契約者達への鎮魂歌 -Re.birth-   作:渚のグレイズ

59 / 85
なかよくおやすみ

「合宿も今日で最後なんだし、かずくんも一緒に寝よ~~よ」

「断る」

「それじゃ、れっつご~♪」

「断ると言っているだろうがぁぁぁぁぁ・・・・!!」ズルズルズル

 

 

 

 

 

なんて事があって、現在おれは女子部屋に居る。園子曰く、安芸先生の了承は得ているとのこと。いやなんでさ。

 

「へいかずくん!うぇるか~~~む♪」

「お前が引っ張って来たのだろうに」

「まあいいじゃん。合宿最後の夜なんだし」

「良い訳あるか」

「婚約もしてないのに殿方と────」

「鷲尾は何を言っている?」

 

三者三様の反応に辟易する。

それにしても意外なのは銀の反応だ。彼女はアレでいて乙女だ。鷲尾ほどでは無いにしても、何かしら文句の一つでもあると思ったのだが────まぁ良いか。

 

「はぁ・・・・・仕方ないか。おれは寝る」

「待てって、直ぐに寝るなよ」

 

そう言って、銀はにやけ面を隠そうともせずにこちらを見てくる。

 

「───────なんだ?」

「合宿最期の夜なんだぜ?簡単に寝られると思うなよー?」

「愛用の枕があるから寝られるよ~」

 

そういう意味ではない。

しかし、この流れは不味い。相当面倒な事になる。

 

「駄目よ!夜更かしなんて!」

 

ああ、良かった・・・・鷲尾が真面目で・・・・

 

「早く寝ない子には・・・・夜中迎えに来るわよ・・・・」

「む・・・・迎えにぃ~~!?!?」

 

なんだろう。園子と鷲尾の想像している物に差が感じられる・・・・

 

「そんな怖いのじゃなくてさ!恋バナしようよ!」

 

ほら来た。この中で唯一普通の女子らしい女子と言えば銀位だし、彼女がその話題を言い出すのは察しが付いていた。

 

「みんなで一人ずつ好きな人の名前を言い合いっこしよう!」

「というならばお前、誰か好きな奴、いるのかよ?」

「うぐ・・・・・えと・・・・・」チラリ

 

ん?

 

「あえて言えば・・・・・弟、とか?」

「家族はズルよ」

「そ・・・・そういう須美はいるのかよー!?」

「う・・・・わ・・・・私も・・・・いない・・・けど・・・・」

 

なんだ?今一瞬、銀が此方を見たような・・・・?

 

「わたしはいるよ~♪」

「「え!?!?」」

 

園子の発言に、二人が驚愕の声を上げる。

 

「え・・・誰!?クラスの人!?」

「ついに恋バナ来たんじゃない!?」

「あのね~、ミノさんと、わっしー!」

「「───────えぇ?」」

 

だろうと思った。

 

「ちなみにおれもいない。さて、おれはもう寝るぞ」

「あっちょっ・・・」

「zzzz………zzzz………」

「寝付くの早っ!?」

 

───────view,change:銀────────

 

すやすやと寝息をたてて眠るカズマの寝顔が、すぐ近くにある。

まったく、眼鏡掛けたまま寝ちまいやがって・・・・

そっと手を伸ばして眼鏡を顔から外してやる。

 

「んぅ・・・・」

「っ!?」

 

一瞬、カズマが起きたのかと思い、思わず身構えてしまう。が、カズマは寝返りをうっただけで起きてくる様子は無かった。

 

「ふぅ・・・・ビビらせやがって・・・・」

「ねぇねぇミノさん」

「んー?どした園子」

 

園子がニコニコ笑顔で告げる。

 

 

 

 

 

「私、ミノさんには負けないよ~~」

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・え?」

「それじゃ、おやすみ~・・・・zzzz……zzzz……」

 

困惑するアタシを余所に、園子はさっさと寝てしまった。

 

「負けないって・・・・・何のことだよ・・・・」

「乃木さんも寝てしまったし、私達も寝ましょう?」

「・・・・そーだな」

 

釈然としないまま、アタシは眠る。

自分の気持ちにも、園子の気持ちにも、気付かないままで・・・・・

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。