そしてカズマの物語は、ここで一度終わりです!!!!
最近は全然書けなかったけど、どうにか書けて一安心。どうぞ、御堪能あれ。
目の前で、須美が化け物へと変化してしまった。
なんなんだ・・・・いったいここで何が行われていたと言うのだ!?!?
「ムシュマッヘに酷似してる気がするけれど、蛇じゃなくて蔦だし・・・・なんだろ?」
「そんな事はどうでも良いから!!とにかく今は一度下がるぞ」
怒涛の展開についていけずにいたおれは、銀の一声に正気に戻る。
「そ・・・・そうだな。とりあえず、園子を頼む。それと────」
「いいよ。そいつについて行けばいいんだろ?」
先程まで須美だった怪物を尻目に、おれたちは一旦撤退した。
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「それで・・・・いったい須美はどうしてあんな風になってしまったんだ?」
安全な場所まで退避したおれ達は、まず、銀に事の次第を問いただす。
「詳しくは・・・アタシにもわからない。一つだけ確かなのは、須美は
「───────────なん、だと?」
悪魔と・・・契約した?何故?何時?何処で?
様々な疑問が浮かぶが、それを銀にぶつける様な真似はしない。そんな事をしても無意味だと理解しているからだ。
それをすべき相手は──────
「──────キューロノイド達が、自分達の一部を使って『強制契約』したんだよ」
「強制・・・契約・・・・無理矢理に、悪魔と契約させたのか・・・・!?」
連中と対抗しており、自身も悪魔である三日月がおれの視線に答え、語る。
「うん。そうやって、
人類を・・・・進化・・・・?
「壁外の大地で暮らせるようになるには、悪魔と契約した方が良いからね」
「待て。どういう、事だ・・・・?」
壁外の世界がどの様な状態になっているのかは知っている。
しかし、それと悪魔との契約がどう関係してくるという・・・?
「契約すれば、最悪、人の形を棄てる事になるけど、それでも、
「─────────それが、人類の進化、だと?」
「連中はそう信じて行動してる」
「ふざけている・・・・!」
「連中は真面目なんだって」
「余計にふざけているっ!!!そんな事をして・・・いったい何になると言う!」
「さぁ?そこまでは知らないし、興味もない」
「貴様は・・・・!!!」
「よせよカズマ」
銀に静止させられるが、おれの怒りは収まらない。なんなんだコイツは・・・!
「まあ、でも、連中はプログラムされた命令に従って動いている訳だし、誰かがそれを命じたってことじゃない?人類の進化を、さ」
誰かが・・・・命じた・・・?
「誰かって・・・・誰だよ?」
「知らない。興味も無い」
「なんじゃそりゃ」
銀と三日月のやり取りを他所に、おれは一人思案する。
キューロノイドに命じた人間。それはつまり連中を創造した者────即ち、神樹様によって名を、大赦によって存在を、記録から抹消された者─────"
奴はいったい、何を考えてそんな命令を遺したのだろうか・・・・・
「──────────────」
「カズマ?おーい、カーズマー」
「────────────ん?あぁ、すまん。考え事をしていた」
「大丈夫か?」
「おれは平気だ。寧ろお前の怪我の方が問題だろう」
「アタシはへーきだよ。焼いたから血も出てないし・・・・右側が見え辛いのは、ちょっとめんどくさいけど」
どう見ても無理をしている。だが、今は手数が足りない。
「──────おい、悪魔。須美を救出することは可能か?」
「できるよ。っていうか、たぶんオレにしかできない」
「どうすれば良い」
「じゃ、オレと契約してよ。話はそれから」
「わかった」
「ちょ・・・!?カズマお前!!」
「それしか方法が無いのであれば、躊躇う必要は無いだろう?どのみち、おれの身体はコイツに生かされている状態なんだ。他に道は、無い」
「・・・・・・・・・・・カズマ」
哀しげな表情でおれを見る。
「・・・そう悲しむな。二度と会えないはずだったのに、こうしてまた会えた。それだけでおれには、充分だ。だから─────」
三日月を見やる。
「ああ。やろう。契約だ」
おれの視線に答え、三日月が手を伸ばす。おれはその手を取る。
「上里一正だ。お前は?」
「知ってる。呼ぶなら“三日月”で」
「そうか。どうすれば良い?」
「契約は結んだ。オレの真名は知ったね?」
「真名・・・?っ!?」
瞬間、一つの名前が頭の中に浮かび上がる。これのことか?
「口に出しちゃダメだ。それは最期の手段だから」
「──────了解。それで、須美を救出する算段は?」
「特典を使って契約を書き換える。それであいつの命は助けられる」
「特典?」
「悪魔と契約した時、契約者には契約した悪魔の能力が使えるようになる。それが契約特典」
「了解した。作戦を開始する」
「待ってくれ!アタシも行く!」
「・・・・分かった、援護を頼む」
「おう!」
―――――――――――†――――――――――
そうして、おれ達は須美をなんとか救出した。
契約したことをなかった事には出来なかったが、契約内容を書き換えた事で須美の特典能力は安定。数年分の記憶と引き換えに、彼女を人の形のままにすることができたのだ。
だが、それもいつまでも保てる訳ではない。
契約者の精神状態によって、特典能力は暴走する。その上、三人に植え付けられたキューロノイドの一部、通称“擬似真鍮核”は、そもそもが不安定な代物。故にこそ、須美の特典能力が暴走し怪物へと変化したのだ*1。今は平気だが、いずれ再び暴走する時がくるだろう。
そして、奴らはまだ須美達の事を諦めていない。
次点で魔転化生となる確率の高い園子は、現在大赦に匿われている。本来なら須美もそうするべきなのだが、精神安定の為には元の親元に還す方が得策だった。
彼女達には、辛い思いをさせているとは思う。
だが、真に三人を救うには、おれだけでは無理だ。
「──────今度こそ、救ってみせる」
準備は整った。決着を着けよう。
これにて第二章“わすゆ編”はおしまいです。
次回第三章“ゆゆゆ後編”にてお会いしましょう。
それでは、またね♪