Summer Voyage〜鴎アフター〜 作:(ノ*°▽°)ノルーっ!
痛みのあった昨日とは変わって今日は体調がいいようだ。
清々しい朝を迎える。
今日は羽依里と島の外へ初めての外出です。
ほんとは昨日行くはずだったんだけど体調崩して急遽お休みをもらいました。
一日余計に待った分私も羽依里もとっても楽しみにしてたの。
『羽依里!おはよう!』
『鴎、体調はもういいのか?』
『うん!ばっちりだよ!昨日はごめんね』
『気にしなくていいから』
『うん!~~♪』
『今日はご機嫌だな!』
『昨日が出られなかったからね、その分楽しまなきゃ!』
ピンポンパンポーン
『まもなく宇都港行き出港します。ご乗船の方はお急ぎください』
『羽依里、行こう♪』
気付けば羽依里の手を引っ張っていた。
人がいるとはいえ島の中はさすがに目立つ。
『…か…鴎、さすがに島の中は恥ずかしいかな…』
『ごめん、ごめん。そうだよね。島の外まで我慢します!!』
『いや島の外でも恥ずかしいけど…』
『それもそうだね』
そんなことを言いながら船へと乗り込んでいった。
『うーーーーん…っと!』
デッキにでて思いっきり背伸びをしてみる。
天気は快晴、心地よい潮風が吹き抜けていく。
『天気もいいし潮風も気持ちいいね~♪』
『そうだな。天気が良くてよかったよ』
『ねぇねぇ、着いたらどこに行くの?』
『ん?行きたいとこ決めてるんじゃないのか?』
『ううん。な~んにも♪』
『おいおい…。鴎が行きたいっていうからどこか特定の場所でもあるのかと思ったよ』
『うーん、島の外なら羽依里のほうが詳しいかなって思ってさ』
『まぁ鴎よりかだけど港の周辺とかほとんど知らないぞ?』
『え~そうなの?まぁいいじゃん!ぶらぶら見て歩くのも悪くないよ♪』
『それもそうだな』
ピンポンパンポーン
『まもなく宇都港に到着いたします。お降りの方はお忘れ物のないようもう一度ご確認ください。』
そんな会話をしながら20分ほどで宇都港に着いた。
『着いたー!』
港の前には駅やショッピングモールもある。
観光客をはじめ地元の人達でにぎわっていた。
『鴎ー。どこから行く?』
『そうだなー。あっち行ってみよ♪』
私たちは駅の構内をゆっくりと進む。終点の駅であるため到着した待機列車が駅のホームに止まっていた。
『そういえば電車ってあまり乗る機会がないなぁ』
『そうなのか?俺はしょっちゅう使ってるけど』
『いつもはお母さんと専用の車で移動してるんだよ』
『(専用の車…さすがお嬢様は住む世界が違うなぁ…。)』
『羽依里?』
『いや、何でもない』
『たまには電車の旅なんかもいいよねぇ〜』
『そうだな』
『おおー!お店がたくさんあるね!どこから行こうか…』
『歩きながら気になる店に入ればいいんじゃないか?』
『そだね、そうしよう!』
駅に隣接しているだけあってたくさんの人がいる。
観光客らしき人たちもたくさんいる。
少し広いスペースのところにちょっとした人集りが出来ていた。
『羽依里、あそこなにかやってるのかな?』
『うーん、人が多くてよく見えないな』
『羽依里!肩車してっ♪』
『えっ?ここで!?』
『ここじゃなかったら見えないよ?』
『そうだけど…いや、そうじゃない!こんな人の多いところで何あったら困るし…』
『うーん、残念!あ、人が動き出した。』
人集りの中心には小さな人形を持った男性がいた。
どうやら人形劇をやっているようだ。
男性は人形を巧みに操っていた。
『人形劇やってたんだね』
『あの人形どうやって動いてるんだ?見たところ操る紐も何もないようだけど…』
『実はすごい有名な人なんじゃ!?イヤッホゥゥとか言われてそうな感じかな!?』
『なんだそれ?』
『うーん、よくわかんないけど』
『鴎、とりあえず先行こうか』
『うん、そだね』
人形劇をしていた男性を後に歩き出す。
『……ラーメンセットォォォォ!』
人形劇をしていた男性のほうから何か叫び声が聞こえた。
『羽依里、何か言ってたねぇー』
『そうだな、まぁ気にしなくていいんじゃないか?』
『それもそだね。あ、ここ有名なお店だ!』
『ウニクロだな。有名と言うかチェーン店だけど』
