと細かく書けばよかった。


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...先日の戦闘の際、連合王国のエース級魔導師によって負傷させられてしまいました。

また、怪我をしてしまいました...。

 

...ターニャが私を助けてくれたのですが、その...すごく美しかったです。

 

前回、私が負傷した際はなんだか神々しくて、女神かと思うほど綺麗でした。

ですが、今回はまったく逆で...その、悪魔のような雰囲気でした。

...悪魔のようなターニャも、美しくて可愛かったです。

 

私達の行った作戦は概ね成功しました。

 

浸透襲撃を決行した翌日、司令部が混乱した連合王国軍は瓦解。

帝国陸軍が連合王国臨時首都を包囲、同日、連合王国は降伏しました。

 

...フランソワ共和国やイルドア王国に戦争を起こすよう焚きつけた人間をすべて逮捕。

戦争犯罪人として、帝国によって裁かれるそうです。

 

帝国の『敵』は、あくまでもアルビオン連合王国『政府』でした。

国民には、罪はありません。

 

一時的に帝国が管理しますが、後に傀儡国になるでしょう。

...西暦世界の、日本のように。

 

...私はというと、現在は帝都ベルンにて療養中です...。

 

「...入るぞ。」

 

あ、ターニャが参謀本部への報告から戻ってきました。

 

結局、私は頭は無傷でしたが、胴体と四肢すべてに傷を負ってしまい、立つことさえままならない状態です...。

医師が言うには、医療での回復と人体の回復力、魔導による回復と全てを使っても歩けるようになるのに1か月、完治は2か月半...ほどでしょうか?

 

早くてもそれだけかかるそうです。...3か月は見ておいたほうがいいのでしょうか。

 

「...すまない。私がもっと早く、助けてやれれば...。」

 

「いえ...ターニャのせいではありません。私が避けきれなくて、被弾してしまっただけですから...。私の実力不足、ですから...。」

 

予測はしていましたが、それでもどうしようもないアクシデントでしたし...。

まあ...連邦以外の、帝国周辺の脅威は無くなりましたし、2か月ほどゆっくり休めると考えれば...。

 

「...しばらく、ターニャと一緒にゆっくりできますから。...ね?」

 

「ああ...そう、だな。...まあ私は、例の変態共の訓練をしてやらねばならんがな。」

 

...そうでした。

ターニャ一人に、押し付けてしまうようで罪悪感が...。

 

...さっさと治して、ターニャのために尽くしたいのです。

ターニャだけが、私にとっての生きる意味ですから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- - - - side ターニャ・フォン・デグレチャフ

 

...妹に、また怪我をさせてしまった。戦闘団隊長であり、姉である私の責任だ。

だが同時に、生きていてくれて、安心もした。

 

...二度と、戦場で妹を私の傍から離すことなどしない。

 

さて...切り替えなくては。

 

「蛆虫諸君!...私がいなかった間、サボタージュしていなかっただろうな?」

 

「「「Ja mamma!!」」」

 

「よろしい、では本日より貴様らの再教育を再開するとしよう。」

 

...何だ?あの忌々しい、吐き気のするような視線を感じないだと?

私達がいなかった間に、何があったのだろうか...。

 

真面目になってくれたのなら、喜ばしいことだが...。

 

深くは考えないようにしよう。

 

「蛆虫諸君。我々...帝国の東に存在する強大な国家、ルーシー連邦。かつて彼の国は、我らと同じく帝国だった。だが彼の国は革命によって...共産主義などというふざけた妄想に憑りつかれた狂人共によって、偉大なる皇帝を失ってしまった。」

 

共産主義は人類の理想だ。私もそう思う。

だが...人類では到底、達成しえない、『ただの理想』でしかない。

ただの理想、ただの夢。そんなものに縋ったところで、救われるものなど無い。

 

「そして...彼の国に蔓延る『共産主義者』共は、帝国とは対極の思想だ。我々にとって、奴らは大きな脅威だ。だが...それは奴らとて同じ事なのだ。...故に。『共産主義者』共は間違いなく、帝国を恐れ、我々に、再び戦争を齎すだろう。」

 

共産主義とは、すべての人間は平等であり、すべての財産はすべての人間に平等に行き渡らなくてはならない、という思想だ。

考え方自体は理解できないことではない。

 

だが、『すべての財産はすべての人間に平等に行き渡らなくてはならない』という点において...。

聖人でもないかぎり、誰が好き好んで自分の財産を他人に分けるのだろうか?

