電童良いよね。タービンアクションがカッコいいんよ~♪
一番好きなデータウェポンはもちろん輝刃。
輝刃ストライカーのファイナルアタックは尋常じゃないくらい大好き。ドリル持って突撃とかロマンの塊だよなぁ!!
世界が樹海に包まれたのを確認すると、俺は変身した。
今回の相手はなんと三体同時。レーダーによると、手前の二体がそれぞれ、スコーピオンとキャンサーで、奥にいるのがサジタリウスというそうな。
蠍座とか射手座とか・・・・コイツら、黄道十二星座から名前取ってきてんのかよ。そういや昨日のは
「三体同時とか・・・・ちょっとモテすぎでしょ・・・・」
「あわわわ・・・・・」
「落ち着け樹、あと風さんは何を言うとるか」
そして友奈は黙って端末を構え、変身していた。
『ヤル気は充分!』ってか?結構な事だが、先走るようなマネはしないで欲しいねぇ。
「おい友奈。あんまり気を張り過ぎるなよ?」
「うん。大丈夫」
あ、ダメだわ。予想通りに気負い過ぎてやがる。
やれやれ仕方ねぇな・・・・ここは俺が───
と、その時だった。
「ガっ!?」
「かぐやちゃん!?」
「えっ?えぇっ!?」
「な・・・!?いったい何が!?」
突如として、後方に向かってぶっ飛ばされた。
三人の俺を呼ぶ声が急速に遠さかり、訳も分からぬまま俺は樹海の地面に叩き付けられる。
「
飛び起きて、俺をぶっ飛ばした奴の顔を見る。
否、見ようとした。
「・・・・お前、そのお面」
「───────」
「・・・・だんまりかよ」
ボロ布みたいな衣服を着たそいつは、見馴れたマークの印された面を被っていた。
紡錘形の鏃をした矢を象ったモノ───即ち、"鏑矢"のマーク。
「俺が樹海に入れるんだから、当然、他の連中だって入れるとは思っていたが・・・・いきなり攻撃されるたァ思ってもみなかったぞ」
「──────────」
「・・・・・・チッ。俺がこれだけ話しているんだからよ、ちったァ返事くらいしやがれってンだよォ!!!」
ラ
イ
ト
ニ
ン
グ
雷の魔術を、拡散率高めで放つ。
別に攻撃する目的で撃っていない。目眩ましをして足止めをできれば良かった。
「─────無駄な足掻きだ」
しかし、どうやらコッチの思惑は読まれていたらしく、俺の行く手を阻むように先回りされた。
「──────クソ。おいお前!!今この四国はなァ!未曾有の危機に瀕しているンだよ!バーテックスっつー、人類の・・・・敵?だっけか?そいつらが大挙して攻め込んで来て────」
「
「何ィ・・・・?」
コイツ今、知っていると言ったか・・・?
「バーテックスの事も、この世界の事も、全て、知っている。
いきなり喋りだしたと思ったら、なんかワケわからん事抜かし始めやがったぞコイツ・・・・あと、声的にコイツ女だ。もしかしたら女っぽい声の男かもしれんが・・・・
「・・・・・って、試すだァ?俺をか?いったい何の為に?」
「お前は知らなくて良い事だ」
それだけ言うと、仮面女は背中に両手を回す。
シャリンッという金属特有の音を響かせて何処からともなく取り出したのは、二振りの大剣────と思いきや、剣なのは刀身のみで、柄の部分は銃になっていた。なるほど、ガンブレードか。なかなか通じゃないの。
「って、言ってる場合じゃねェな・・・・」
「─────ふっ!!」
仮面女が右手のガンブレードを振りかぶって突撃してくる。
それをギリギリまで引き付けて、回避。
「うぉっ!?」
「──────」
顔面スレスレを掠めて地面に大穴を穿ったガンブレードを見て、流石の俺も肝を冷やした。
もし当たっていたら・・・・潰れたトマトじゃ済まねーだろうな・・・・
「はぁッ!!」
おっと、悠長に考え事してる場合じゃねぇ!!
仮面女の奴、中々にガンブレードの扱いが上手い・・・・!
近付かれて漸く気付いたのだが、この女、身長が友奈とどっこいか少し欠けるか位しかない。
そんな低身長で、自身と同じ丈がありそうなガンブレードを自在に、しかも二振り同時にブン回せるとなれば、ただ筋力があるだけじゃないと理解できる。
(コイツァ、
今は回避優先でいるために拮抗しているが、いつまでも続くワケが無い。
それに、防戦一方なのは趣味じゃない。
「おぅらァ!!」
「っ!?」
横凪ぎに振るわれたガンブレードを、タイミングを見計らって蹴り飛ばす。
仮面女の手から離れ、上空を舞うガンブレード。
しかし、それで戦闘は終わりにはならない。
もう一振りのガンブレードがまだ、奴の手に残っている。
「・・・・シッ!」
案の定、奴は弾かれて後ろへ飛んでいった方のガンブレードには目もくれず、持っている方を両手持ちして攻め込んで来た。
両手持ちしているせいか、先程よりも振りが速い。が、見切れないワケではない。
「セイ、ヤーッ!!!」
同じ手が二度も通じないであろう事は察している。
だから俺は、
ガキンッ!!!ガッ─────バギンッ!!!
「・・・・・!?」
「・・・・・・砕けるとまでは思ってもみなかったわ」
俺はただ、ガンブレードに向かって左腕のアームパンチを当てただけ。
春さんはこんな威力の武装を俺に持たせて、いったい何をさせたかったんだよ・・・・・
「────────」
それにしても、さっきからこの女・・・・・動き方が単調と言うか・・・・何と言うか・・・・
今のだって、ガンブレードのトリガーを引けば、左腕を弾く事もできただろうに、それをしなかった。
ガンブレードは、柄の銃部分に仕込んだ火薬を炸裂させて、その振動で刃の切断能力を高めることができる武器だ。それ故に、かなりの重量があるワケだから、振り回しているだけでも殺傷能力はかなり高い。
にしたって、こんな簡単に砕けるようなモンか?
「──────この程度か」
「武器も無ェのに、言うじゃねーか・・・・」
チクショウ、やっぱコイツ手ェ抜いてやがった・・・・!
「─────────やはり、起動してはいないようだな」
「あ?起動?何の話だ」
「これから死ぬお前に、話す必要は無い」
それだけ言うと、仮面女は再びガンブレードを取り出した。
あー、こりゃダメだ。武器が無限湧きとか対処仕切れねェよ・・・・
と、諦めかけたその時だった。
別方向から仮面女に向かって銃弾が飛来し、奴はそれをガンブレードで切り払った。
その瞬間、銃弾から蔦植物が生え、仮面女の身体を縛りつけた!
「っ!?」
「な・・・・なんだ?」
疑問符を頭に浮かべる俺だったが、銃弾の飛来してきた方向を見て、理解した。
「輝夜くん!無事!?」
「───────東郷か!助かったぜ!!」
スナイパーライフルを片手に、青いぴっちりスーツを身に纏った東郷が、救援に駆けつけてくれたのだった。