二人の銀翼   作:アレクシア少佐

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コロナ禍によって就活できない状況になってしまい、学校も休止してしまったのです


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――ヨセフグラード攻略から一週間が経過しました。

 

現代戦にも関わらず、今次大戦に於いて最も死傷者が少なかったのではないでしょうか?

 

あれから何度かヨセフグラード周辺で小規模な戦闘があったものの、問題なく防衛に成功、列車での補給路を確保しました。

 

工兵達の働きは素晴らしいですね、敵に破壊されていた線路もすぐに直し、我々の拠点となりそうな建物も修理してしまったのですから。

 

戦局は我々が圧倒的優勢。

 

極東では、意外な事に皇国が太平洋に於いて全面的に勝利したと聞いています。

合衆国とはお互い中立、となったはずですが、どうも合衆国は帝国を信用していないようで、海軍の一部を東海岸に残しているらしいです。

 

まあ、合衆国の自業自得、ですね。

 

「ターニャ、今日は私が担当のはずですよ?どうして執務室にいるのですか」

 

ヨセフグラード攻略後、この街を私達の拠点とするべく直したのですが、その際に帝都と迅速な連絡を行いつつ、前線指揮もしなくてはならないので軍施設を建てて頂いたのです。

 

此方が現状では有利に進めているので、ロメール閣下から休暇を言い渡されたのですが。

何も仕事が無い訳では無いので、私とターニャが交代で仕事を行う、ということにしたはずなのですが。

 

「ああ、参謀本部から連絡があってだな...。アレクシア、良いニュースだ」

 

「はぁ、何ですか?」

 

「極東の皇国が、合衆国相手に連戦連勝、極めつけはパールハーバーを彼らが占領したらしい。合衆国が私達を信用していなかったのが...ククク」

 

悪い笑みを浮かべるターニャも、良いですね...。

 

 

んん、失礼しました。

 

皇国が、パールハーバーを占領したというなら、合衆国の西海岸の海軍はほぼ全滅したのでしょう。

どうやら、私達が欧州で圧倒的優勢に事を進めているせいなのでしょうか、運命が変わっているのでしょう。

 

「しかし、そのニュースは私達にはあまり関係がないのでは?」

 

「まだ続きがある。皇国は昔から、大陸の利権を巡って列強諸国に干渉されていただろう?特に、アジアに於いては連邦と、だろうな。しかし現状はどうだ、欧州は帝国によって平定された。合衆国には連戦連勝、太平洋の安全を確保したと言ってもいい。そして、長年皇国を悩ませてきた連邦も、帝国によって敗走している」

 

帝国の平和の為戦ってきましたが、まさか、遠い、皇国にとっても大きなチャンスを与えていたのですね。

 

「皇国が侵略、もとい解放したアジア諸国は、何処の国も皇国の味方をしている。戦後政策が上手くいっているのだろうな。そのような状況になり、彼らはアジア最大の宿敵とも言うべきか、連邦へ宣戦布告した」

 

最後の言葉だけ聞けば、気が狂ったのかと思ってしまいますが、この状況を顧みるにそうなるでしょうね。

 

東西から挟み撃ち、ですか。

 

「...ターニャ。漸く、私達の戦争が、終わるのでしょうか」

 

「ああ...だといいな。だが、連邦が未だ降伏していない以上、今まで通り戦うだけだ」

 

油断大敵、勝利の目前こそが最大の隙となりやすいのですから。

 

...ターニャとボードゲームをしたり、大隊の皆さんとカードをしたり。

私が勝ちを確信して油断したところを、いつも皆に足元を掬われて負けていますから...。

 

「はぁ、どうせ私は、戦争は得意でもゲームは苦手ですよ。」

 

「どうして拗ねるんだ...?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、まさか帝都以外で、いつものコーヒーモドキじゃない、コーヒーを飲めるとはな...」

 

「ターニャ、おかわりはまだありますからね」

 

ダキアを経由した、帝都との補給線が繋がったことで、様々な物資が送られてきてこの街も潤ってきました。

もちろん、通常よりは割高になってしまいますが、頼めばコーヒーなどの嗜好品も送ってもらうことができます。兵士の士気のためにも、嗜好品も必要ですからね。

 

「そういえば、投降して捕虜になった連邦兵の方々ですが、一時的にですがこの街に住むそうですよ」

 

「そもそもこの戦争は、連邦の首脳...コミー共が勝手に帝国に怯えて引き起こした戦争だからな、彼らとて折角拾った命を、帝国に反逆して捨てたくはないだろう?それに連邦は敗走している、このままおとなしく私達とは友好的な関係を築いていけるだろう」

 

「そうですね、この街もこのまま発展していけば、彼らにも利益となるはずですし」

 

捕虜だった彼らも、この街で働いてくれるなら私達にとっても、嬉しいことです。

なにせ、帝国兵だけで此処を拠点とするのは、非常に大変ですから。

 

「そうそう、此の軍事基地の近くに、近々喫茶店がオープンするらしいですよ?」

 

「それは素晴らしい、是非とも飲みに行かなくてはな。まあ、アレクシアが淹れてくれるコーヒーに及ぶ訳もないだろうが」

 

「ターニャ、私を褒めても何も出ませんよ!」

 

ふ、不意打ちでそういう嬉しい事を言ってくるターニャは本当に...ずるいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- - - - side 帝国捕虜:連邦兵

 

帝国側が投降しろと勧告してきたのだが、投降すれば督戦隊に撃ち殺される。

そう思い、誰もが沈黙した瞬間、督戦隊の奴が、

 

「...クソ、なぜ政府の我儘に俺たちが付き合わねばならん!味方を撃ち殺すのもウンザリだ!俺は投降するぞ!撃ちたければ撃ち殺せ!どうせ、帝国に抵抗したところで死ぬだけだ!」

 

と言い出したのがきっかけだったな。

その発言の直後、同じく督戦隊から我も我もと銃を捨て、呆然としていた俺たちも同じく投降した。

 

最初の奴の発言は、皆が思っていた事だ。

 

どうせ、帝国と戦おうが逃げようが、結局は死ぬのだ。

抗ったところで、自分が生き残る可能性が少しはあるかもしれないが、ここで生き延びたところで次の戦場に行かされるだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

捕虜になってしまえば、命は助かるかもしれないが過酷な労働や酷い生活を覚悟していたのだがな。

 

「...店主、此処のコーヒー豆は何処の物だ?帝都では味わえない、独特だが良いコーヒーだ」

 

「本当ですね、とても美味しいです。このコーヒーですと、ブッターブロートに合いそうです」

 

...なぜ俺は、帝国軍に占領された街で、軍服を着た幼女にコーヒーを出しているのだろうか。

しかもこの幼女、見た目にそぐわない迫力というか、何か恐ろしいものを感じる。

 

まてよ、この二人が胸元に付けている勲章は、確か...。

 

 

連邦でも噂程度にはなっていたが、まさか本当だったとはな、『ラインの悪魔』が。

もしあのまま戦闘になっていれば、俺は今頃...。

 

「いえ、コーヒー豆は帝国の物ですよ。ただ、淹れる方法が通常とは少し違っておりまして...」

 

本当に、投降してよかったな...。




ブッターブロート : ドイツ料理の一種
バターを塗ったパン という意味

ドイツ人には何かと思い入れのあるものらしいですね

日本人的には焼いたほうが美味しそうに感じる

まだそこまで継続していませんが、感想など。

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