親睦会から翌日。再びバーテックスが侵攻してきた。
今回おれは、前回の反省を生かし、後方支援用武装『バスターアームズ』を装着した────のだが、
「完っ全に、選択ミスだな・・・・・」
今回の敵は『
名は体を表すと言うが、その名の通りの姿形をしたバーテックスで、自転する事で生み出す突風と、回転エネルギーを乗せた分銅による一撃を特技としている。
現在おれは『バスターアームズ』のアンカーで身体を固定しており、そこに園子達が突風に飛ばされないように掴まっている。
「くっそー・・・・これじゃあ近付けない・・・・」
「台風みたいだから~、まんなかは風が吹いてないと思うけど~~・・・・!」
それはおれも考えた。が、銀を彼処へ投げるなり跳ばすなりするにしても、この突風では・・・・
「ッ!!園子!」
「かずくんはふんばってて~!!」
その時、バーテックスの分銅がおれたちを襲った。園子に盾を展開してもらいどうにか防ぐものの、このままでは奴に良いようにされっぱなしだ。
「こうなったら・・・」
「あ?鷲尾?」
さっきから沈黙したままだった鷲尾の声が聞こえたと思ったら、風に飛ばされていた。アイツ、何をしてんだ・・・・まさか!?
鷲尾は飛ばされつつも、どうにか姿勢を制御して矢をつがえる。いや、それ無理。届かないから。
「鷲尾ぉ!!この風で矢は跳ばない!!無駄なことは止せ!!!」
「・・・・・・・・」
聞こえていないのか、聞こえていて無視しているのか、鷲尾はつがえた矢をバーテックスに向かって放った。
が、案の定、放たれた矢は風に飛ばされ、奴に届くことはなかった。
「そんな・・・・・きゃああ!?!?」
その鷲尾も風に吹き飛ばされ、遠くの方へと飛んでいってしまった。何をやっているんだ、まったく・・・・!
「仕方ない・・・・・最後の手段だ」
「なんか手があるのか?カズマ」
「銀と園子はおれを支えろ!」
ベルトから端末を外し、変身ボタンをタップしてスロットに挿入。
『Finish Blow』
音声が鳴ると、腰の"リニアライフル"が展開。続いてバックパックから細いアームが伸び、おれの頭に対閃光防御用ゴーグル付きのヘルメットを被せる。
『"バスタークエーサー"モード ニ 移行』
"バスタークエーサー"
リニアライフル間に霊力による力場を張り、そこへ一定方向に向け電流を流すと、歪みが生じ、所謂"湾曲空間"が生まれる。この湾曲空間を重力レンズに見立て、莫大な量の霊力を照射する最終兵器がコレだ。
「かずくん!」
「踏ん張ってろ!撃つぞ!!」
迫り来る分銅に向け、"バスタークエーサー"を照射。
尋常ならざる霊力の奔流が、分銅ごと、バーテックスの半分を消し飛ばした!
半壊したバーテックスは、バランスを保てなくなり回転を止めた。
「今!突っ込め!!!」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
おれの号令に、園子と銀が突撃。半壊したバーテックスを砕いていく。
バーテックスがほぼ全壊となった時点で"鎮花の儀"が発動。
今回のお役目も、どうにか終わらせることができた。
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さて、樹海化が解け、園子達を迎えに行く時間が来た。の、だが………
「───────っ!?」
息が・・・・できない・・・・!?
落ち着け。うっすらとだが呼吸は可能だ。酸欠になるような程じゃない。大丈夫・・・大丈夫・・・
「上里くん?どうかしましたか?」
「っ」
安芸先生がいぶかしんでいる。早く、先生の下に行かなくては………
急いで立とうとした所為か、足が縺れて倒れてしまった。
「上里くん!?」
不味い不味い不味い・・・!早く立たねば・・・・!
しかし、身体が動かない。もしかしたらパニック障害に近い状態になっているのか?
落ち着け。大丈夫だ。
教室がざわついているが、その喧騒も遠退いていく。
あれ?これは、意識が、もう・・・ろう・・・・
誰かに抱き上げられたような感触を最後に、おれの意識は完全に落ちた。
─バスターアームズ─
後方支援用武装。
腰の"リニアライフル"の他、バックパックには複数の火器が内蔵されている。
必殺技の"バスタークエーサー"を放つ関係上、唯一、アンカーを装備している。