契約者達への鎮魂歌 -Re.birth-   作:渚のグレイズ

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Attack on Vertex -結城友奈は勇者である-

かぐやちゃんと風先輩のおかげで、合体バーテックスに封印の儀を行えた。けど────

 

「なんつーデカさよ・・・しかもアレ、出てる場所が・・・・・・」

「宇宙空間・・・・・」

 

みんな、疲れきっていた。

あれだけの激戦だったから、仕方ないけど・・・・

こんな時、かぐやちゃんならなんて言うかな・・・・

 

「くっ・・・・これじゃ、輝夜と風の頑張りも、全部無駄に・・・・」

「大丈夫!!」

 

私の一言に、みんなが私を見る。

 

「友奈ちゃん・・・?」

「あれだって御霊なんだ!今までと同じようにすれば、きっと大丈夫!!」

 

かぐやちゃん達が、ここまで繋いでくれたんだもん、どんなにでっかくたって、あきらめるもんか・・・・!!

 

「友奈ちゃん、行こう!今の私なら、友奈ちゃんを連れて行ってあげられる!」

 

東郷さん・・・・!

 

「ありがとう東郷さん!それじゃ、行ってきます!」

「必ず殲滅してくるのよ!!」

「お二人とも、気をつけて!!」

 

夏凛ちゃんと樹ちゃんからエールをもらって、東郷さんの戦艦に飛び乗る。

 

「振り落とされないようにね!」

「うんっ!」

 

落ちないように、東郷さんと手を繋ぐ。

 

「前進全速!ヨーソロー!!」

 

みんなの想いを背負って、私たちは宇宙へと出航した。

 

―――――――――――†――――――――――

 

「わぁ・・・・ほんとに宇宙に出ちゃったぁ・・・・」

 

宇宙空間には空気が無いって聞いたけど、普通に息ができる。精霊バリアのおかげかな?

 

「見えてきた・・・・・・っ!?」

 

東郷さんの声に前を見れば、御霊から、沢山の岩みたいなのが降ってきていた。

 

「み・・・御霊が攻撃!?」

「迎撃するわ!地上へは落とさせないっ!!」

 

東郷さんが戦艦を操って御霊からの攻撃を迎撃していく。でも、向こうの方が数が多くて、東郷さんだけじゃ対処しきれない。

 

「東郷さん、私も────」

「駄目!友奈ちゃんはじっとしてて!!」

「でもっ!」

「私はもう、諦めない・・・・だからっ!!」

「東郷さん・・・・」

 

鬼気迫る表情で、東郷さんは撃ち落としていく。それでも、幾つかすり抜けて、地上に落ちていってしまう。

 

「このままじゃ・・・・・・」

 

と、その時レーダーが何かの急接近を知らせてきた。

 

「え?」

「な・・・・何?」

 

近付いてきたそれは、東郷さんが落とせなかった岩を撃ち落とすと、私たちの元まで飛んで来た。

 

それは、犬の頭をしたロボットみたいな人だった。

 

なんか、前に春信さんの工房で見た"ぱわーどすーつ"って言うのに似てるかも・・・

 

「・・・・・・鷲尾須美」

「っ!?どうしてその名前を・・・・?」

 

え?東郷さんの知ってる人?でも今、別のひとの名前言わなかった?

 

「奴の攻撃は私が捌く。お前達は奴を倒す事に専念しろ」

 

それだけいうと、犬頭のロボットさんは再び飛んで行ってしまった。

 

「・・・・・どうしよう?」

「何にしても、今が好機よ!友奈ちゃん跳ばすからしっかり掴まってて!!」

「あ、うん!!」

 

再び降ってきた岩を迎撃しながら、私たちは御霊へと近付く。

東郷さんが撃ち漏らした岩は、全部あの人が落としてくれたみたい。けっこう凄い人なんだ・・・

そうして、二人のおかげで御霊のすぐ近くまでたどり着けた。

 

「やった・・・・!やったよ東郷さん!抜けたよ!!」

 

御霊からの攻撃はもう無い。あとはこのまま────

 

「うぅ・・・・」

「と・・・・東郷さん!?」

 

東郷さんがよろめいたので、慌てて支えてあげる。

 

「平気・・・・でも、私はここまでみたい・・・・」

「大丈夫、あとは任せて」

「うん・・・・・」

「・・・・・・・」

 

東郷さんに、目一杯『大丈夫』の視線を送って、私は行く。

 

「じゃあ見ててね、行ってきます!」

「いってらっしゃい・・・いつも見てるよ」

 

東郷さんに見送られ、私は戦艦から飛び立つ。

 

「──────満開!!!」

 

溜め込んだエネルギーを解放して、私は"満開"する。

背中から生えた二つのでっかいアームを動かして、

 

「私は・・・・勇者になるっ!!!!!!」

 

御霊へと突撃する!

