沢 山 苦 し ん で ね ♪ (鬼畜スマイル)
楽しかった遠足も終わり、おれたちは帰路に着く。
アスカと山伏とは自宅が別方向なので、ここには園子たち三人とおれしか居ない。
夕焼けに照らされる帰り道、遠足の楽しかった思い出を語り合うおれたち。
しかし、そんな平穏は、音を立てずに崩れ去る。
「・・・・?」
最初に気付いたのは銀だった。
少し遅れてアラートが鳴り、おれも気付く。
「────お役目の時間か」
遠足中に来なくて良かったと取るべきか、否か・・・・
「帰るまでが遠足だ。とっとと片付けるとしよう」
―――――――――――†――――――――――
改良した『ギガント・ローダー』こと、『マキシマムローダー』を装備し合流したおれが目撃したのは、壁の向こうからやって来る
確か、
奴らは知恵を持っている。そして、おれたちとの闘いを経て学習しているのだ。今まで一体ずつで追い返されてきたのだから、二体同時に出撃させればどちらかが神樹にたどり着けるだろう・・・・なんて策を思い付くのも当然だ。
だから冷静に、二手に別れてバーテックスに対処していた。
蠍の針に毒が仕込まれている事も、蟹の装甲が硬い事も、神樹から得た情報で知っていたおれは、それにも対応できるように作戦を練り、バーテックスを着実に追い詰めていっていた。
だが、それを嘲笑うかの如く、空から絶望が降り注いだ。
園子が傘を広げ、その中に全員で入りやり過ごす。降ってきたのは針の雨だった。
そして、おれたちは無防備にも針の雨の中で立ち止まっていた。
その瞬間を待っていたと言わんばかりに、蠍が尾を振り払い攻撃してきたのだった。
再生力に物を言わせた捨て身の一撃は、咄嗟に作り出した壁代わりのコンテナを破壊して、おれたちを凪ぎ払った。
おれと銀は、それぞれの武器でガードした為に致命傷は避けられた。
が、問題は傘を広げていた園子と、後衛故に盾を持たない須美だった。
尾の一振りに吹き飛ばされる二人を、おれは只、呆然と見ているしか出来ずにいた。
「──────そ、の」
「カズマぁ!!!!!!」
「ッ!?」
銀の叫び声で正気に戻ったおれは、背後から迫り来る矢弾を間一髪で弾き、それにより、奇襲を掛けてきた相手が
「銀っ!!
「りょーかい!!」
『マキシマムローダー』に新たに増設した肩のビーム砲を乱射し、バーテックス共を撹乱しつつ、園子を回収。
「園子・・・・」
園子に声をかける。が、返事が無い。呼吸は小さいが脈はある。大丈夫、ちゃんと生きてる。
「・・・・・・畜生」
なんで、こんな事に・・・・
―――――――――――†――――――――――
「────ふぅ・・・・で、どうする?」
「───────────────────ぇ」
安全地帯の崖にどうにか逃げ込めたおれたちは、須美と園子に応急措置を施した。しばらく安静にすれば、歩くくらいはできるだろう。しかし、それだけでは駄目だ。
「アタシとカズマであの三バカ、どうにかしなくちゃだろ?なんか一発逆転の作戦ないの?」
「────────────────────」
しばらく思案して、「ある」と頷く。
「あるの!?さっすがー♪で?アタシはどうすれば良い?」
「・・・・・・・・・ああ。うん、そうだな・・・銀は──────」
とん、と銀を押し出して、崖から突き落とす。
「え?・・・・・・なっ!?とぁ!!」
「─────流石に素直に落ちてはくれないか」
ギリギリで崖に掴まって、銀は落ちずに残ってしまった。
「ちょ・・・・・ちょっとカズマ!?ふざけるなよ!危ないだろ!!」
「下は海だ。今のお前なら平気だろ」
「冗談キツイっての!!!いいから早く持ち上げて────」
「悪い。これしか、今のおれに思い付ける作戦が無いんだ・・・・・・」
銀の手を蹴飛ばし、ようやく銀は海へと落下していってくれた。
「カズマぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ────────」
「──────こうしなければ、お前を護れない。だから、ごめん」
自らの非力さを呪いつつ、おれはバーテックス共の下へと向かって行った。
───────view,change:銀────────
「ぷはぁ!・・・・・くっそー、カズマのバカ野郎・・・・・・」
カズマに突き落とされたアタシは、どうにか岸にたどり着き、上陸を果たした。
「うぅ・・・・びっちょびちょじゃん。これ、元の服に戻ったら乾いてるかな・・・・・」
と、そんな事気にしてる場合じゃない!急がないと・・・・・
「カズマ、無事でいろよ!」
全速力でバーテックスを追いかける。どうやらいろいろやってる間にだいぶ進んでしまっていたようだ。
「──────見えた!」
戦闘の光。なんとか間に合ったみたい。
「カズマ!」
だが、アタシの目に飛び込んで来たのは──────
背中から、杭で貫かれる、カズマの姿だった。