何が起きているの・・・・?
私の目の前で、かぐやちゃんの頭から黒い霧みたいなのが吹き出した、と思った次の瞬間にはかぐやちゃんの姿は消えていて、マッキー先生は吹き飛んでいた。
「・・・・・かぐや、ちゃん?」
まるでお手玉のように空中を跳ね回るマッキー先生を、私はただ、呆然と眺めている事しかできない・・・・
「うぅ・・・」
今の声・・・・!
「っ!?夏凛ちゃん大丈夫!?」
見ると、夏凛ちゃんが自分の胸に刺さった剣を引き抜こうとしていた。
「ぐ・・・・」
「無茶しちゃダメだよ!私がやるから・・・・・」
「こっちは良いから・・・・あんたは、輝夜の方を・・・・」
「でもっ」
「あいつを・・・・止めないと・・・・私は・・・・平気、だから」
「でも・・・・」
「ぐっ!・・・・ああああああああああ!!!!!!」
雄叫びと共に、夏凛ちゃんが剣を引き抜いた。瞬間、夏凛ちゃんの胸からたくさん血が─────
「夏凛ちゃん!?」
「げほっ!?げほっ・・・・はぁ・・・・はぁー・・・・ふぅー・・・・ほら、平気でしょ?」
苦しそうに、それでも、心配させないように、夏凛ちゃんは笑ってみせた。
「だから、ほら・・・・先に行って。私は・・・・他の連中、助けてから・・・・行くから」
「───────────────うん。わかった!」
夏凛ちゃんに背を向けて、私は勇者アプリを起動した。
─────────はずだった。
「・・・・・・・・・・あれ?」
勇者に・・・変身できない!?
「な・・・・なんで!?」
アプリの画面を見ると、『残り霊力が危険レベル迄低下中。セーフティモード起動により、使用できません』と書かれている。
「セーフティモード・・・って、何それぇ~~!?」
「あー、そりゃアレだ。あんたの霊力がかなり減ってるから、“これ以上変身したらヤバい”ってことで制限かけられちゃったんだな」
「え・・・・」
声のした方を見れば、そこには赤い服の仮面の人。
「・・・・・鉛、いいえ、貴女は────」
「おっと、その辺の話は後にしてくれ!今はとにかく、アレを止めるのが最優先だ」
そう言って指し示したのはかぐやちゃん。
「ちょっと待った。あんた・・・・いや、あんた達の目的は何?」
「────────そんな状態で、よく喋れる。マジで尊敬するよ」
「はぐらかすなッ!!─────げほっげほっ」
夏凛ちゃんが出した質問に、鉛は答えなかった。
それに怒った夏凛ちゃんが怒鳴り、咳き込んでしまう。
「大丈夫!?」
「あんま無理すんなって・・・・アタシ等の目的だろ?それは─────」
声がしたのは、私達の頭上だった。
「よっと」
「お、来た来た。遅いぞ、園子」
「えへへ~~、ごめんね。神官さんを説得するのに、時間かかっちゃって~」
そうして、白と紫を基調とした勇者服を纏った少女が、私達に向き直る。
「一応、はじめまして。私は乃木園子。貴女達の、先輩勇者なんよ~~」
そう、名乗ったのだった。