七月に入れば、プール開きが行われる。
おれ達はその前にプールを貸し切り、遊ばせてもらっている。
の、だが………
「ヒャッハァーーーー!!プールだ!水着だ!ラッキースケベだァーーーー!!!」
「・・・・・・・・・・へんたいが生き生きしてる」
「縛り付けて置いた方が良いな・・・・アレは危険だ」
おれの一言に頷いた一同は、
これで安全。
「よっしゃ、遊ぼう!」
「んむー!!んむむむーー!!」
・・・・・・いつの間に猿轡つけた?え?須美が?
・・・・・・・・そうか。
―――――――――――†――――――――――
「んで・・・・・なんでプール?」
「んも~、ミノさん忘れたの~?今日はかずくんの泳ぎの特訓なんよ~」
そう、今回プールに来たのは他でも無い。おれが泳げるようになる為の訓練を行う為だ。
「上里、泳げないの・・・?」
「ん・・・・・まあ、な・・・・」
水泳だけでなく、おれは運動全般が苦手だ。
しかしだからと言って、苦手を苦手のままにしておく訳にもいかない。
そんなこんなで園子達に協力を仰いだという訳だ。
まさか山伏と枢木も着いて来るとは思わなかったが………
「それで、一正くんはどのくらい泳げるの?」
「少なくとも、水中で目を開けられる程度だな」
「それって、泳ぐ以前の問題じゃね?」
「・・・・・・・・・・・そうだな」
「─────前途多難」
ぐぬぬ・・・・
「えーい!勇者は根性!!何事もチャレンジしてこそでしょ!」
「そうだな。おれは勇者じゃないから、そこに努力も追加させてもらうとしよう」
そうして水泳訓練は始まった。
―――――――――――†――――――――――
しばらく訓練を続け、段々泳ぐ事にも馴れてきた。
「後はもう少し速く泳げるようになれれば・・・・」
「カズマは何を目指しているのさ」
「上里の名を預かっている以上、醜態は晒せないだろう」
「ふーん・・・・・そんなもんかね」
「そんなもんさ。理解して欲しくは無いけど」
できる事なら、銀にはこの重圧を背負って欲しく無い。
そんな風に思えるようになったのも、きっと、彼女たちに会えたおかげなんだろうな・・・・
「そういう責任感の強い処は一正くんの美点だけど、もう少し肩の力を抜いたら?私が言うのも変かもしれないけど」
「そうだよ~、わっしーの言うとおり。かずくんは真面目さん過ぎるんよ~」
「そういうお前は不真面目過ぎるがな」
「えへへ~♪」
「褒めてねーよ」
全く・・・・・
「・・・・・上里、楽しそう」
山伏が温かい眼差しでおれを見ている。そういうのやめろ。
とりあえずおれはプールサイドに上がり、休憩を取ることにした。その間、須美と銀が競泳を始め、浮き輪でのんびりと浮かぶ園子がどちらも応援したりしていた。
───────と、その時だった。
「ヒャッハァァーーーー!!!隙アリィィィーーーーー!!!!!!」
「わひゃあぁ~~!?!?」
いつの間にか脱出していた枢木が園子の背後から出没。そのまま園子に絡み付く。
「ぐへへ、のっこはええカラダしとりますの~」
「あっ、やめ・・・ひゃうん!?」
「ほれほれ~、ここがええのんかー?んー?」
「あはははははは!!やめっ・・・・かずくっ・・・・助けっ・・・・あはははははは!!!」
やべーな、触り片が変態の其だ・・・・・早くなんとかしなければ・・・・・・だが・・・・・
「あっ・・・・・ぅん・・・・・ひゃうぅ・・・・・」
頬を紅潮させて、艶かしい声を上げる園子。暴れる所為か若干水着がズレてきている。それが更に艶やかさに拍車をかける。
ヤバい。
色々な意味でヤバい。
「・・・・・・・・・・・・・てい」
「あばぁ!?」
そうこうしている内に、山伏が枢木の頭を叩き、園子から引き剥がした。
「はぁ・・・・・はぁ・・・・・た・・・・助かったんよ・・・・・」
浮き輪の上で息を荒げる園子。
───────────────────うむ。
「ぬわぁ~~~にが・・・・『うむ』だ、この変態ィ!!!」
「────────待て、不可抗力だ」
「一正くん・・・・・見損ないました・・・・!!罰として貴方を簀巻き罪に処します!!」
「解せねえ・・・・」
この後、須美と銀によって簀巻きにされたおれと、亀甲縛りにされた枢木は、顔面に『スケベ罪』と書かれた張り紙を貼られて、プールサイドに放置されるのであった。