『出陣ー!!』
パパパパパゥワーードンドン!!
「おいちょっと待てさっきの音なんだよ!?」
「何って・・・・義輝の法螺貝でしょ?」
「法螺貝以外の音色も聞こえたから質問してンだよ!!」
「グダグタ言ってると一番槍貰っちゃうわよ!!」
「あ!?おい待てやコラァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
開幕からグダグタだがとにかく、真っ先に飛び出した夏凛に追従する。
目標は、バーテックス共の中から一体、突出して来た奴。名前は
「一番槍ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」
そんな牡羊座の頭に、夏凛が一撃入れる。そこへ追撃を加える。
「テメェはそのまま這いつくばってろォ!!!!!!」
電気を帯びた巨大な金属杭を、夏凛が付けた切り口に撃ち込み地面に縫い付ける。
「よっし!これで・・・・・うげ!?」
が、その途端に牡羊座が尻尾を切り離した。その尻尾は姿形を変え、新たな牡羊座になった。
「わぁ!増えたぁ!?」
「任せろ!お前らは封印の準備しとけ!!」
「わ・・・・わかりました!」
もう一本の杭を増えた牡羊座に撃ち込む。だがそれだけでは先程の二の舞だろう。だから、
「ぶっつけ本番だが、やるっきゃねェ!!」
両手を合わせて魔力を練る。
練り上げた魔力を右手に集め、指を鳴らす。
音と共に飛ばした魔力に反応し、杭に溜め込まれた電気が放出される。その出力、およそ30万キロワット。火力発電機一機分とだいたい同じ位の出力だ。
増えた牡羊座は電撃を食らい、黒焦げになって崩壊した。
「テメェがどういう生き物かはわかんねーけど・・・・これだけのモンを食らえば、流石に死ぬだろうさ」
さて、本体の方はどうなった?
「おー?なんかめっちゃ回っとるんだが???」
封印の儀によって出てきた牡羊座の御霊は、その場で超速回転を始めていた。
「何回ってんのよぉ!!!」
夏凛が剣を投げるが、当然ながら弾かれる。
「ちぃ!」
「ならっ!」
変わって、友奈が飛び出す。
「東郷さーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!」
友奈が殴って回転を止めると、尽かさず遠距離からの弾丸が御霊を撃ち抜いた。東郷の狙撃だ。
これにより、牡羊座は撃退。とりあえずまずは一体だ。
「しかし、こいつの動き・・・・まるで囮みてーな・・・・・・まさか!?」
気付いた時には遅かった。
ゴーン♪
ゴーン♪
ゴーン♪
突如として鳴り響く鐘の音に、友奈達の動きが止まる。
「な・・・・何この音~~!?!?」
「くっ・・・・こんな事で・・・・・」
重低音の衝撃波が友奈達を締め付けているようだ。
俺は特に影響は無い。ちょいとばかり喧しいくらいか。
そして、友奈達が動けない間に、二体のバーテックスが神樹様に向かって侵攻を開始。このままじゃ不味い。つか、東郷は何をしてンだよ。こういう時にこそ狙撃だろーが・・・・仕方ない、俺がなんとかするか。
「どれが原因・・・・・あのバーテックスか!」
音の発生源は頭に鐘を持ったバーテックス。名前は
「チィ!・・・いい加減その音────」
「──────────音はみんなを幸せにするもの」
おん?