 

 

「勇者ぁぁ・・・パぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁンチ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

私が勇者パンチを当てるよりも先に、後ろから二つ、ビームが飛んで来て、御霊に傷を着けた。

見なくてもわかる。東郷さんと、さっきの人だ。

 

 

「そぉぉぉぉぉぉこだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

二人の開けた道を、私が殴って切り開く!

穴を掘るみたいに御霊の中を殴って進む。

殴って

殴って

殴って─────、

 

 

 

 

 

ガギンッ!!

 

 

 

 

 

「っ!?硬い・・・・・」

 

だいぶ進んだ先で、私の拳は止められてしまった。

同時に、どんどん私の開けた穴が塞がっていく。

このままじゃ、押し潰されちゃう・・・・・

 

「きゃあっ・・・・!?」

 

そんな・・・・・ここまでなの・・・・?

みんな頑張ってきたのに・・・・これで、おしまい・・・・?

 

「あぁ・・・・・・・」

 

ごめんね・・・東郷さん。

ごめんね・・・夏凛ちゃん。

ごめんね・・・樹ちゃん。

ごめんなさい・・・風先輩。

 

ごめんね・・・かぐやちゃん。

 

 

 

 

 

『らしくねェじゃん、諦めるなんてよォ』

 

 

 

 

 

かぐやちゃんの声が、聞こえた気がした。

 

「っ!!!そうだ・・・・私は、諦めない!!!そんな私は、らしくないっ!!!!!!」

 

一回でダメなら十回!十回でダメなら百回!!百回でもダメなら千回!!!御霊が砕けるまで、何度だって殴る!!!!

 

「勇者部五ヶ条ひとーーーつ!!!なるべく・・・・・諦めないっ!!!!!!」

 

硬い御霊にヒビが入っていく音がする。暗くてよく見えないけど、きっと、もう一発!!

 

「さらにぃ・・・・勇者部五ヶ条ひとーーーつ!!!なせば大抵、なんとかなるーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

渾身の勇者パンチをおみまいして、御霊はとうとう崩れ始めた。

やった・・・・!ついに倒した・・・・!!

バーテックスを倒した時に出る光に包まれて、私は落下していく。

ああ・・・・もう、力、入らないや・・・・

このまま落ちていったら、私、どうなっちゃうのかな・・・・

そんな事を考えていたら、誰かに優しく抱き止められた。東郷さんだ。

 

「えへ・・・美味しいとこ、もらっちゃった」

「かっこよかったわ、友奈ちゃん・・・・・」

 

ふと見れば、私たち以外にも誰かが近くに居た。

 

「晴乃・・・くん?」

「おや、覚えていてくれて嬉しいですね」

「私がお願いしたの。『友奈ちゃんを助けたい』って・・・」

「なので、緊急の大気圏突入ポットを造ってみました」

 

よく見ればおっきな朝顔の花の上に、私たちはいたみたい。

これが、突入ポット?

 

「無事に突入できれば、お二人は地上へ帰還可能です」

「・・・・・そっか」

「ごめんね友奈ちゃん・・・・・このくらいしかできなくて・・・・」

「大丈夫だよ・・・・・神樹様が、守ってくださるよ・・・」

 

そうして、私たちは花に包まれた。

 

 

 

 

 

神樹様、どうか私たちを、みんなの元に帰してください。

 

 

 




「さて・・・・・おや?」

閉じた花に向かって、何かが飛来してくる。

「ああ、貴方か・・・これから大気圏突入ですが、如何です?」
「・・・・・・・・ああ」

飛来してきたのは、先程の犬頭のパワードスーツを装着した少年。

「二名での運用しか想定していないので、貴方はこれを盾にでもして、突入に備えてください」
「構わん」
「───────────」
「───────────」
「・・・・・・・()()()()()()()、彼女を守ってますよ。大丈夫。今のところ、()()()()()()()()()()()()()()()()
「家を戻したのが、効を成した・・・か」
()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()
「しかし、奴が直接須美に接触した場合は、その限りでは無い」
「理解してます。だからこそ、貴方は今まで表舞台に出てこなかった・・・・でしょう?」
「─────────」

少年は、晴乃の問いに答えず、大気圏突入の時を待つ。

「では、僕はこれで・・・・良い旅を」

それだけ言って晴乃は消えた。

「ありがとう。晴乃─────いや」


「悪魔序列第六十一位、ザガン」


少年も乗せたポットが、地上へ向かって降下していく。

その後、無事友奈と東郷は仲間達の元へと帰還できた。
しかし、ポットが着陸した時には、少年は何処にも見当たらず、その行方は、誰も知らない。
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