『ちょっと見てもいい?』
『いいぞ』
全国的にウニクロの中に入る。店内は多くの人であふれていた。
『すごい人だな』
『今日はセールなんだって!』
『それでこんなに多いのか』
『ちょっと人居すぎてゆっくり見れそうにないね。出直してこよっか』
『そうだな。』
あまりにも人が多いのでウニクロから外に出る。
平日にも関わらず大勢のお客さんで賑わっていた。
『羽依里ー、こっちにもお店があるよ?』
『ん?そんな所にお店なんてあったのか』
そこはウニクロから少し離れた場所でウニクロの通り道からだと見えない位置にあった。
『入ってみよー♪』
『ここは…』
『おおー、ぬいぐるみのお店だね!こ、これは!?』
『かもめのぬいぐるみか?やけに大きいな』
『カモメのジョナサンだって!ねぇ羽依里!どうどう?ふぎゃーふぎゃー!』
『何やってんだよ!?』
『似てる?かわいい?』
『真似しなくていいから!…可愛いけど』
『羽依里照れてる〜!』
『からかわない!』
『てへっ。怒られちゃった』
『(可愛くないわけないだろうに…)』
『羽依里〜?』
『な、なんだ?』
『ううん、なんでもなーい。それよりそろそろお昼にする?』
『ああ、もうそんな時間か…。どうするかな』
『この辺だとお店何かあるかな?』
『ああ、チェーン店だがジャイフルがあるぞ』
『ジャイフル?』
『九州に本店があるハンバーグチェーン店だな』
『そうなんだ!そこでいいよ♪』
『ならいこうか』
ぬいぐるみのお店から5分程あるけばそこにはジャイフルがあった。
お昼時なので多くのお客さんが食事をしていた。
『おおー、多いね…』
『いらっしゃいませジャイフルへようこそー。2名様ですか?』
『あ、はい』
『喫煙席禁煙席ございますが?』
『禁煙席で』
『こちらへどうぞー』
丁寧な接客で席へと案内される。
『ねぇ、羽依里ってたばこ吸うように見られたのかな?』
『まさか…。マニュアル対応だろ?』
『あ、そっか』
『ご注文お決まりでしたらお呼びくださいませー』
『羽依里、何にする?』
『どうしよう。正直ハンバーグという気分ではないんだよなぁ』
『ねぇ羽依里、このしんけんハンバーグって何?神剣?親権?』
『あー、そのしんけんというのはだな、大分県の方言でしらしんけんに由来しているらしい。意味は一生懸命だ』
『すごーい!羽依里詳しいね!』
『…とメニューの下のほうにかいてあるぞ…』
『あはは…じゃあ私はこのしんけんハンバーグにするね!』
『んじゃ俺は…』
お造り定食・カツ丼・クリームパン定食・ハッピーセット
『なんで変なメニューばかり頭に浮かぶのだろうか…カツ丼にするか。』
『すみませーん!』
『ご注文はお決まりですか?』
『しんけんハンバーグとカツ丼で』
『かしこまりました。少々お待ち下さいませ』
注文するとしばらく時間が空いた。食べた後の行き先をふたりで話していた。
『羽依里、食べてからはどうする?』
『他に行きたいところあるか?』
『うーん、そうだなぁ。アクセサリーショップみたいなところ!』
『それならこの近くにあったと思う。そこに行こう』
そうこうしているうちに料理が運ばれてきた。
『おまたせしましたー。しんけんハンバーグとカツ丼でございます。ごゆっくりどうぞー。』
『おおー、美味しそう!いただきまーす!』
『いただきます。』
『んんー、おいひいー!』
『そうか、よかったな!』
久しぶりの外食を十分に堪能したのでした。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『食べたねー!』
『そうだな。よし、いこうか』
『うん!』
私たちは会計を済ませジャイフルを後にする。
『ありがとうございましたー』
ジャイフルを出るとここから数件先にアクセサリーショップがあった。
『ここだな、何か買うのか?』
『カチューシャの新しいのが欲しくて』
私は新しいカチューシャを品定めしていた。
『ならこの赤いのはどうだ?』
羽依里は赤のカチューシャを勧めてきた。
色は悪くないんだけどこれで茶髪だったらなんかうぐぅって言っちゃいそうなんだけど!
