Summer Voyage〜鴎アフター〜   作:(ノ*°▽°)ノルーっ!

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〜冒険〜

先週こんな会話をしていた。

 

『来週は4連休なんだ。時間あるしどこかに行かないか?』

 

『うん!行く行く!どこに冒険かな?』

 

『まだ予定は立ててないけど近日中には決めておくよ!』

 

『うん♪わかった!楽しみだなぁ〜♪』

 

『ある程度のプランは考えてあるからさ!』

 

 

土日を含めて世間一般は4連休なのです。

私と羽依里はその4連休を利用して旅行……冒険に出かけようとしていました。

夏は終わってしまったけどまだまだ暑い季節。羽依里はどこに連れて行ってくれるのかな。私は期待を胸に羽依里の迎えを待っていた。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

『そろそろ来ると思うんだけどな〜。あ、羽依里ー!』

 

羽依里を見つけた私は一目散に手を振る。

 

『鴎、待ってたのか?』

 

『だってもうワクワクしちゃって!待ちきれなくて…』

 

そう言う私の頭をポンポンと撫でてくる。

よくある女の子憧れのシチュエーションである。

 

『羽依里…、女の子の扱い慣れた?』

 

『か、鴎だけだよ』

 

顔を赤くしながら羽依里はそう言った。そういう所がちょっと嬉しかったりもする。

 

変に意識したのか無言の時間が続く。

 

『そ、そろそろ行こうか』

 

『って言うか羽依里。わざわざ島まで迎えに来なくても私から本土に出向いたのに…』

 

そう、結局のところ本土に行くのでわざわざ羽依里が島まで迎えに来なくてもいいわけなのだ。

 

『ま、まぁその…心配だしな』

 

体調のこともあるので気を遣ってくれていることはわかっているけど。

 

『羽依里、ありがとね』

 

宇都港行き出港します。ご乗船の方はお急ぎください。

 

『あ、行こ♪』

 

私と羽依里は本土に向かう船に乗る。羽依里によると今日の予定は電車で移動が主になるそうです。

 

『移動に半日はかかるからな。体調悪くなったらちゃんと言えよ?』

 

『はーい!ところで今日はどこに行くの?』

 

どこかに行くとしか聞いてなかった私は羽依里に問いかけました。

 

『今回は九州にある別府というところだ。実際俺も行ったことはないんだけど温泉で有名なところらしい』

 

『おおー、別府!なんか名前だけは聞いたことあるよ!』

 

『まぁ九州に行く機会もなかなかないだろうし…』

 

『はいうぃ?ヒョホはへう?』

 

『食べながら話すのはやめなさいとあれほど…ってまたブルジョワなチョコ!?』

 

『だってこれ好きなんだもん!』

 

そんなやりとりをしながら二人の冒険は始まりました!

初めて行くところだからドキドキワクワクが止まりません!

 

宇都港から電車にのって岡山駅まで行く。岡山駅につくと新幹線に乗り換えて小倉駅まで乗車。小倉駅についたら別府行きの特急列車に乗り換える。

 

別府につくまで約4時間半くらいでした。

 

『んーーー!ついたー!』

 

座りっぱなしもなかなか身体が硬直する。思いっきり身体を伸ばす。

 

『長かったな、大丈夫か?』

 

『うん、平気だよ!』

 

到着しました別府!

温泉で有名と言われるだけあって駅につくと早速硫黄の匂いがします。

 

『羽依里、今日はどうするの?』

 

『時間も微妙だから宿に行ってそれから温泉でも入ろうか』

 

『はーい♪』

 

私と羽依里は今日から止まる宿に向かいます。

今回はなんと2泊!!

温泉の街と言われるだけあってあちこちから湯けむりが立ち昇っています。

 

『鷹原羽依里様、2名様ですねお待ちしておりました!どうぞこちらへ』

 

私と羽依里は宿泊先の宿の方に案内されお部屋に向かいます。

 

『…羽依里。もしかして1部屋…?』

 

『…ご、ごめん。部屋が一つしかなかったんだ…』

 

『わ、私は平気だけど、羽依里は大丈夫かなって…』

 

『い、一応ふすまついてるし閉めれば問題ないかと…』

 

まさかの展開に私も羽依里も急に緊張してしまいました。

 

『…と、とりあえず温泉!温泉行こうよ!』

 

『あ、ああ、そうだな』

 

温泉でも入って落ち着こう。そう思って浴場へと足を向ける。

案内された温泉を見て私と羽依里は言葉を飲み込んだ。

 

『こちらでございます。ごゆっくりどうぞ〜。』

 

『……羽依里……ここって混浴……?』

 

『…み、みたいだな……』

 

『と、とりあえず入ろっか……羽依里!あっち向いててね』

 

『わっ、わかってるよ』

 

少し距離を取り服を脱ぎ始める。

 

『(い、いきなり混浴はハードル高すぎるよ〜…)』

 

『お、俺先入ってるよ。』

 

そう言うと羽依里は先に行ってしまいました。

同じ部屋でさえ緊張するのにお風呂まで一緒だなんて…。

 

