二人の銀翼   作:アレクシア少佐

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少しずつ、原作から離れていきます。

もうしばらくは、あまり変わりませんが。


9 ライン戦線

こんにちは!

 

帝国軍、西方方面司令部直轄機動打撃群第七強襲挺団、第205強襲魔導中隊所属、

アレクシア・デグレチャフ少尉です。

 

何やらターニャがぶつぶつ言っていましたが、疲れているのでしょうか。

 

私を抱き枕にするだけでは取れないほどの、疲れが溜まっているのでしょうか...。

ターニャが心配です。

 

ああ、私とターニャは双子であり、姉妹ですので、変な気持ちなどは一切合切ありませんよ?

抱き枕というのはですね...。

 

ずっと一緒だったターニャと、別々の部屋、布団だと私が寂しいので、許可を取ってターニャと一緒に寝ているのです。

ターニャも一緒に寝る癖が抜けきっていないようで、私を抱きしめて寝るのです。

とても嬉しいですが、共に戦場を駆けてきたせいか、お互い血と硝煙の匂いが抜けきりません。

 

 

 

 

そんなことはどうでもいいのです!

 

現在、私達は拠点防衛任務をしています。

歩兵、砲兵の皆さんがほとんど倒してくださるのですが、多少の撃ち漏らしが出てしまいます。

それを狩るお仕事ですね、簡単でしょう?

 

「小隊、撃ち漏らしを狩るぞ?用意は良いな?」

 

「はい、小隊長。いつでも行けますよ!」

 

小隊長はターニャ。

ああ、今日もターニャは凛々しく可愛いです。

 

「拠点内部でぬくぬくと給料泥棒も悪くないが、たまには仕事をしないと追い出されるからな。」

 

「違いありませんな。」

 

「運動がてら、スポーツを楽しむとしましょう!」

 

戦争だというのに、私とターニャ、古参兵達は和気藹々としています。

新兵たちは、ずっとビクビクしていますが。

 

「まあ、ハイキングだ。美容と健康のためにも適度な運動を積むとしよう。」

 

「ああ、少尉殿は身だしなみに気を使われるのですな。」

 

「当たり前だ。社会人のマナーだぞ?」

 

「ターニャは...小隊長殿は既に美しく可愛いですのに、さらに可愛くなられるだなんて!」

 

「副官!うるさいぞ!私語は慎め!!」

 

「どうして私だけなんでしょうか!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

- - - - side 新兵

 

まさか戦争が、ここまで恐ろしいものだとは。

想像よりも、何十倍も、何百倍も恐ろしかった。

 

...そんな戦場でどうして。

小隊長殿、副官殿は、まだ子供だというのに、あそこまで明るくできるのでしょうか...。

 

私は、戦争が恐ろしく思うと共に、こんなところで普段通り振る舞っていらっしゃる小隊長殿、副官殿をも恐ろしく感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- - - - side アレクシア・デグレチャフ

 

「我々は、顔なのだ。」

 

「顔、でありますか?」

 

「軍の精鋭だと自覚を持て。ここでは我々が、軍なのだ。」

 

拠点防衛任務とはいえ、最前線。

 

 

 

「アイ・マム。しかし、120㍉の集中砲火とは壮観ですな。」

 

「全くだ。しかし単なる猟犬役はつまらない。できれば、もっと別の方が良いのだがな。」

 

「そうですね。もっと、歯ごたえのある敵と戦いたいのですよね、小隊長。」

 

地味だし楽しくはないですからね、この任務。

仲間達と、ターニャとお喋りできるのは楽しいですが。

砲兵と歩兵の取りこぼし、ほとんど死にかけ連中にトドメを刺すだけですから。

 

 

「少尉、貴様ならそう言うと信じていたぞ。」

 

「中隊長殿、いかがされました?」

 

これは、難敵がいるところへの...。

 

「仕事だ。友軍支援になる。」

 

「友軍支援?この戦域で友軍に支援を行うのは、まずもって砲兵では?」

 

集成軍団砲兵が展開している地域です。

私たち魔導士が飛んで急行するより、120㍉で吹き飛ばすほうが早いです。

 

「弾着観測班が、敵魔導師中隊にまとわりつかれている。我々は、其の援護だ。」

 

「おや、他人事ではありませんなそれは。」

 

「私達も協商連合相手にやりましたね。」

 

「ああ、そう言えば。貴様らは以前北方で経験していたな。」

 

「はい、二度と御免ですが。」

 

「たった二人で、一個航空魔導大隊相手ですよ?こんなか弱い女の子にひどいですよね!」

 

「銀翼突撃章まで貰って、どの口がか弱いだなどと言うのだか!」

 

 

中隊全体が笑いに包まれました。

皆さんヒドイです!