「こんな音は・・・・こんな音はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
キレた樹がワイヤーで鐘を縛り上げた。
「ヒューッ!ナイスだ樹ィ!!風さん!!」
「オッケー!!」
ラ
イ
ト
ニ
ン
グ
─雷─
音が止まったその隙に、先行していた二体のバーテックスへ風さんと同時に攻撃を仕掛ける。
大剣の一撃と、雷と風の乱撃が、二体の身体をズタズタに引き裂いた。
「よっしゃ!後は・・・・・・ん?」
封印の儀を行ってもらうだけ、と思ったその時。視界の端で、何かが高速で横切るのを見かけた。
慌てて端末のレーダーを確認すれば、
「不味いな・・・・風さん達はこっち頼む!俺はあのすばしっこいのをどうにかしてくる!!」
「え?あ、ちょっと!?」
風さんに呼び止められたが、双子座が今にもタッチダウンしそうなので無視してそっちへ急行。
その選択を、俺は直ぐに後悔する事になる。
―――――――――――†――――――――――
「待てってンだよゴルァ!!!!!!」
地面から複数の蔦を錬成し、双子座を捕らえる。
退路を塞いでしまえば、案外楽勝だった。
「えっと、ここからだと東郷が一番近いな・・・・」
そんなワケで、東郷に封印してもらう為に連絡。
「東郷!ジェミニ捕まえたから封い────」
『え?何?ちょっと待って!』
電話越しに聞こえる爆発音に、東郷が別動隊に絡まれていた事を知った。
「今加勢に行く。それまで踏ん張れ!」
『平気よ。相手が今潜ったとこ・・・ろ・・・・』
「・・・・・?どうした」
『何・・・・・あれ・・・・・』
東郷の姿が見える距離まで双子座を連れて来たところで、俺も気付いた。
「なんだよ・・・・アレは・・・・・」
滅茶苦茶デカいバーテックスが、そこに居た。
レーダーには『
「・・・・・まさか、合体した?」
さっき風さんと俺がズタズタにした二体と、樹が縛った一体、そして最奥で動かずじっとしていた一体。
それらが一つになってアレになったとしたら────
「・・・・・こういう敵、絶対強い奴だろ」
なんて事を考えている間に、超巨大バーテックスが炎の玉をグミ撃ちしてきた。
あっと言う間に風さん、樹、友奈がやられ、懐に飛び込んだ夏凛も、傷一つ付けられずにやられた。
「オイオイ・・・・圧倒的過ぎだろ・・・・・」
精霊がバリアを張ってくれるおかげで、全員気絶した程度で済んでいるが、俺にはそんな物は無い。かと言ってここで指咥えて見てるだけなのは、勘に障る。
「くっ・・・・!」
「っ!止せ、東郷!!」
俺の制止も聞かず、東郷が狙撃を行うが、やはり無傷。そして直ぐ様反撃が飛んでくる。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!もう!!!!!!こうなりゃ
連れていたジェミニを錬成し、向日葵型の防壁を造りあげると、東郷の前に飛び込んだ。
・・・・サラッとやっちまったが、こいつ、錬成素材にできるんだな(汗)
「輝夜くん!?」
「うらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
超巨大バーテックスの一撃は、向日葵防壁によって防がれた。流石にバーテックスから造っただけあって頑丈だぜ。
だが、それも無意味である事を思い知らされた。
超速連射で放たれる火球の弾幕に向日葵がドンドン削られていく。このままじゃ、東郷共々やられる・・・!
「止めて輝夜くん!貴方だけでも・・・・」
「言ってる暇があったらテメェは逃げてろ!!!」
「でも・・・・!」
「補助しか出来無ェ俺より、連中を封印できるお前が生き延びる方が、優先度高いに決まってンだろ!!判れよ!!!」
「それじゃ、輝夜くんは────」
「うっせ!!!いい加減にとっとと行けよォ!!!」
ゴネる東郷の腕を掴んでぶん投げる。
それと同時に、向日葵が砕け散り─────
「・・・・・・必ず、倒せよ」
閃光と爆音で、聞こえたかどうかはわからないが、最期に一言だけ遺し、俺は吹き飛ばされるのだった………
あーあ、結局活躍できなかった。カッコ悪ィなァ・・・
守るどころか、守ってもらってばかりじゃね?情けない。
しかしもう、意味の無い事だ。
悔しくて仕方ないが、後の事は任せて─────
「『状況把握 システム 起動します』」
────────────は?
「『おはようございます 戦闘行動を 開始します』」
俺の口から、俺じゃない別の誰かの声が聴こえて、それを最後に、俺の意識は、途切れた。