契約者達への鎮魂歌 -Re.birth-   作:渚のグレイズ

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新五ヶ条の三番目が遂に解禁されましたね!
あと二つ。
どちらかが『のわゆアニメ化』と小生は見るな・・・

それと、のわゆ組が歌う『キボウノツボミ』と『勇気のバトン』の試聴版も公開されましたね・・・・(感涙)
あれは、良い歌だ・・・・(号泣)


K.K.の日常 -勇者部 その①-

放課後───

 

「友奈、この前頼んだバスケ部の助っ人、今日からだよね?」

「うん!その前に部室に寄ってからだけど、ちゃんと行くよー」

「良かった。それにしても、何時聞いても変な名前だよねー。なんて言ったっけ・・・」

「勇者部、だよ!」

 

そんな会話をしている友奈とその友達の後ろを通り、職員室へ向かう。

今日の日直として担任に日直日誌を届けなければならないのだ。あー、めんどい。

 

「あ、じゃね!かぐやちゃーーーん、待ってよーーー!」

「───────ん」

 

行こうとしたら、友奈が追っかけてきた。

 

「何か用?」

「今日は部活・・・・・来れる?」

「ふむ─────」

 

スマホを取り出して予定を確認。今日は・・・・・特に無いな。

正直、行く気は全く無かったのだが・・・・・・上目遣いでこちらを見る友奈に免じて、行くとするか。

 

「予定は無いからな。行くよ」

「ほんと!?やったあ♪じゃ、一緒に行こ!」

「東郷は良いのかよ」

「もちろん東郷さんも一緒だよ?」

「あ、はい」

 

何言ってんのこいつ、みたいな顔された。

 

―――――――――――†――――――――――

 

東郷を取りに戻った友奈を待たず、俺は職員室へとやって来た。

ノックしてもしもーし。

 

「失礼しまーす。布堂せんせー、いますかー?」

「はいはい、私はここですよー」

 

職員室の窓際で、黄色いつくしが揺れていた。

 

「・・・・・分かりやすいからって、頭揺らすんじゃないよ」

「煌月くん?ここでの私は先生ですよ?」

「へいへい。『公私はしっかり分けるべし』・・・ばっちゃにも良く言われてたんで、理解してるッスよー」

「既にその態度が、分けきれてない証みたいなものですがねー」

 

俺の発言に苦笑するこの人は、クラス担任の布堂幕切先生───つまり、ウチの使用人のマッキーだ。

俺のクラス、なんでこうも親近者が多いんだよ。何かの陰謀か?

 

「はい、日誌は確かに・・・・ところで煌月くん。今日は部活へは?」

「・・・・・・行きますよ。誘われたし」

「両足の具合は?」

「動かせるから全然。でも明日見て貰いに行く予定ッス」

「そうですか・・・・・話は代わりますが、あちらをご覧ください」

「あ?」

 

布堂先生が指したのは職員室の扉の方。そこには───

 

「・・・・・・・・・・oh」

 

膨れっ面の友奈と、苦笑いする東郷が居た。

 

「レディを待たせるのは、良くありませんよ」

「────────────────────うッス」

 

―――――――――――†――――――――――

 

「んもぉ~~~!!!どーして先に行っちゃうの!!」

「いや、だって・・・・俺日直だったし・・・・」

「一緒に行こ、って言ったのにぃ~~~~!!!」

 

職員室を出て早々、友奈が俺の胸板をぽかぽか叩いてきた。

友奈と俺とでは、頭一つ分程の身長差がある為、必然的にこうなるのだ。

 

「言うてお前だって東郷取りに行ってたじゃねーか」

「うぅ・・・・それもそうだけど・・・・」

「あらあら、私は荷物扱いなの?」

「え?あ!違「そうだ」かぐやちゃん!?」

「あらあら・・・・」

 

バチバチと東郷と俺の間で火花が散る。

間に挟まれる友奈はおろおろするばかり。

 

「だってそうだろ?自力で満足に動けねえような奴、有事の際にゃ、お荷物だぜ」

「うふふ・・・・・そんな"お荷物"に散々負け越しているのは、何処の何方様だったかしら?」

「け・・・・ケンカはダメだよぉ~~(汗)」

 

あたふたする友奈が見れたので良し。今日はここまでにしておこう。

 

「冗談だって(東郷、撮ったモンは後で寄越しな)

「いつものおふざけだから、平気よ友奈ちゃん(そっちこそ、撮影した物と交換なの、分かってるわね?)

 

シェイクハンドで交渉成立。

こうして俺と東郷は、喧嘩のふりをして交渉を行っているのだ。

内容は簡単。

『新規に入手した友奈に関する写真データの取引』だ。

ちなみに、今回渡すのは『授業中に居眠りする友奈』の写真だ。

 

「そうなの?だったら良かったー♪」

「心配させてごめんね?」

「よく言うだろーが、『ケンカする程仲が良い』ってよ。俺らはそういうやつよ」

「それにしては、かなり空気が重たかったんだけど・・・?」

「はてさて何の事やら」

 

テキトーにはぐらかして部室へと向かう。

 

「あ、待ってよーーー!!」

「オラ、置いて行くぞー」

 

―――――――――――†――――――――――

 

「ちわーッス」

「こんに・・・・・ひえっ!?」

「ん?・・・・あー!煌月!!」

 

俺たちが所属している部活"勇者部"の部室へと到着したら、机の上にカードをばら蒔いていた少女にビビられ、奥で作業していたもう一人に叫ばれた。と、そこに友奈と東郷が駆け込んで来る。

 

「こ・・・・こんにちはー!!」

「こんにちは・・・・・友奈ちゃん大丈夫?」

「も・・・・もう、待ってって言ってるのにー・・・・」

「・・・・・悪ィ。ちょっとふざけ過ぎた」

 

まさか走って追いかけて来るとは・・・・

 

「あら、なによ煌月。友奈たち苛めたら許さないんだからね。部長として!」

 

腕組み仁王立ちでこちらを睨み付けてくるこの金髪二つ結びの少女は犬吠埼風。この勇者部の部長で創設者だ。学年は一つ上の三年なので、俺は"風さん"と呼んでいる。

 

「別に苛めてはいないッスー。ちょっとからかって遊んでいただけッスー」

「それを"苛めてる"って言うんじゃ・・・・」

「・・・・・・・・言うじゃないの」

「ひっ!!」

 

俺の声にビビって風さんの後ろに隠れたこの少女は犬吠埼樹。風さんの妹で学年は一つ下の一年だ。

 

「───────いい加減馴れてくれよ。ちょっとへこむ」

「ご・・・・ごめんなさい・・・・・くすん」

「こーうーづーきー?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

「え?これ、俺が悪いの?」

 

友奈の方を見る。が、もう既にそこに友奈は居らず、東郷がやれやれ、といった表情でこっちを見ているだけだった。

 

「────そういやバスケ部の助っ人に呼ばれてたっけなあ」

「家の妹を泣かすやつはぁ!!こうよ!!!」

 

樹を泣かせた罰として、風さんの鉄拳制裁を食らう事になった。

なんでや、樹泣かせたの俺関係無いやん・・・・ひどいやひどいや・・・・

 

 


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