 

また、平等に分配するには...一度、すべての財産を集め、再分配しなくてはならない。

誰が、どんな権限で、それを行う?すべての人間は、平等なのに?

 

...結局、理想は理想。実現しえないものなのだ。

 

「いずれ、連邦と開戦するだろう...。その時、私達...参謀本部直属戦闘団は戦場の最先鋒、最前線を戦うことになる。さて、蛆虫諸君...君達にひとつ質問をしよう。」

 

本当に、帝国に自らの命さえも賭して尽くす覚悟のある奴はいるのか?

そうでなくては...私の直轄にはできない。

私に...私達にだけ、忠誠があっても仕方がないのだから。

 

...これで、私達の外見に踊らされていただけの、変態だったならば、最前線で敵もろとも...。

 

「諸君は...我々に...。我が帝国に。皇帝陛下に、その命を賭して尽くすことができるか!?」

 

「「「Ja mamma!!」」」

 

「よろしい!ならば貴様らは、現時刻をもって、参謀本部直属戦闘団に編入となるッ!...ヴァルハラまで競争しようではないか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- - - - side 再訓練歩兵大隊 一般歩兵

 

大佐殿が、連合王国への任務をされている間に、本当に...様々なことがあった。

 

理由は俺もよくわからないが...あの変態共、「サボらず訓練してろ!」と自らの神に言われたからか、普段の訓練よりも過酷なことをし始めやがった。

最初は、明らかに度が過ぎていたために、やめるよう言っていたのだが...。

 

「なんだ、お前達は、俺たちができるこの程度のこともできない軟弱者なのか!?」

 

などとこちらの神経を逆なでしやがって...。

 

これに怒った大隊長が、「チッ!ならば我々も同じことを...もっと苦しい訓練を乗り切ってやる!」とムキになってしまってな...。

 

結局...ナイフ一本パンツとシャツだけで48時間過ごすだとか、フル装備で山を登っては降り、登っては降りを繰り返したり。

訳の分からない訓練をひたすらにやっていた。

 

そんな中で、変態共も俺たちも、何かを悟った...極限状態になったときに、幻聴だろうが、神...?のようなものが語り掛けてきた。

 

曰く、「ターニャ・フォン・デグレチャフを妄信するなかれ」

曰く、「ターニャ・フォン・デグレチャフは悪魔の生まれ変わりだ」

曰く、「汝らは奴にではなく、国に忠誠を誓え」

「さもなくば、汝らの祖国は滅亡せん」

 

ははは...。

 

数々の戦場で、無謀とも思える作戦の数々。

その全てを成功させ、彼女達の率いた部隊に損耗無し。

 

我々からすれば勝利の女神だが...。

敵からしてみれば、成程確かに悪魔だろうな。

 

皆同じことを考えたようだが、最後の...国への忠誠、滅亡...どうせ幻聴だろうが、いやに記憶に残っている。

いや...全員に、同じ幻聴が聞こえるなど、あるのだろうか?

これを機に、あの変態共が驚く程変わってしまった。

 

『白銀』『白百合』を信仰するのを、きっぱりとやめたのだ。

...幻聴は、『白百合』については何も言っていなかったのだが。

 

......なんにせよ、奴らが変わったのは良い事だろう...おそらく。

 

そして、俺たちは彼女達の...参謀本部直属戦闘団、帝国最精鋭の部隊に編入となった。

 

ああ、神よ。

貧弱な俺たちに、最前線へ行って死ねと申すのですか...。

 

...まったく、神とやらが本当にいるのならば、こんなにくそったれな状況に追い込む神なのだろうか。




変態共は、敬虔な信徒にクラスチェンジしました。

まだそこまで継続していませんが、感想など。

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