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夏凜を連れだって、"嵐ヶ丘"隣のマンションに向かう。
「そーいや、お前の部屋何処?」
「・・・・・・・こっち」
今度は逆に夏凜に連れられる。
案内された夏凜の部屋は、かなり殺風景だった。
「家具が備え付けの奴しか無いとか・・・・・女子中学生としてどーなの・・・・?」
「ほっとけ!!」
別の場所には一丁前のルームランナーが置いてある。その辺りは流石春さんの妹だな。
「さて、それでは冷蔵庫チェ~~~ック」
「ちょっ!?勝手に見るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
夏凜の静止を振り切って、冷蔵庫の扉を開く。
「───────────水しか無い・・・・だと!?」
2リットルペットボトルに入った水が、冷蔵庫内を充たしていた。
「・・・・・食材は?」
「は?」
「野菜類は!?」
「無いわよ」
「肉は!!!」
「だから無いって!」
「・・・・・・・・・・・飯は、どうしているんだ?」
「基本、コンビニ弁当だけd「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」ぅわっ!?びっくりした!?」
あまりにも、あまりにも酷い答えに、俺は思わず叫び声を上げてしまった。
「な・・・・なによ。栄養バランスには気を使っているわよ。足りない分はサプリメントで補えば───」
「夏凜、座れ」
「え?」
「座れ」
「きゅ・・・・急に何を」
「 座 れ と 言 っ て い る 」
「ひっ!?」
――――――――‡五時間後‡――――――――
「───────故に栄養を取るならばサプリメント等という補助食品などに頼らず、素材を調理して」
ピンポーン♪
「む、来客か。今日はこの辺にしといてやる。」
「────────────────」
何故か夏凜は真っ白になっていたので、俺が代わりに出迎える。まぁ、どうせアイツらだろうけど。
「はーい、どちら様ですかー?」
「あ、かぐやちゃん!」
扉を開けると、そこには予想通り友奈達がいた。
「煌月、夏凜の様子は?」
「なんか真っ白になってる」
「・・・・・・・は?」
とりあえず中に入れる。
「・・・・・・・夏凜さんが、真っ白になってる」
「いったい何があったのよ・・・・・(汗)」
「わー!水しかない」
「あー、なるほどそういう・・・・」
友奈が冷蔵庫チェックをして、東郷がなんか察して俺の方を見る。解せねぇ。
「おーい、夏凜~~」
「────────────はっ!?」
「あ、起きた」
「え?あれ?なんであんた達が!?」
起きた夏凜が友奈達を見て戸惑う。
「なんでって、あんた電話かけても出ないじゃない」
「あ・・・・それは・・・・・」
「かぐやちゃんから寝込んでいる訳じゃないって連絡あったけど、無事で良かったよー」
「んじゃ、パパっと準備しましょ!」
そう言って、風さんは持ってきた袋からジュースやらお菓子やらを取り出して、机に並べ始めた。
「ちょ・・・・なんなのよ、いきなり!!!!」
「あのね、夏凜ちゃん」
友奈が持ってきた箱を開けて、中身を見せる。
そこには、イチゴのショートケーキが。
「ハッピーバースデー!夏凜ちゃん!!」
「・・・・・え?」
「おめでとう!」
「おめでとうございます!」
「めでたいなぁ!」
「おめでとう!あと煌月は後で説教ね」
解せねぇ。
「なんで、知って・・・・」
「入部届けに書いてあったのよ」
「友奈ちゃんが気付いたのよね」
「うん!『あっ!』って思っちゃった♪」
「本当は、幼稚園でやろうと思っていたんですけど・・・」
「夏凜ってばぜんぜん来ないし、連絡もつかないしさ~~」
「─────────」
夏凜は俯いて、沈黙していた。
「夏凜ちゃん?」
「どうかしましたか?」
「あら~?もしかして、自分の誕生日忘れてたとか~?」
「・・・・・・・・・・・ばか」
ああ、この反応は、知っている。
「・・・・・・あほ、おたんこなす」
「ちょっと!いきなりなによ!」
風さんは憤慨するが、俺には、夏凜の気持ちが身に沁みて理解できる。
かつての俺も、同じ気持ちだったから………
「うっさい!!誕生日なんて・・・・祝われた事なんか無いから、なんて言ったらいいか、分からないのよ・・・・・」
夏凜のその一言に、全員が押し黙る。
ふと、壁のカレンダーが目に止まった。
今日の日付の場所に、赤いサインペンで丸印が書かれている。
「夏凜ちゃん、お誕生日おめでとう」
俺が言うよりも先に、友奈が言った。
やれやれ、相変わらず美味しい所を持っていくんだからさ。
―――――――――――†――――――――――
誕生日パーティーが終わり、友奈達を先に帰した俺は、夏凜と共に跡片付けをしていた。
「手伝ってもらって、悪かったわね」
「気にするな。『旅立つならば、跡を濁すべからず』って、ばっちゃからの教えがあるからな」
「なによそれ」
夏凜が笑う。
「なんだ、笑うとふつーに可愛いじゃん」
「ふぇ!?」
おっと、声に出てた。ま、本音だし別にいいか。
「なぁ、夏凜」
「え!?なななな、何!?」
「何を緊張しているか。別に、大したことじゃねーけどよ・・・・」
「春さんもお前も、もう一人じゃないんだ。辛い時にゃ、頼れよ。そういうのが、仲間ってモンだろ・・・?」
「────────仲間、か」
「おう!同じ卓を囲って、飯を食った仲だからな!」
「飯って・・・・お菓子じゃない」
「固いことは言ーわなーいのっ!んじゃ、お休み!」
「うん。お休み」
夏凜が春さんと、どう接するのか。
それは、もう夏凜自身に任せて大丈夫だろう。
笑って手を振る夏凜に見送られながら、俺は心からそう思った。