Summer Voyage〜鴎アフター〜   作:(ノ*°▽°)ノルーっ!

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鴎ルートの続編第二話になります。ネタバレ等も混在しておりますので拝読の際は十分ご注意ください。
未プレイの方は先に本編、鴎ルートプレイを推奨します。


~日常~

いつものように、いつもの時間が過ぎてゆく。

おはよう。その一言もいつもの日常です。

 

『羽依里~おはよう!』

 

『おはよう。今日はどこか行くのか?』

 

『うーん、そういえば島に神社あったよね?そこ行きたい。』

 

『鳴瀬神社な、よし行こう。』

 

夏の暑い日差しが本格的になってきたころ、私と羽依里は鳥白島にある神社「鳴瀬神社」へと足を運んでいた。

 

 

『ふへぇ~。改めてみると結構階段あるね』

 

『スーツケースは俺が持つからゆっくり上がろうな』

 

『うん』

 

羽依里にスーツケースを託し、手すりを使って一段ずつゆっくりと階段を上がる。

 

『ついたー。久しぶりな感じ。前に鍵を隠すのに来て以来だね』

 

『そっか。それを去年俺が見つけた』

 

『そうそう。よく見つけたねぇ』

 

『一緒に見つけたんだ。鴎もいただろう』

 

『微かにしか覚えてないかな……』

 

『そっか、それじゃしょうがないよな』

 

『ねぇねぇ羽依里、お参りの仕方教えて!』

 

『いいぞ。基本は二拝二拍手一拝だ』

 

『おお、なんか詳しい!連日神社に通い詰めたとか?さらば諭吉したとか!?』

 

『…なんだろう。そう言われるとそんな気もする。通った覚えはないんだけどなぁ。』

 

 

そんなことを言いながらお参りを済ませた。

賽銭箱の横には小さな木箱が一つ。かすれた文字でおみくじと書かれていた。

 

『おみくじもあるね!引いてみよっと。……ふむふむ。なになに。』

 

『吉。ラッキーアイテム。青いきつね。(青いきつね…黄色のたぬき…マロちゃん製麺かな…?)。ねぇ羽依里、青いきつねってなに?』

 

『青いきつね……ポン!』

 

『ポン?羽依里…どうかした?』

 

『いや、何でもないんだ。』

 

そんな話をしたからか微かにだけどどこかでポン!と答える声が聞こえた気がした。

 

 

『ねぇねぇ、羽依里も引いてみたら?』

 

『そうだな。よし、引いてみるか……中吉。ラッキーアイテム。プラネタリウム。』

『プラネタリウムはいかがでしょう。どんな時も消える事の無い、無窮のきらめき。満天の星々が、みなさまをお待ちしています…』

『なんだこれ…。おみくじに勧められてるんだが』

 

『でも一回行ってみたいよね!』

 

『なら今度見に行こうな』

 

『うん!』

 

 

私たちはおみくじに何かしらの違和感を感じながらも神社を後にしました。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

『そろそろお昼だね』

 

『そうだな、どこかで食べるか?』

 

『あ、羽依里。…今日はねぇ、じゃーん!!』

 

立派な風呂敷に包まれたお弁当を見せる。

 

『お弁当作ってきたんだ~』

 

『!!!?(鴎の手作り弁当だと!?)』

 

『一緒に食べよ♪』

 

『お、おう、すまないな』

 

夏の日差しは容赦なく降り注いでいる。

日陰の場所を見つけて座る。風呂敷を広げてお弁当を広げる。

 

『さてさてこちらが豪華鴎ちゃん弁当でーーす!』

 

『というかこんなお重箱どこに入れてたんだ…』

 

『えっ?スーツケースだよ?』

 

『謎の多いスーツケースだな…』

 

『そんなことより食べよ♪』

 

『ああ、食べようか』

 

三段に分かれたお重箱にたくさんの種類がぎっしり詰められていた。

定番の玉子焼き、唐揚げ、ハンバーグにサラダ。俵おにぎりもぎっしりと。

 

