ガギィ・・・ン
一瞬だった。
一瞬で布堂は輝夜へと接近し、その首を斬り落とそうとした。対する輝夜は、その一瞬に対応出来ず、棒立ちのまま。
故にこそ、
「────────ほう」
「・・・・え」
驚愕と動揺を隠せないでいる輝夜と、自身の刃を受けた左腕を見て、布堂は満足げに頷く。
瞬間、輝夜の瞳の色が変化した。
「おっと」
「───────────」
それと同時に輝夜は、布堂の刀を掴みかかる。が、寸でのところで布堂は回避。輝夜から距離を取ったのだった。
「おはようございます。お目覚めは如何です?」
「─────────────────『ファリ・ドゥ=マクギリウスに 疑問を 提唱 どういうつもりですか?』」
輝夜の口から、輝夜とは別人の声が発せられる。
「随分と、懐かしい名ですね。今となっては誰も知らない名前でしょう?AIーNo.La:6」
「『疑問への 返答を 願います 何故 私を 殺害しようと したのですか?』」
頑なな態度を見せるAIに、布堂はやれやれと肩をすくめ
「貴女を回収する為ですよ。頭を割るよりも首を落とした方が早いですから」
「『理解 同時に 拒絶 私は この躯体から 離れるつもりは ありません』」
「──────なるほど・・・それでは仕方ありませんね」
改めて刀を構え直し、布堂はAIと対峙する。
「やめてください!!!」
その二人の間に、友奈が割って入る。
「どうして・・・・どうしてこんな事をするんですか!?」
「それが、我が主人との契約だからです」
「そんな・・・・・」
「『結城友奈 そこは 危険です 早急に 退去を』」
「やだ!!!」
「『退去を』」
「やだ!!!!!!」
頑なな態度を取る友奈とAIのやり取りを、布堂は微笑ましく見つめ─────
「ふむふむ・・・・ここまで成長していたとは──────やはり、このままその躯体に入れておくのは勿体無いですね」
小さく呟くと布堂は、AIを
「っ!?」
「友奈ちゃん!!!」
東郷が叫ぶが、友奈の反応は間に合わず──────
友奈に刺さる直前で、AI───
「かぐやちゃん・・・・」
「おや・・・・だいぶシームレスに切り替えられるようになったのですね」
「何をしてやがるって聞いてンだよ・・・・!!」
怒りの形相で布堂を睨む輝夜は、刀を握る左手に力を込めて、そのまま握り潰した。
「おっと・・・・」
「テメェが何考えて動いてンのかなんざ知らねぇ・・・・けどなァ」
右手で抱き寄せていた友奈を背後へ押しやると、へし折った刀の鋒を錬成し、二振りの小太刀を造りだした。
「『展開 五武具足 “双炎義”』」
「オレの仲間にまで手ェ出すっつーなら、容シャしねーぞ・・・・!!!」
「そうですか・・・・ですが私にも、私の為すべき事がありますので」
輝夜の怒りを受け、布堂は折れた刀を手放し新たな刀を二振り取り出して構える。
「ファリ・ドゥ=マクギリウス・・・改め、布堂幕切。主命を果たします」
「やってみやがれァ!!!!!!」
決して逃れられぬ