『まぁタオル巻いていれば大丈夫だよね?』

 

見えないよう大判バスタオルを身体に巻きつけ中へと入る。

 

『羽依里…』

 

『だ、大丈夫。後ろ向いてるから。』

 

『あ、あの…髪……洗ってくれないかな…?』

 

『ふへっ!?』

 

『手を離すとタオル落ちちゃいそうで…』

 

『ぶっ…。それはそれでまずい。わ、わかったよ。』

 

『や、優しくしてよね…』

 

『お、おう…』

 

羽依里の手が私の髪を包み込む。

ぎこちない手つきだけどふんわり優しい手触り。

羽依里の緊張が伝わってくる気がする。

 

『(私のドキドキも羽依里に聴こえちゃうかな…)』

 

ものすごく心臓がドキドキしているのが伝わりそうな距離感。

でも緊張しているのはお互い様だからね。

 

『…こ、これでいいか?』

 

『う、うん、ありがとね。か、身体洗ったら入るから羽依里は先にお湯に浸かってて』

 

『そ、そうするよ』

 

そう言うと羽依里は一目散に温泉に入る。そのままずっと背を向けていた。

 

身体を洗い終えて私も温泉へと入る。ゆっくりと羽依里の元へと近付く。

 

近付くに連れて羽依里の緊張度は増していく。

 

私は羽依里の背中に背中を合わせて座った。

 

『…温泉気持ちいいね…』

 

『そ、そうだな』

 

背中合わせに温泉に入る。よくマンガでありそうな展開だ。

緊張のせいかお互い口数は少ない。無言の時間が続く。

 

先に口を開いたのは羽依里の方だった。

 

『なぁ、鴎。俺は鴎に出会えてよかったと思ってる。すげー感謝してる』

 

『感謝…?』

 

『ああ、なんか外に出るのが好きになったというか。いろんな世界を見てみたいって思うようになった…かな。』

 

『…羽依里も冒険好きになったんだね!』

 

『ああ、だからこれからも鴎と一緒に冒険したい』

 

『うん、私も羽依里と一緒に冒険したい!』

 

思わず勢い良く立ち上がってしまいタオルがとれていく。

その瞬間

 

『きゃぁぁぁぁぁぁ!』

 

『ってなんで羽依里が先に悲鳴あげるのよ…。悲鳴あげたいのは私なんだけど…。』

 

『ご、ごめん。つい…む、むごっほが』

 

『でた、むごっほ病!』

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

『温泉気持ち良かったね!』

 

『あ、ああ…』

 

『…羽依里…さっき見えた…?』

 

『…み、見えてない…』

 

『…そう、まぁ羽依里ならいいんだけどね…』

 

『おまたせしましたー。夕食をお持ちしました』

 

そんな会話をしていたら旅館の人が夕食を運んできました。

目の前に並べられるたくさんの料理。

 

『羽依里!美味しそうだね!』

 

『おう、そうだな。旅館の部屋で食べるなんてあんまないからなぁ。』

 

『確かにね。ささ、食べよ♪』

 

『いただきまーす!』

『いただきます!』

 

いろんな料理があってとても美味しい夕食でした。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

夕食後

 

『じゃあ俺はこっちの部屋で寝るから』

 

『羽依里、そっちの部屋空調ないけど大丈夫?ふすま開けておこうか?』

 

『た、多分大丈夫』

 

『暑かったら言ってね』

 

『ああ、おやすみ』

 

『羽依里、おやすみなさい』

 

 

…とは言ったものの緊張のせいなのか眠れません。

 

『羽依里起きてるかな…』

 

部屋の真ん中のふすまをそっと開ける。

 

『どうした?』

 

『なんだか寝付けなくて…』

 

『…実は俺もなんだ』

 

『一緒にいてもいい?』

 

『ああ、いいよ』

 

布団の上でお風呂と同じく背中合わせで座る。

お風呂のときとは違う緊張感が走る。

特に何かを話すわけではないけどお互いの背中で安心する感じ。

しばらく無言の時間が続く。

 

『そろそろ寝るか…?』

 

『うん……羽依里、一緒に寝よ?あ、同じ布団でじゃないよ!』

 

『わかってるよ』

 

結局同じ空間で寝ることにした。これが一番安心するから。

 

『…変なことしないでね…』

 

『す、するわけ無いだろ』

 

『…してもいいけど…』

 

『いいのか…?』

 

『ダメ!』

 

『どっちだよ』

 

『今はまだ怖いかな…』

 

『わかった。鴎がなれるまで待つよ』

 

いつも優しい羽依里。そんな羽依里が大好きです。

 

明日はどんな冒険かな…?

 

 

 

 




(ノ*°▽°)ノルーっ!
拝読ありがとうございます!

前々からやりたかった温泉旅行のお話です。
背中合わせ…いいですよね()

温泉地ならいろいろあるんでしょうけど行ったことないので地元に設定しました(笑)

次回は観光という名の冒険の予定です!

次回もまた見てくれると嬉しいです(⊃∀⊂))

※2021年4月3日加筆修正
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