『!?うまい!!』

 

『でしょうー。鴎ちゃん特製だよ♪』

 

『(この弁当を独り占めできるとかどんな幸せ者だよ…。)』

 

『羽依里…なんかにやけてる?顔が緩んでるよ?』

 

『(しまった。あまりのおいしさと可愛さについついにやけてしまった。)』

『ん?そんなことないぞ。』

 

表情を必死に隠そうとする羽依里は平静を装って返事をした。

 

 

大量のお弁当を小一時間をかけ食べ終わる。

 

『は…羽依里、無理して食べなくてもよかったのに』

 

『でもおいしかったからつい…』

 

『羽依里、ありがとう。羽依里イズいいやつ!』

 

『なんかそれ久しぶりに聞いたな』

 

『へへっ』

 

 

それからしばらくその場で空を眺めたりした。

 

『こーんなのんびり空を眺めるなんていつ以来だろう…』

 

『たまにはいいでしょ♪』

 

『ああ、そうだな』

 

そして羽依里はそのままウトウトとして眠ってしまいました…。

 

 

『…っ!?』

 

『ひゃっ!?どうしたの?』

 

『…いや、寝てしまったなと思って』

 

『んー、一時間くらいかな?』

 

『そっか。もう三時くらいか。この時間からだとどこにも行けないな。』

 

『いいよ、のんびり過ごすのも悪くないよ!……ねぇ羽依里。明日は島の外に行ってみたいな』

 

『本土か?いいけど何かするのか?』

 

『何って…デートでしょ?』

 

『デデデ、デートォーーーー!?』

 

『何驚いてるの?』

 

『いや、男子校だからそういうのに慣れてなくて…』

 

『そっかぁ、じゃあこれからは慣れてね!』

 

『こんな笑顔で言われたんじゃ慣れるしかないよな…』

 

そういうと羽依里はスッと立ち上がって思いっきり息を吸い込むと大きな声で叫んだ。

 

『鷹原羽依里----!!!!』

 

『ひゃっ!?き…急に叫んでどうしたの羽依里…?』

 

『なんだろう、気合を入れるおまじないみたいなもんかな。』

 

『そうなんだ…じゃあ私もやる!』

 

私も勢いよく立ち上がって大きく息を吸い込む。そしてお腹に力を入れて思いっきり叫ぶ。

 

『久島鴎ーーーーー!!!』

 

そんなことをしていると、ふと後ろから視線を感じた。

 

『ちょっと……あんたたち大声で自分の名前を叫んで何やってるのよ……』

 

振り返るとそこにいたのは蒼だった。

 

『あ…蒼いつからいたんだ?』

 

『そうね、デートがどうこう言ってる辺りかしらね』

『島の外デート…って、手つないで人前でいちゃついてそんなことをやってる内に島に戻ってくる最終便の船を逃して「仕方ないから今日はここで泊ってくか」て言ってそのまま「最初は優しくお願いします」なーんて言ってあんなことやこんなことまでしちゃうプランなのかしら!?』

 

『…蒼ーーー。おーーーい。戻ってこーーい』

 

『ひゃあーーー若いっていいわねーーー』

 

蒼は妄想から帰ってくることはなくそのままどこかへと行ってしまった。

 

『アオアオ面白いね』

 

『いつものことだな…』

 

『…ねぇ羽依里…エロいことするの…?』

 

『ぶっ!?』

 

『アオアオの言ってたプラン通りにいくのかなって…。』

 

『気にしすぎだ!!』

 

『えへへ…冗談。羽依里可愛い。』

 

『かわっ!!!?あんまりからかうなよ…。』

 

『あはは……ごめんごめん』

 

 

気が付けば時刻は夕刻になろうかという頃だった。

 

※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

『それじゃまた明日ね!楽しみだな~。』

 

『じゃあまたな』

 

『バイバーイ!』

 

私は羽依里の姿が見えなくなるまでずっと手を振った。

 

