お年玉、貰えっこないけれど♪
夏休みが恋しいなぁ・・・・(切実)
「夏休みになりました。
バーテックスをぜぇーんぶ倒したお祝いにと、大赦が夏合宿をプレゼントしてくれました!やったー♪
というわけで、私たちは海にいまーす♪」
「誰に話してるの?友奈ちゃん」
「
メタ発言を交えつつ、俺達三人は砂浜を歩く。
東郷は水陸両用の特別な車椅子に乗っており、友奈がそれを押している。ちなみに俺は春さんに拵えて貰った水陸両用の特殊な義足を着けている。
しかし・・・・お役目終了のお祝い、ねぇ・・・・
そんな理由でこういうモンを用意されると、逆に疑いたくなるんだよなぁ・・・・
なんて考えていたら突然、友奈が東郷と共に走り出す。慌ててそれを追いかけていく。今は変に邪推なんかせず、楽しめってか?まったくもう・・・・・!
「ちょ・・・待てぇ~~!」
「へっへーん♪こっこまーでおーいーでー♪」
「きゃあああああ♪」
―――――――――――†――――――――――
友奈と東郷と追いかけっこをして、パラソルの下へと戻ってくる。二人はあの後、海へと入っていった。
去年、春さんに海中用の義手と義足を造ってもらっているから海で泳ぐことは可能なのだが、今回はパス。ちょっと疲れた。
『およがないんですか?』
パラソルの下には樹がいた。風さんと夏凛は見当たらない。泳ぎにでも行ったか・・・・あの二人め・・・・
「ちょっと休憩。流石に、普段履き馴れない
『???』
どうやら普段の義足とは違いが分かりにくいらしい。
いいだろう・・・・説明しよう!
「海水用にポリカーボネイドで造られているんだ。構造自体も、普段使ってるのよりかなり単純化されているから、後始末も楽チンなんさ!」
『へぇ~』
「しかも!ポリカーボネイド製だから、耐久力もそこそこで、熱にもそこそこ強い!」
『へぇ~』
「関節に使用されている人工筋肉は空気圧式だから、ちょっとラグと遊びが発生しちまうのが難点だが・・・・競泳するワケでもねェし、普通に泳ぐ分には問題無いレベルさ!」
『へぇ~』
3へぇ~頂きました。ありがとうございます。
そろそろ樹の目が死んできたので止めとくか。
「樹は?泳ぎに行ったらどうだい?荷物番なら俺がしてるからさ」
『いいですか?』
「モチロン。楽しんで来いよ」
『いってきます!』
樹が砂浜の熱さに跳び跳ねながら海へと向かう。それと入れ換えに夏凛が海から戻って来た。
「おかえり」
「輝夜?友奈たちと泳ぎに行かなかったの?」
「歩き疲れた。いつもの
「ふぅん・・・・そういうもんなの?」
「そういうモンなの」
クーラーボックスからドリンクを取り出して夏凛に放る。
受け取った夏凛はそのままゴクゴクと喉を鳴らしてドリンクを半分ほど飲み、俺の隣に座った。
「・・・・・ふむ」
「?なによ」
うーむ・・・・こうして見ると、今まで訓練を受けてきただけあって、引き締まった身体してるんだよなぁ・・・・
そして、友奈ほども無いが、無くは無い・・・・・と。
「────────視線がやらしいんだけど・・・・」
「そりゃまあ、水着の美少女が目の前に居りゃあな」
「ばっ!?!?ばばばばばば・・・・バッカじゃないの!!!!!!」
持っていたドリンクを投げつけられたので、すかさずキャッチ。その間に夏凛は走り去って行ったのだった。
そんな夏凛と入れ換えに、今度は風さんが来た。
「おかえり~」
「ただいま~、夏凛が顔真っ赤にして逃げてったけど、煌月ぃ、なんかしたの~?」
ニヤニヤと笑いながら、風さんが訪ねてくる。
別に何もしてないんだがなぁ・・・
「ただ、『夏凛って、アスリート並みに引き締まった身体してるよなぁ』って思いながら観察してただけなのに・・・」
「それ、立派なセクハラだから」
「ぐへへ、知ってる」
知っててやったんかい、と脳天にチョップを貰いつつ、風さんにもドリンクを渡す。
「煌月は泳がないの?」
「歩き疲れた(ry」
「友奈と東郷、待ってるわよ?きっと」
「うーん・・・・・そうかな?」
「そうよ」
「ン。そんじゃ、逝ってきますかあ!」
「いってらっしゃ~い──────なんか字、変じゃない?」
気のせいだぜ。
―――――――――――†――――――――――
友奈たちと合流し、一緒になって素潜りして遊び、それが一段落したら浜辺でサンドアート。
東郷がかなり精巧な高松城を作ったのに対抗して、俺は本腰入れて、東郷に負けず劣らず精巧な善光寺本殿を作ってみせた。
「少しは自重しろォ!」
「あー!!俺の善光寺さんがぁぁぁぁ!!!!!!」
「うーわ、見事に真っ二つ」
「あ!そうだ♪」
夏凛の木刀により、真っ二つにされた俺の善光寺さんを見た友奈が何かを思い付いたらしく、パラソル下の荷物へと向かう。
帰ってきた友奈が抱えていたのは大玉スイカ。
「なるほど、西瓜割りね」
「良いじゃな~い♪なかなか女子力高いわよ♪」
「やったー♪風先輩に褒められた~♪」
スイカ割りの何が女子力高いのか。
まあ、それは別にいいとして、スイカ割りには賛成だ。
そんな訳で、夏凛に叩き割られた善光寺さんを蹴り崩し、シートを敷いて場所を確保する。
そこに間髪入れずに友奈がスイカを置いて、準備完了。
「誰からやる?」
「ジャンケンで決めよう」
―――――――――――†――――――――――
公正なるジャンケンの結果、樹がやることになった。
使用する棒は、先程俺の善光寺さんを壊した夏凛の木刀だ。
「目標、二時方向!」
「樹ちゃんから見て右だよ~!」
東郷の指示を友奈が翻訳しながら、樹をスイカへと誘導していく。
「まったく・・・こんな程度で熱くなって、て樹ィ!そこよ!!おもいっきり振り下ろして!!」
「夏凛も熱くなってんじゃねーか(爆)」
ピタリ、とスイカ手前で樹が立ち止まる。
何を思ったのか、樹は足を肩幅程度に広げ、ゆっくりと木刀を振り上げていった。
「あはははwww樹何よその構え~~www」
「あれ、あんたの真似でしょ」
「えっ!?私あんなん?」
「あんなん」
樹らしい模範で納得である。
さて、そんな樹は振り上げた木刀を力強く握り締め、振り下ろそうとする。
「樹ィ、振り下ろす時は脇を締める!」
俺の指示に、樹は開いていた脇を閉じ、木刀を振り下ろした。
スイカに命中した木刀は、見事、スイカを真っ二つにしてみせたのであった。
「樹ちゃんすっご~~い!!」
「樹ちゃんは光る原石ね!磨けば磨く程輝くわ、きっと!磨かなくっちゃ!」
「でも護国思想に染めるのはNGな」
この後、割ったスイカはみんなで美味しく頂きました。