とか言いつつ、話の内容は友奈ちゃんほとんど無関係という詐欺回。
extraだから許して~~!
この日は友奈の誕生日であり、そして───
「友奈!煌月!誕生日、おめでとう!!」
「二人とも、おめでとう!」
俺の家で行われているバースデーパーティー。
風さんと東郷の二人が友奈と俺の誕生日を祝ってくれている。
「ありがとう!東郷さん!風先輩!」
満面の笑みを浮かべて、友奈が二人に礼を言う。
双方共に料理上手な事もあって、テーブルに並べられた料理はどれもとても旨そうだ。
内装も、二人で飾り付けたらしいが、なかなかに綺麗で───
「ほらっ、かぐやちゃんもお礼!」
「─────────────ん、さんきゅ」
「あら~~、もしかして照れてる?」
「照れてますね」
「あははっ♪かぐやちゃん耳真っ赤~~♪」
うるせーやい。
「にしても、煌月って友奈と同じ日が誕生日なのね」
「別に、今日が誕生日ってワケじゃねーですよ?」
「は?」
きょとんとする風さんに、簡潔に説明する。
「今日は、俺がばっちゃに拾われた日───俺が『煌月輝夜』になった日なんスよ」
「拾われたって・・・・・本当の両親は?」
「さあ?そもそも、そんなのが居たかどうかすら、怪しいモンだし・・・・」
「え?どゆこと?」
「・・・・・そういえば、私も知らないなぁ。かぐやちゃんと文野おばあちゃんとの出会いのお話」
「友奈ちゃんも知らないの?」
「まあ、あんまり公に話すような事でも無いしな」
だからと言って、秘密にしておきたい事でもねーけど。
「んー・・・・折角だし、聞いてくか?俺とばっちゃの馴れ初め話」
「良いの?秘密なんじゃ・・・・?」
「別に?そんなつもりはねーですよ?」
「随分とあっさりしてるワね・・・・(汗)」
「んで?聞きたいの?聞きたく無いの?」
俺の質問に対し、風さんは少し悩んで「聞きたい」と答えた。東郷と友奈も同じだ。
「んじゃ、ジュースでも飲みながら聞いてくれや」
冷蔵庫のお手製梅ジュースを三人に振る舞いながら、俺はあの日の事を語り始めた。
―――――――――――†――――――――――
物心付いた時から、俺は何かの培養槽の中に居た。
無数のケーブルに繋がれ、周囲には白衣の大人達。
今思えば、何かの実験台にでもされていたのかも知れないが、今となってはその真偽を確かめる術は無い。
ある日を境に、白衣の大人達がぱたりと来なくなったのだ。
埃をかぶり、朽ちていく機器を眺めながら、俺は、自分の死期が近いことを悟っていた。その時だった。
「こんな場所にベイビーかい?連中も非道な事をするねえ・・・LD計画とやらを発案した奴のフェイスが見てみたいモンだ!」
久しぶりに聞いた人間の声は、今まで聞いたどんな声よりも温かく、優しさに溢れていた。
「おや、しかもまだ息があるじゃあないか!なら、レスキューしないのは白鳥の名に恥じる行いさね!!」
そう言って培養槽から抱き上げてくれた腕のぬくもりを、今も覚えている。
そうして俺は、白鳥文野────ばっちゃに拾われた。
―――――――――――†――――――――――
「んで、その日は満月が綺麗な夜だったから、『"輝く月の夜"で"輝夜"にしよう』ってなって、輝夜の名前をもらったのさ」
「うぅ・・・・ぐすっ・・・・なんて良い話なのぉぉぉ!!!」
風さんは号泣していた。そこまで泣く程だったかぁ・・・・?
「か~ぐやちゃ~ん!」
「え?────どわっふ!?」
突然、友奈にタックルされた。え?なして?どゆこと?
「そーんらくらい話よりぃ・・・・・・よいひょっと」
「なんだよ突ぜ────ちょっとぉ!?なんで上脱いでんのォ!?!?」
「んへへ~~♪かぐやちゃんかぐやちゃん!私の腹筋どお~お?」
「良い腹筋なのは知ってるからはよ服を着ろ!」
「さわって確かめるのぉ~~~!!」
「何を言う!?東郷!!友奈を止め─────」
「────────────」
「東郷?なんで目ぇ据わって・・・・?」
「────────────輝夜くん」
「アッハイ」
「正座」
「え?なして?」
「せ・い・ざ」
「アッハイ」
物を言わせぬ圧力に、さしもの俺も従うより他に無かった。
なんなんだ、この状況・・・・東郷に説教されつつ、友奈に引っ付かれて、風さんは向こうでおいおい泣きながら梅ジュースのボトルを抱えてて─────
「ただいま帰りました」
「マッキー!!丁度良かった!助けてくれぇ~~~~」
そこに
「どうかしましたか坊っちゃ───酒臭!?まさかとは思いますが、私の梅酒飲みました?」
「・・・・・・・・あ」
「何やってんですか。この前言ったでしょう。『梅酒用のボトル、一つ壊してしまったから、ジュース用のボトルを借りますよ』って!」
「ンなモン覚えてねーよぉ・・・・」
「全くもう・・・!過ぎたるは及ばざるが如し。とりあえず今はこの酔っぱらい達をなんとかしましょう。ところで坊っちゃんは平気ですか?」
「応よ。酒には強い体質だって、マッキーも知ってるだろ?」
「───────そうでしたね。さて、いい加減になんとかしましょうか!」
とりあえずその日は、マッキーのおかげでなんとかなった。
翌日、俺以外の勇者部員は全員二日酔いで、活動処ではなかったのは、完全に余談である。
そういえば、あのときばっちゃは四人の部下を率いて、あの施設を探索していたそうな。
その時の部隊名は確か─────"ワザリングハイツ"だったっけ