就活やべえ
モスコー目前まで帝国軍到達。
しかし、首都目前ということもあってか、敵は今まで以上に激しい抵抗をしており、攻略は難航中。
モスコー目前50kmより戦線が動いていないらしいです。
...情報によれば、合衆国産の戦闘機が空を飛んでいるとか。
おそらく合衆国からのレンドリース品でしょうが、迷惑ですね。
「それで、戦闘団の突破力を以てして戦線を押し上げたいと」
戦線が膠着し始めてから20日程、しびれを切らした参謀本部...もとい、ロメール将軍に司令部へと呼び出されています。
「流石は『白銀』、理解が早くて助かる」
おそらくは、私達が赴けばどうとでもなるでしょう。
「仕方あるまい。アレクシア、異論はあるか?」
「いいえ、ありません」
私がターニャに異論なんて、ありえませんよ。
「では明後日よりモスコー攻略作戦、頼んだぞ」
「「拝命致しました」」
「戦闘団諸君、喜べ!我々は再び戦場へ...最前線へと赴く事になった。作戦概要を説明しよう」
まず、守りを固めているモスコーに対して、愚直に正面から突撃し、帝国軍人を捨て駒にし続ければ攻略はできるでしょう。
当然それは、損害が大きすぎるため却下です。
ではどうするべきなのでしょうか?
今までのようにモスコー後方へ浸透し包囲、殲滅ができればいいのですが...。
「簡潔に言おう、我々は空からの、空挺降下による奇襲によってモスコーに立て籠もる敵軍司令部を叩く」
モスコーはルーシー帝国時代以前から、東欧の大都市であり続けた歴史ある都市です。
そんなところを、再建不可能になるまで破壊しつくせば、たとえ帝国の勝利で終わったとしても、後世に遺恨を残すことになります。
そこで、敵の司令部を潰し、降伏勧告をすれば一定の効果がある...と思われます。
雑兵は所詮、政府によって戦わされているに過ぎないのですから。
「我々の奇襲、敵軍に混乱が生じたと見なされ次第、ロメール将軍率いる東方方面軍歩兵連隊、機甲師団がモスコー市街へ突入する手筈になっている。我々に、この戦争が終わるかどうかが懸かっている」
ヨセフグラード市街戦の勝利後、モスコー直前まで進軍した帝国軍。
太平洋では連戦連勝、連邦に宣戦布告後、すみやかに連邦東部の各重要都市の占領を成した皇国軍。
混乱に乗じてかつての栄華を取り戻さんと、コーカサス地方を狙うオスマーン軍。
対して、帝国に不信感を抱き大西洋に海軍を割り当てていたせいで太平洋で大敗を喫した合衆国。
無闇な大粛清、無謀な帝国への宣戦布告、敗走を繰り返す連邦。
「...勝利は目前、ですか」
「そうだな。想像以上に良い状況で、な」
「漸く、漸く平和が、私とターニャの、...うぅ」
...とても長かった、ように、感じられます。
「...私のせいで、お前まで...アレクシアまで、こんな危険な場所に連れてきてしまって、すまなかった。」
優しい抱擁。ターニャの、柔らかな感触。...濃い血と硝煙の香り。
「ふふっ、それこそ今更、ですよ?だって...私達は唯一の家族、ですから」
- - - - side ターニャ・フォン・デグレチャフ
ああ、私の妹は本当に、可愛くて、優しくて、素直で。
...こんな私には勿体ない。
将来を見据えての事だったのは確かだが、私の我儘で、妹を連れて軍人に。
後方勤務の筈が、有能な妹と、それに見合うだけの大隊を準備され、気づけばいつも最前線。
いつの間にか大佐にまで昇進したはいいものの、大隊から戦闘団へランクアップ、結局最前線だ。
私は妹に、アレクシアに、姉としてちゃんと出来ているのだろうか?
何時も私の傍で支え続けてくれた妹に。
前世では何もかも、合理的に取捨選択してきた筈なのだがな。
何故、この腐った世界で得た、妹に対してだけは、感情的になってしまうのだろう?
まだそこまで継続していませんが、感想など。
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良い
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まあまあ
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イマイチ