契約者達への鎮魂歌 -Re.birth-   作:渚のグレイズ

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ひみつをさぐる

合宿前からも思っていたけれど、三ノ輪さんの遅刻癖をどうにかしたいと思っている。

今日だって遅刻して先生に怒られていた。しかも上里くんまで・・・・・

 

「・・・・・・真面目な人だと思っていたのに」

「わっし~?何か言った~?」

「乃木さんはちゃんと起きて。もう朝の学活の時間よ」

 

まったく・・・・・乃木さんはこんなだし、やっぱり私がしっかりしなくちゃいけないわね!

 

―――――――――――†――――――――――

 

「という訳で、三ノ輪さんの身辺調査を行うわ!」

「すぴ~~・・・・」かくん

「乃木さんも乗り気ね!!さあ、行くわよ!!!」

 

乃木さんの手を引いて、私は三ノ輪さんの家へと向かう。

その途中、

 

「・・・・・あら?上里くん?」

「ふぇ?・・・・・・・・あー♪かずk(モゴモゴ」

「待って、乃木さん。一度隠れて!」

 

上里くんを見つけた乃木さんが、声をかけようとしたので止めて近くの路地へと隠れた。

 

「ぷはぁ!わっしーどうしたの~?」

「上里くん、今日は用事があるって言ってたのに・・・・どうしてこんな所に・・・・?」

「聞いてる~?」

「気になるわね・・・・・そういえば、この前も三ノ輪さんと一緒に遅刻してたわね・・・・・どう思う乃木さ─────いない!?」

 

辺りを見回すと、乃木さんは路肩の蟻の行列に話しかけていた。

 

「ありさんだ~~♪ヘイヘイ元気~?園子だよ~~」

「乃木さん!こんなところで油を売ってないで、上里くんを追いかけましょ!」

「あ~~~~れ~~~~~~」

 

乃木さんを引き摺りながら、上里くんの後を追うと、そこは三ノ輪さんの家だった。

 

「───────上里くんの用事って、ここ?」

「わっしーわっしー!どうする?ピンポンダッシュする?」

「何て恐ろしい事を!?慌てないで、こんな時の為にある物を用意したんだから」

 

背負った鞄から潜望鏡を取り出して生け垣の上から屋内を覗く。

 

「おぉ~♪なんかスパイみたーい♪」

 

─────居た。縁側で赤ちゃんと遊んでいるみたい。

 

「・・・・・・こら、眼鏡を引っ張るんじゃないと言っているだろう」

「だーぅ」

「止めろと言っているのが分からんのか」

「きゃっ♪きゃっ♪」

「────────全く、仕方ない。ほら」がさごそ

「う?」

「お前専用の眼鏡。名付けて『叡智の結晶』だ!」

「うぁーーい!!きゃっ♪きゃっ♪」

「・・・・・なーんかマイブラザが喜んでると思ったら、カズマお前、可愛いアタシの弟に何渡してんだよ」

「なんだ?銀も欲しいなら今度造ってやるが?」

「いるかぁ!そんなもん!!」

「えー?ねーちゃんいらないのー?」

「鉄男!?友達ん家に遊びに行ったんじゃ・・・・」

「これから行くのー。で、ねーちゃんいらないの?いっつもにーちゃんの話してるくせ「にょわわわわわわわわわわわ!?!?!?!?そろそろ行かないとヤバいんじゃねーの!?ほらさっさと行け!!!」痛ってー!!!蹴んなくたっていーじゃんかよー!!!」

「うっせー!さっさと行ってこいっての!!!」

「・・・・・なんなんだ?」

「だぅあ」

 

・・・・・・・・なんというか、混沌としているわね。

 

「良いなぁ~~。私も『叡智の結晶』欲し~~い」

「えぇ・・・・・?」

 

ただの眼鏡が欲しいなんて、乃木さんは本当に変わった娘ね・・・・

 

―――――――――――†――――――――――

 

その後、買い出しに出掛けた二人を尾行すると、二人は行く先々でトラブルに遭遇していた。

公園を通りかかれば、蹴球を木の上に引っ掻けた子供たちに出会し………

横断歩道では、立ち往生しているお婆さんがいて………

駐輪場に立ち寄れば、突風により自転車が薙ぎ倒され………

買い出し先のイネスでは、お姉さんがリンゴを落としていた。

他にも迷子や喧嘩している子、等々………

 

「ミノさんとかずくん、息ぴったりのコンビネーションだったんよ~♪」

「というより、上里くんの出した作戦に基づいて、三ノ輪さんが行動する感じだったわね」

「っ~~~~~~///か・・・・かーずーまぁぁ・・・・///」

「良いだろ別に。全て本当の事なのだから、それほど照れる要素は無い」

 

とか言いつつも、上里くんもちょっと耳が赤くなっている。

 

二人がリンゴ拾いを始めた時点で、見ていられなくなった私達は、そのまま二人と合流し少し遅めの昼食を摂っている。

 

「でもこれで、三ノ輪さんが何故遅刻するのか。その理由が判ったわ」

「ミノさんいつもああなの~?」

 

調査結果としては、三ノ輪さんは重度のトラブル巻き込まれ体質、ということだった。

行く先々でトラブルに遭遇しては、それに対処していたが故の遅刻。

ここで『無視する』という選択をしない辺り、三ノ輪さんは勇者なのだと感じさせる。

 

「うん。そうだよ。いつもいつも、行く先々でトラブルに遭遇してさ・・・・宝くじだって当たったこと無いもん」

「くじ運とお前のソレは別問題なんだが・・・」

 

と、その時だった。

 

「っ!?────来た」

「かずくん?」

 

不意に、上里くんが耳元に手を当てたと思いきや、彼の動きが止まった。いったい何が・・・・?

 

 

 

 

 

鳴り響く鈴の音

 

 

 

 

 

光が全てを飲み込み

 

 

 

 

 

日常が、非日常へと切り替わる。

 

 

 

 

 

「ほらな?アタシって運が無いだろ?」

「ミノさんはアンラッキーガールなんよ~・・・・」

「なんて言ってないで、お役目よ!」

 

大丈夫。合宿でも、あれだけ特訓したんだもの・・・!

私が三人をまとめてみせる!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな私の決意を余所に、遠き過去からの遺物が、私達へと悪意の牙を向けていた。

 

それに気付いた時には、既に──────

 

 

 




思ったけど、銀と一正のトラブルバスティング、スザルルのあれと一緒じゃん(笑)
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