Summer Voyage〜鴎アフター〜 作:(ノ*°▽°)ノルーっ!
あれからどのくらいの時間がたったのかな。
季節はすっかり冬めいて、頬に当たる風は冷たく今にも雪が降りそうだよ。
そんなとある日の事、羽依里が突然びっくりすることを言い出したの……。
『なぁ、鴎。俺、今後のことを考えてたんだけど……』
『ん?羽依里、まじめな顔して急にどうしたの?』
『俺卒業したらさ、この島に引っ越してこようって言ったよな?』
『うん、確かに第四話あたりで言ってたね』
『なんだよ第四話って……』
『それはね……教えてあげないよ!じゃん!』
『久しぶりに聞いたなそれ、いやそうじゃなくてだな……』
『俺は鴎と一緒にいたい。鴎、結婚しよう』
『ふぇ!?羽依里……』
羽依里の突然の言葉に思わず変な声をあげてしまった。嬉しい気持ちと戸惑いと不思議な感覚になる。少し考えた私はゆっくりと口を開いた。
『羽依里……嬉しいけど少し……少しだけ待ってもらえないかな……』
『うん、いつまでも待つ』
そう言うと二人とも無言になった。少し強めな風の音だけがサワサワと聞こえていた。
正直なところ羽依里の気持ちはとても嬉しい。ずっと一緒に居れるんだって思うとワクワクしちゃうよね。とても幸せな気持ちになるよ。
羽依里はとてもいい人です。
元々はこの鳥白島に住んでいたおばあちゃんの遺品整理に来てたんだよね。そしてふとしたことから私と出会った。今でも覚えているよ。いきなりスーツケース押してーなんて言って……それを何も言わず引き受けてくれて……。そんなことしてたら海に落っこちて助けに来てくれた。それがきっかけとなって私たちは冒険に出たんだ。短かったけど楽しかった夏、羽依里が私をつないでくれた。だから私はもう一度ココに帰ってこれたんだよ。
私は羽依里に感謝することばかりだった。
それから数日が立ったある日のことでした。
いつもならいろんな所へ冒険に出かけているはずなんだけど……最近は寒くなってきたせいもあってあまり外には出ていません。
気が付けば季節はもうクリスマスを迎えようとしていた。
『あーもしもし、鴎?24日は久しぶりに島の外に行こうか?』
『うん!そうしよう!』
久しぶりのお出かけ、いわゆるデートってやつかな?
とても久しぶりのお出かけなので私はワクワクが止まりませんでした。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
12月24日当日。
お昼から港で待ち合わせです。今日はクリスマスイブということもあり港はとても賑やかでした。私は一人切符売り場の前で佇んでいると羽依里がやってきました。
『ごめん、待った?』
『ううん、さっきついたところだよ!』
ピンポンパンポーン
『まもなく宇都港行き出港します。ご乗船の方はお急ぎください。』
『あ、船が出るみたい、行こう羽依里!』
乗船チケットを買い船に乗る。宇都港までは約20分ほどの船旅です。
夏の暑い時期と違い甲板に上がる人はとても少ない。そうこうしているとあっという間に宇都港へと到着しました。
港へ着くとたくさんの人であふれていました。
『わぁーおっきいクリスマスツリーだねぇ!』
港のそばの広場には高さ4メートルくらいの大きなクリスマスツリーが立っていた。
街はクリスマスムード一色。デートしているカップル、クリスマスケーキを買いに来ているファミリー、クリスマスだからこそ働いている人。たくさんの想いがあふれていました。
『ねぇ羽依里、あのお店入っていい?』
私と羽依里は近くにあったアクセサリーショップに入りました。
ここは以前羽依里とデートしたときに新しいカチューシャを買ったところです。
『(羽依里に何かあげようかな……?)』
そう思って店内で羽依里と別々に行動する。
店内を一通り見て回ったけどこれと言って目ぼしいものはなく、ただぐるぐると回っているだけでした。
そこへ羽依里が声をかけてきました。
『鴎、ちょっといいか?』
『なぁに?』
そういって連れてこられたのはペアリングコーナーでした。
いろんな種類のペアリングが並んでいる。
『俺、まだそんなに金ないからさ……ほんとの結婚指輪はまたそのうちってことで』
『羽依里……ありがとう』
まだ正式に返事は出来ていないけれど、心は決まってるの。
『どれにしようか……?』
『たくさん種類があってどれも素敵だけど……』
どれにしようか迷っている私の目に飛び込んできたのは一つのペアリングでした。
『これ……これがいい』
私はシルバー製のリングに小さなアクアマリンが埋め込まれたリングを手に取った。
とても小さなアクアマリンだけど透き通った水色がキラキラと輝いて見える。
指につけてみてもぴったりなサイズ、そして身に着けることで増す輝き。
『人生という名の航海でいくつもの荒波を超えていく航海のお守り……』
その言葉はまさに私たちそのものを表すようでとても心に響いた。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
冬は日が落ちるのが早く、外はあっという間に薄暗くなっていました。
港前広場に戻るとお昼に見た場所と違い、一面イルミネーションで彩られた世界へと変化していました。
買ってもらったばかりのアクアマリンのリングにイルミネーションのきらめきが反射してとてもきれいだった。
船の時間まで少し時間があったので、私たちは広場のベンチに腰を掛けた。
『羽依里、今日はありがとね。それでね……』
『こんな私でよければ……よろしくお願いします』
羽依里に先日の待ってもらっていた返事をする。
『こちらこそよろしくな』
こうして私たちは正式に結婚に向けて新しい一歩踏み出したのでした。
帰りの船の中私は左手にはめたリングを掲げ眺めていた。
『鴎……顔がデレデレしてるぞ』
『そ、そういう羽依里だって……さっきからずっとニヤニヤしてるじゃない』
『こ、これはその……深い意味はないんだ』
お互い茶化して……そして二人で笑った。
これからもこんなふうにたくさん笑っていられるといいな。
(ノ*°▽°)ノルーっ!
どうもお久しぶりございまする(;´∀`)
短めですが一年ぶりの更新になり、次回が最終回となっております。
時間がかかったのは着地点をどうしようかとずっと悩んでいたのもあって…(笑)
内容忘れた方は読み返してください(笑)
拝読ありがとうございました!