二人の銀翼   作:アレクシア少佐

62 / 67
同志諸君、久方ぶりであります。

小官は現在、就活によって金欠であります。(元気です)


62

 

こんにちは、アレクシア・フォン・デグレチャフであります。

 

...ターニャが調べていた、異様な速さの連邦軍による地雷原突破について、ターニャから報せがありました...。

 

どうも、兵士を地雷原へ突撃させ、地雷を踏ませている...らしいです。

おそらくは、粛清によって極東送りにされた者が大半でしょうが...悍ましいです。

 

あ、それと私も漸く完治...ではないですが、戦闘をしても大丈夫なくらいには回復しました。

ですから...前線へ、行かなくては。

 

「...なんだか、これから嫌なことが起こりそうな気がします...。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...朝に帝都を発ち、東方方面軍司令部に着いたのが夕方。

そこからさらに東へ...。

 

 

 

 

最前線...から少し後方、前線司令部に着いた時にはもう日はとっくに沈んでいました。

 

「...おお、ターニャ大佐殿...ではないな。アレクシア大佐殿か、すまない。」

 

「お久しぶりです、ロメール閣下。よく間違われますから、大丈夫ですよ。」

 

南方での掃討作戦以来、ですね。

...何やらやつれているようにも見えますが。

 

「本当はコーヒーでも出して歓迎したいところだが...多忙なものでな。」

 

「いえいえ。...それは、帝都に戻った時にでも。」

 

「ははは、そうするとしよう。貴官の隊のテントは...。」

 

 

ロメール閣下にテントの場所を教えてもらい、向かいます。

 

...ターニャに会うのが、すごく、すごく...待ち遠しかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- - - - side ターニャ・フォン・デグレチャフ

 

「...ターニャ!」

 

...私が求めてやまない、聞き覚えのある声に呼ばれた気がした。

 

「...アレクシア...なのか?」

 

そして、唐突に、抱擁される。

 

感触、声、匂い。その全てが...紛れもなく、私の妹のものだ。

 

「...ずっと、会いたかったです...。」

 

「私もだよ...。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれだけの時間、抱き合っていただろうか。

 

「...アレクシアが来てくれて、心強い限りだ。」

 

「...何か、悩みでもあるのですか?」

 

やはり、気づかれてしまうか...。

 

「撤退作戦が成功し、今は包囲の気を伺っている...のは知っているだろう?」

 

「はい。共和国戦と同様に、ですよね?」

 

「そうだ。そこまでは良かったんだが...半包囲下に置かれている南部戦線だが...コミー共め、大量突撃を繰り返し行ってきてな...装備も練度もたいしたことがない、ダキア軍に毛が生えた程度なのだが...数が数だ、こちらがもたない。」

 

 

......撤退戦完了後、しばらくしてから延々と突撃を繰り返していた連邦共だったのだが、航空優勢を取り続けていたこともあり、しばらくは大丈夫だったのだが...。

 

「お前も知っての通り、現在私達がいるこの場所は、もともとは連邦領だ。連邦と、帝国の鉄道の規格が違うのも知っているな?」

 

「...ああ、成程です。確か...このあたりで大きな都市は...ヨセフグラードでしたね。そこまで帝国軍が確保していたはずですよね?」

 

当初、攻勢によってヨセフグラードに隣接するドニエプル川に沿い、河川以西は我々が押さえていた。

 

だが、どうにも渡河できず、しかたなく共和国戦と同様の作戦を敢行。

それ自体は、あと包囲するだけのところまできている。

 

「だが先も言った通り、奴らは無停止攻撃を繰り返してきている。私達もしばらくはどうにかなっていたが...補給がな。」

 

「それで...ヨセフグラードはどうなったのですか。」

 

「...つい昨日の話だ。ヨセフグラードは...東方方面軍歩兵連隊、魔導大隊、機甲大隊が取り残され、包囲されてしまった...。」

 

「...ですから、ロメール閣下はあんなに...。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- - - - side アレクシア・フォン・デグレチャフ

 

「市街戦...ですか。アレーヌ市の時とは違い、今回はかなり大規模ですね...。」

 

「アレクシア。怪我が治って早々で悪いが...明日、救出作戦を行う...。」

 

 

...その後も状況を確認しましたが、連邦の歩兵、軽戦車によって包囲されているとのことです。

火砲の改良をしていなかったのか、そちらはまだ到着していないらしいです。

ですが、到着してしまえばこちらが一気に不利になってしまうことは明白です。

 

「ですが...救出できたとして、補給が...。」

 

「そう、それが根本的な問題だ。いくら鉄道が、ある、とは...。」

 

「...ターニャ?」

 

地図にあるヨセフグラードを指し示し、思案し始めてしまいました。

 

...真剣な表情のターニャ。...美しいです。

 

「鉄道...規格...ダキア...?」

 

「それだ、アレクシア!」

 

ひゃっ!?

 

きゅ、急に大きな声で言いながら、私を抱きしめて...。

 

「ど、どういうことです?」

 

「連邦の鉄道と帝国の鉄道の違い...レールの幅が、帝国とは異なるらしい。だが、かつて私達が倒したダキアは連邦...いや、かつてのルーシー帝国だった頃に作られた鉄道が、今も機能している。そこまで帝国の鉄道を引けば...。」

 

...ダキアを経由して、ヨセフグラードから補給の確保...が可能になりますね。

そしてさらに突き進むと同時に、帝国からヨセフグラードまで鉄道を引く...。

 

「...では、ヨセフグラードを取り返すことが重要ですね。」

 

「ああ。...幸い、暗号通信が生きている、市内の友軍と連携が可能だ。」

 

「もしかしたら...この戦争の勝敗を、分けるかもしれませんね...。」

 

...ここでヨセフグラードを奪還し、補給を確立できれば。

 

 

まだそこまで継続していませんが、感想など。

  • 良い
  • まあまあ
  • イマイチ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。