『うーん、なんかイメージと違うかなー?』
『ダメか』
『やっぱ黒や紺が落ち着くな〜。ねぇ羽依里』
声をかけると羽依里はうわの空で何かを見ているようだった。
『……』
『羽依里?』
『ん?ああ、ごめん』
『どうしたの?』
『いや、なんかコレものすごく見覚えのあるリボンな気がして…』
羽依里が見ていたのは水色のリボンでした。空色ともいうのかな……。
『水色のリボン?誰かにあげたんじゃないの?』
『うーん、そんな記憶はないけどなぁ』
『そっか、じゃあ私コレ買ってくるね』
空色のリボン。それはきっと誰かの宝物なのかもしれないね。
そんなことを思いながら私は会計を済ませた。
『おまたせ!じゃあ行こっか!』
『次はどこに行くんだ?』
『んー、TETSUYAかな!』
『借りたビデオを一気に見ようとしてみんな徹夜するあの店か』
『そうなの?』
『多いらしい』
駅からは少し離れているが徒歩5分ほどでTETSUYAにつく。
店内には様々なジャンルのビデオが品揃えされている。
『見たい映画があってね、マトリッカスって言うんだけど』
『ああ、少し前にあった映画だな』
『そうそう、それが見たくてね!どこにあるんだろう?』
『割と新しいから準新作くらいじゃないのか?』
『なるほどなるほど。羽依里詳しいね!』
『そんなことはないけどな』
目星の作品を探して店内を回る。洋画コーナー新作という文字が目に入る
『んー、このへんかなぁ。あ、あったあった。あーでもレンタル中だね。残念』
『それは仕方ないな。人気みたいだし』
『うん、そうだね。しょうがない。別のを借りよう。あ、あったこれだ。』
『スターボーズか。1と2は見てたんだけどなぁ』
『そうそう、シリーズ最新作だよー!羽依里は何も借りないの?』
『今は見たいのがないかな』
『そっか、じゃあ借りてくるね!』
レジで会計を済ませる。
『おまたせ!』
『もうすぐ船の時間だな』
『あれ?もうそんな時間?早いね』
『港に戻ろうか』
『そだね!』
私と羽依里はゆっくり歩いて港に戻る。
何か物足りなさを感じた私は羽依里に声をかけた。
『羽依里…。』
『どうした?』
『…はい。…手繋いでほしいな…。』
『お、おう…。』
つかの間の幸せ。港に戻るまでの少しの間手を繋いで歩いた。
『羽依里、今日はとっても楽しかったよ!ありがとう。また行こうね!』
『そうだな』
『鳥白島行きまもなく出港しまーす。ご乗船の方はお急ぎ下さーい。』
港から乗船案内が聞こえてくる。
『あ、船出るみたい!行こっ』
『おう』
こうして私たちの初の島外デートはあっという間に過ぎていったのでした。
『まだまだ行きたいとこもやりたいこともたくさんある。夏休みの間にどれだけ行けるかな…』
気が付けば8月上旬に差し掛かっていた。
島を巡って冒険したり、駄菓子屋で暇つぶしをしたり楽しい毎日を過ごしていた。
島の人達からは毎日ラブラブね〜なんて言われることも増えてきた。
でも夏休みしか遊べないんだしいいよね?
そう言えば羽依里は高校卒業したらどうするんだろう。
今度聞いてみよっと。
お読みいただきありがとうございま(ノ*°▽°)ノルーっ!
と言うことで鴎との島外デートでした。
まぁ正直願望がほとんどですw
こうだったらいいなって感じで書いてます。
地域設定は大巨匠トミー先生のを何度も読みパk…参考にさせて頂きました(笑)←許可済
次回は日数が少し経ったくらいのお話になります。
更新は不定期なのであしからず…。
※2021年4月3日加筆修正