Summer Voyage〜鴎アフター〜   作:(ノ*°▽°)ノルーっ!

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〜終夏〜

8月31日。夏休み最後の日です。

 

『羽依里、おはよう!』

 

『鴎、おはよう』

 

『夏休み今日で最後だね…』

 

『そうだな。俺もずっとここにいたいけどこればかりは仕方ないよな。週末にはまた来るからさ!』

 

『うん!今日は何時に帰るの?』

 

『夕方。出来るだけここにいたいからさ。』

 

『そっか。羽依里、今から灯台に行ってもいいかな?』

 

『よし、行こうか』

 

 

灯台。この鳥白島で一番端にある場所。ゆっくりゆっくり歩く。

 

 

『ついたー!』

 

『むぎゅ?タカハラサンとカモメサンです!』

 

『紬か、こんなところで何してるんだ?』

 

『ここはワタシのおうちです』

 

『…灯台が?』

 

『ハイ!』

 

『ツムツム灯台に住んでるんだねぇ』

 

『灯台って住めるのか?』

 

『ところでお二人は何しにここへ?』

 

『散歩だよ』

 

『羽依里は今日で一度本土に帰っちゃうんだ』

 

『そですか。あ、ちょっとまっててください』

 

紬はそういうと灯台の中に入っていった。

数分経って紬が灯台から出てくると羽依里の元へと駆け寄る。

 

『タカハラサンにこれを差し上げます!』

 

『なんだこれ?』

 

『本土にあるジャイフルのどりんくばーちけっとです!これを提示するとムリョウになるそうです!』

 

『そうか、ありがとな。』

 

『それではワタシは買い物に行ってきますのでごゆっくりされてください!』

 

『ツムツムまたねー!』

 

『相変わらず変な子だよな…』

 

『ねぇ、羽依里』

 

『どうした?』

 

『…仕方ないってわかってはいるんだよ?でもやっぱり羽依里が帰っちゃうってなると寂しくて…』

 

そう言うと羽依里は私をぎゅっと抱きしめてくれた。

いろんな感情が羽依里に伝わっていきそう。

 

『週末はちゃんと来るって約束しただろ?』

 

『…うん、わかってるの…っん…』

 

そういうと羽依里は私に優しくキスをした。

羽依里の温もりをたくさん感じた。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

『…そろそろ時間だね。港にいこっか』

 

『そうだな』

 

夕方のフェリーに間に合うよう灯台をあとにする。

長いようで短かった夏休みがもうすぐ終わろうとしている。

 

 

『…羽依里、学校頑張ってね!』

 

『ああ、頑張ってくる!』

 

ピンポンパンポーン

『まもなく宇都港行き出港します。ご乗船の方はお急ぎください。』

 

『時間か。行ってくる!』

 

『…行ってらっしゃい!』

 

羽依里は大きな荷物を抱えて船に乗り込む。

羽依里は甲板から大きく手を振っている。私も負けないように振り返す。

 

船が島から離れていき、羽依里の姿も見えなくなる。

 

『…行っちゃった…。来週また会えるもんね。それまで私も頑張らなきゃ!』

 

 

こうして一緒に過ごした夏休みが終わり新しい生活が始まった。

 

羽依里は夜電話をしてくれる。

今日学校で何があったのか、どんなことをしたのか。

私も今日あったことを報告する。

 

羽依里イズいいやつ!

 

そうそう、羽依里はバイトを始めたって。

毎週島に来るための費用を自分で稼ぐって言ってた。

私にもなにかできることあるかな……?

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

夏の暑さも和らいできた頃のある日。

 

『お母さん行ってきまーす!』

 

『鴎、気をつけてね』

 

『はーい!』

 

今日は久しぶりに羽依里が島に来る日です。私はフェリー乗り場まで羽依里を迎えに行くことにしました。

港につくとちょうど船が到着したところで、土曜日だけあって観光客が多く乗っている。

 

『羽依里はどこかな…』

 

姿を探すけど見当たらない。次第に船に乗っていた人たちは皆降りて行った。

 

次の便かな…と思っていたその時。後ろから声が聴こえた。聴き慣れた声だった。振り向いて声を掛ける。

 

『羽依里!おかえり!』

 

『ただいま!』

 

随分久しぶりのような気がしてしばらくの間その場で抱きしめあっていた。

最近はあまり人の目を気にしてない気がする…。ダメダメ、もう少し緊張感を持たなければ…。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

『お昼ご飯どうしよっか?』

 

『そうだな。港の食堂にでも行くか』

 

『そうだね!』

 

港にあるお馴染みの食堂へと向かう。

食堂はお昼時でやや混み合っていた。

 

『いらっしゃい』

 

『何食べよっかな?』

 

『俺はお造り定食にするか…(クリームパン定食だけは避けよう…)』

 

『じゃあ私はクリームパン定食にしようかな?』

 

『本気か…?』

 

『だって美味しいし!クリームパン定食とお造り定食おねがいしまーす♪』

 

『はいよ!』

 

『頼んじゃったよ…』

 

チーン!チーン!