羽依里の姿が見えなくなってから少し体に違和感を感じた。

 

『…い…たっ……。…ちょっと無理しすぎたかな…。今日はおとなしく休んでおこう。明日のためにも…。』

 

この時は少し休めば大丈夫かなって思った。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

トントン。

部屋の扉を叩く音がした。

 

『鴎。入りますよ…少しいいかしら。』

 

『…うん』

 

『島に来てから毎日のように出かけてるけど体調の方は大丈夫?あなたのことだから無理してるんじゃないかって思って』

 

『…おかあさん…』

 

『まだ完治したわけではないのだから無理をしちゃいけませんよ?』

 

『うん、ありがと』

 

なるべく出さないようにはしていたけれどお母さんにはばれてしまってたね……。

今日は早めに休もう。そう思って休んだのでした。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

『…ん…もう朝…。』

 

朝までゆっくり休んでみたもののやはり調子は悪いようでした。

 

『…やっぱまだ痛むかぁ…。今日は休ませてもらおうかな』

 

ほんとに楽しみにしていたのに残念。羽依里に謝らなきゃ。

そう思って電話の前に向かう。

 

『羽依里の家に電話しよう。』

 

トゥルルル…トゥルルル…ガチャッ

 

『あ、おはようございます。久島です。羽依里さんはいますか?』

 

『…もしもし、鴎?』

 

『…羽依里。ごめんね。今日は一日休ませてもらおうと思って。あ、うん、そこまで悪いってほどじゃないんだけど念の為にね』

 

『わかった。ゆっくり休めよ』

 

『うん、ありがと』

 

電話が切れた後私はその場に座り込んだ。

 

『…ふぅ…』

 

私も楽しみにしてたけど羽依里も楽しみにしてくれてたと思うしちょっと罪悪感…。

まぁ仕方ないかな…。今日はのんびり過ごそう。

 

それから一時間くらいたった頃かな家に誰か訪ねてきた。

そのあとすぐさまお母さんが私の部屋に入ってきた。

 

『鴎?羽依里さん来たわよ?』

 

『ふぇっ!?羽依里!?なんで!?』

 

『おじゃましまーす』

 

一瞬何が起こったのか理解できなかった。

目の前に羽依里がいる。

 

『羽依里!?どうして来たの!?』

 

『どうしてって心配だからに決まってるだろう』

 

『それはわかるけど急に来るなんて…』

 

『あ、ごめん。心配で気になって気付いたらもここに来てた』

 

『あーうーごめん。と言うかありがとうと言うか……』

 

『気にするな。俺が勝手に来ただけだから。それで体調はいいのか?』

 

『うん、大丈夫大丈夫。ただ昨日少し痛んだから念の為にね』

 

『そっか、ならいいんだけどな』

 

『…羽依里イズいいやつ!』

 

『えっ?』

 

『なんでもなーい。ありがとね。羽依里のそういうとこ好きだよ。』

 

『…っ!?』

 

『羽依里驚きすぎ!!』

 

その後私はベッドに座ったまま色んな話をして過ごしました。

 

※※※※※※※※※※※※※※※

 

『じゃあそろそろ俺は帰るよ』

 

『羽依里、今日はありがとね。また明日ね!』

 

羽依里は一日お話だけして帰っていった。今日一日休んだおかげで痛みはだいぶ引いていた。

 

『明日からはまた動けるかな…。ううん。明日こそ羽依里とデートだ。気合を入れとこう』

 

今度はちゃんとデートしたいな。そう思いながら時は過ぎていった。

 

 

 




こんにちは!(ノ*°▽°)ノルーっ!です。

鴎アフターストーリー第二話は日常をテーマに書かせていただきました。

なんとも平和なお話になってしまいました。

ネタとして神社のおみくじを入れました。


※2021年4月3日加筆修正

一話を3000文字前後で考えているので今後何話まで行けるかわかりませんが最後までお付き合いいただけたらなと思います。

次回は島外デートの予定です!

拝読ありがとうございました(^^♪
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