 

 

「よろしい。ならば、援護は貴官らに任せよう。我々は、残敵掃討だ。」

 

「よろしいのですか?まだ、突撃許可は出ておりませんが。」

 

苦労を知っているからこそ、助けに行け、ということでしょうか。

 

「なに、私の裁量権の範疇だ。なにより、砲兵隊からも要請が来ている。」

 

決まり、ですね。

行くしかありません。

 

「では、致し方ないですね。」

 

「ターニャと小隊の皆で、デートですね。場所は最悪ですが。」

 

「場所はな。せいぜい楽しもう、アレクシア。」

 

「はい、ターニャ。」

 

「では、ターニャ・デグレチャフ少尉、ただちに救援へ赴きます。」

 

「同じくアレクシア・デグレチャフ少尉、救援へ赴きます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「小隊諸君、誠に遺憾だが、敵は三個中隊。つまり、私が一個、副官が一個。君たちは残りものだ。」

 

「小隊長殿と副官殿だけ、エース願望でありますか?」

 

「いやなに、あと10機も落とせば規定で恩給と恩賜の休暇だ。そろそろ、休みが欲しいのだよ。」

 

「そうなんですよ、休暇は小隊長とデートなのです。美味しいグルメ巡りでもしましょうか。」

 

「なんともお羨ましい。」

 

「貴様らには相済まないが、まあ早い者勝ちだ。」

 

帝国は勝てるでしょうか。

現状ならば、協商連合を黙らせ、共和国を叩き潰すなど容易にできるでしょう。

ですが、その他の列強諸国が、我々の敵国に援助をしたら?

まして、参戦してきたら?

 

帝国一国では、厳しいでしょう。

一対世界、なんて。

 

 

「戦争は、勝っているうちに楽しむものだからな。」

 

「おや、お二方ほどの方ならば、絶望的な防衛線をもお好みになるかと思いましたが。」

 

絶望的な防衛戦。

 

末期ドイツの東方戦線。

終戦直前のソ連による満州侵攻。

沖縄戦。

 

どれもこれも、凄惨な、死体を増やすだけの戦場だと、記憶しています。

いつどこで知ったのか、定かではありませんが。

 

一時は勝利していても、覆される恐ろしさ。

...帝国が協商連合、共和国に勝った時のために、上層部の人と接触し、この危険性を何としても伝えなければなりませんね。

もしくは、論文という形でも。

 

兵站の確保なども、西暦世界の第一次世界大戦に相当する戦争が無かったこの世界では貧弱と言うほかありません。

これについても、言及するべきですね。

 

 

ともかく、ターニャと私の生まれ育った祖国です。

ターニャのほうが大切ではありますが、失ってはならない帰るべき家なのです。

 

 

「軍人だよ。命令があれば行くがね。」

 

「お好みになるわけではないと?」

 

「好き好む戦争狂は、なかなかいませんよ。」

 

「言うまでもないことだがな。さて、彼らが殿軍を楽しんでくれるとよいのだが。」

 

「ほう、どうされるおつもりで?」

 

「せいぜい、歓待してやるさ。鉛と魔力光は私のおごりだ。」

 

「無駄遣いはよろしくありませんが、使われずに腐ってしまうのも勿体ないですからね、ちょうどいいと思いますよ。」

 

「そうだな、すべて撃ち切ってもいいくらいだ。」

 

 

 

 

「ついでに、パスポートをお持ちか確認してみますか?」

 

「入国目的も、ですよ!きちんと審査をしないといけませんね。」

 

「よし、そうしよう。」

 

 

 

 

「では、それがスタートの合図ですね。どうせなら競技にでもしますか?」

 

「ふむ、では撃墜数で競うとしよう。私に勝てたら、中隊長殿秘蔵のワインでもがめてやろう。」

 

中隊長の秘蔵ワイン!

飲みたいですが...まだ成人していません。残念です。

 

 

「なんともはや。では、小隊長殿独り勝ちの際は、我ら揃って本日の手当て返上ですな。」

 

「うむ、悪くない。悪くないな。その賭け乗ったぞ!」

 

「私が一番だったら、ターニャ。一つ何でも言うことを聞いてもらいますよ。中隊長殿のワインも皆さんに奢るということで!」

 

「いいだろう、アレクシア。私が勝てば、アレクシアが言うことを聞くのだぞ?」

 

何を命令されるのでしょうか...どちらにせよ私にはご褒美では...!?

 

 

「負けませんぞ、小隊長殿、副官殿!」

 

「こちらこそ、負けませんよ!」

 

 

 




アレクシアはターニャ想いの良い子です。(おそらく)

まだそこまで継続していませんが、感想など。

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