 

お造り定食がいつもレンチンな理由は未だに解明されてはいない…。

でも、美味しいのは事実だ。

 

『はいよ、お待ち』

 

『いただきまーす♪』

 

クリームパン定食…名の通り定食なのでクリームパン以外は普通の定食である。

 

『羽依里、これ美味しいよ?食べてみる?』

 

『そ、そうか。じゃあ…』

 

『はい、あ〜ん!』

 

急に羽依里の顔は真っ赤になる。

が断るわけでもなく素直に食べる。

 

『おいひいれふ』

 

お昼ご飯を食べながら羽依里が何があったのかなど話してくれるのを一生懸命聴いた。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

食事も終わり港でくつろいでいた時、羽依里が口を開いた。

 

『あ、そうだ。来週は4連休なんだ。時間あるしどこかに行かないか?』

 

『うん!行く行く!どこに冒険かな?』

 

『まだ予定は立ててないけど近日中には決めておくよ!』

 

『うん♪わかった!楽しみだなぁ〜♪』

 

『ある程度のプランは考えてあるからさ!』

 

『ありがとう!羽依里イズいいやつ!』

 

『ちょっと俺荷物置きに行ってくる。』

 

『行ってらっしゃい!』

 

そう言うと羽依里は鏡子さんの家に荷物を置きに行った。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

しばらくすると羽依里が港に戻ってきた。でも何か様子がおかしい。置いてくるといった荷物をまるごと持って戻ってきたのです。

戻ってきた羽依里は私にだけ聴こえるように言いました。

 

『…鴎、今日なんだけどさ……と、泊めて…もらえないかな…?』

 

突然の事に驚きを隠せない。

 

『えっ?鏡子さんのとこは?』

 

『それがな…』

 

羽依里によるとここに来る2日前に鏡子さんに電話したらしいの……。

 

『え?出張ですか?』

 

『そうなの、でも大丈夫、鍵は開けておくから勝手に入ってくれていいよ』

 

『わかりました』

 

『…の予定だったんだけど…。今日行ったら鍵閉められててさ。どうにも入れそうになくて…』

 

鏡子さんが忘れて鍵を閉めていってしまったらしく泊まるところがないと……。

 

『わかった!大丈夫だとは思うけど一応お母さんに聞いてみるね!』

 

『すまん』

 

私はすぐお母さんに電話をしたの。

事情を説明したらすぐに許可してくれた。

 

『羽依里、OKだよ!』

 

『助かる!』

 

『じゃあ家にいこっか!』

 

こうして羽依里は今日私の家に泊まることになりました。

 

『おじゃまします』

 

『羽依里さんいらっしゃい。狭い部屋ですけどゆっくりされてくださいね』

 

『私の部屋はこっちだよ!…勝手に覗かないでね?』

 

『失敬な。そんな余裕はない。』

 

『冗談だよ!』

 

『鴎ー?先にお風呂入ってらっしゃい』

 

『はーい。羽依里、一緒に入る…?』

 

『それはさすがにまずいだろ…』

 

『…だよね。じゃあ行ってくるね!』

 

羽依里が家にいる事に少しドキドキしています。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

『それじゃおやすみ!』

 

『ああ、また明日な』

 

それぞれの部屋に入る。

でも眠れそうにない。羽依里寝ちゃったかな……?

 

物静かな廊下を静かに歩いていく。

コンコン。

 

『はい、どうぞー』

 

『にはっ♪』

 

『かっ…鴎?どうしたんだ?』

 

『羽依里…。一緒に寝よ?』

 

『ぶっ!なにを…』

 

『しーっ。バレちゃうでしょ。……お母さんは起こしにきたりしないから。だから一緒に寝よ♪』

 

『えーっと…』

 

『ギューってしたまま寝たいな♪』

 

『…お、おう…』

 

そのまま朝まで一緒に寝ました。

二人共色んな意味でドキドキしてたけどいつの間にか寝ちゃったみたいでした。

 

 




(ノ*°▽°)ノルーっ!
ありがとうございます!

今回は割と甘えん坊な鴎が多々登場しております(させております)
多分ワタクシの願望なのでしょうね(笑)

次回は4連休で冒険です!

※2021年4月3日加筆修正

また見ていただければ幸いです(´▽`*)
ありがとうございました(o゚▽゚)
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