気が付くと、辺りは見知らぬ場所だった。
『成る程、これが樹海と言う物か』
大地を這うように覆う神樹の根。
建造物の類いは一切存在せず、遠くには神樹がうっすらと見える。
『防衛目標を確認・・・・で、おれ達の戦闘フィールドは・・・・・』
「あれ~?かずくんだ~~!!!」
その時、後ろから園子の声がして────
「わ~~、ぶっ!?」
飛び付いてきた園子が
「え?カズマ?なんか透けてね?」
「それよりも、どうやってこの場所に?ここは神樹様に選ばれた勇者しか入れないはずでは・・・?」
「わたしの心配もしてよ~~」
あーはいはい、と苦笑する銀に起こされた園子がおれの体に触れようとする。
が、やはりその手は体をすり抜けてしまう。
「どうなってるの~?」
『今のおれは精神だけの状態だ。肉体が無いから何人も触れられないし、おれも触れる事が出来ない』
「へー?」
神樹をハッキングする事で、おれはあらゆる知識を得ると同時に、樹海への干渉方法を確立させた。
それこそが、『肉体から精神を切り離す』事。
そうして魂だけとなった状態をおれは、"精霊体"と呼んでいる。
「えっと、それでは上里くんは、私達の補佐役として、この樹海に?」
『否、
「それはどういう────」
鷲尾の質問を無視し、おれは足元の根に手を入れる。
沼に手を入れるような感触がするが、気にせずまさぐると、指先に硬い物が触れた。それを掴んで引き上げる。
『あった。これだ』
「・・・端末?」
「何に使うの~?」
三人が怪訝そうに此方を伺う中、おれは引き上げた端末の画面を確認する。
表示されているのは、枯れた華のマーク。
躊躇う事無くそのマークをタップすると、画面中に"ERROR"の表示が現れ、樹海の根から蔦が伸び、おれの身体を縛りつけた!
「かずくん!?」
『慌てるな。こういう
騒ぐ三人をなだめ、蔦に触れる。すると、蔦がベルトのような物へと変化した。バックルに該当する部分には、四つのレバースイッチと、スロット穴が一つある、変わったベルトだ。
「うおー!なんか変身アイテムみたいなの出たー!!」
「わくわく♪わくわく♪」
銀と園子が、何かを期待する眼差しでおれを見ている。やれやれ・・・仕方ないな。
ベルトを腰に装着し、レバースイッチを左から順に入れていく。
『─────変身』
未だにERROR表示が消えない端末を、スロットに差し込む。
瞬間、ERROR表示が消え、『complete』という音声が流れた。
そして、ベルトから液体のような物が溢れ、おれの身体を包み込み───
「ふんっ」
液体を振り払った後には、おれの身体は強化スーツに包まれていた。
「「おぉーー!!!」」
特殊ラバー素材のタイツの上に、アーマーを付けただけのスーツだが、どうやら二人には好評価のようだ。
「────ふむ、動作は正常だな。後は・・・」
バックルに装填した端末の画面を操作し、武装を呼び出す。すると、根からコンテナがめきめきと生えて来た。
コンテナに入ると、壁面から伸びるアームが、武装をスーツに装着させていく。
完全に装着が完了すると、コンテナは枯れ、消失した。
「うおー!!なんかロボットみたい!!!」
「きゃ~~♪かずくんカッコい~~!!!」
今回選択した武装は、『ギガント・ローダー』
背中のランドセルから伸びた二本の巨大なアームハンドが主武装で、内部には様々な武器を備えている。
「──────よし。此方の動作も正常だな」
さて、それでは行くか。
ランドセルのバーニアを吹かして、跳躍しながら戦闘フィールドへと向かう。
「あ、ちょっと!?」
鷲尾の声が聞こえて来たが、無視して進む。
「・・・・・漸くだ、バーテックス。おれは、お前達になど、負けはしない」
DX変身ベルト的なこのベルトのイメージ元は、555とフォーゼのベルト。
武装の方は、SEEDアストレイのパワーローダーがイメージ元。
コンテナに入って換装するシーンはSEEDやらゾイド/0なんかのイメージ。