Summer Voyage〜鴎アフター〜 作:(ノ*°▽°)ノルーっ!
※鍵島5で頒布した鴎アフター本の最終パート部分になります。
人生は航海の連続です。
穏やかの波の時もあれば荒波の時もあります。
羽依里にプロポーズされてから随分と時間が過ぎました。
まぁそもそもあの時高校生だったわけだし……。
自分でも変だってに思うよ……この短い人生でものすごくいろいろな経験をしてるんだもの……。
ものすごく不思議な体験してるしね。俗に言う幽体離脱っていうのかな?そんな感じ。
でもあの時羽依里が鳥白島に来なければ今こうして一緒にいることは出来ないわけで……。
本当にいろんなことがあったなぁ……。
あ、今は結婚式に向けて準備の真っ最中です。
というか高校生でプロポーズってありなの?いろいろ大丈夫?っていうくらいみんなに心配されたよ……。
まぁわからなくもないんだけどね。
ただ、お母さんだけは違ったの。
『鴎、私はあなたが幸せになってくれればそれでいいの』
そう言われたよ。思わず目の前で泣いちゃった。
お母さんは私の結婚が決まってものすごく嬉しそうにしてた。
子どもの幸せを願う親の気持ち……そのうち私にもわかるのかな?
あ、そうそう、羽依里ってばプロポーズした後実は結構私をほったらかしにしてたんだよね。
でも結婚資金貯めなきゃってものすごく頑張ってくれてたのを私は知ってる。
本当は羽依里が頑張らなくてもお金には困らないんだけど、私もお母さんに頼ってばっかりじゃいけないって思ってる。だから羽依里を見習って少しだけバイトしてたんだー。港の切符売り場の看板娘をやったり、本土のショップ店員やってみたり、カフェで働いてたらなぜかメイドの格好させられたよ!
そんなこんなで頑張って二人で貯めた資金……実はちょっと足りなくてお母さんが足してくれたのは内緒のお話。
結婚式はせっかくだから島で行うことにしたよ!ただそんな場所って鳴瀬神社くらいしかないんだけど、私は小学校を借りて行うことにしたの。ただそんな人呼ぶわけじゃないし、飾りつけなんかは島のみんながやってくれるって。
本土ですればいいのにって言われたこともあるけど、やっぱり羽依里と出会ったこの鳥白島がよかったんだ。羽依里も同じこと言ってた。
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結婚式まであと一週間。着々と準備が進んでいきます。
でも、ものすごく楽しみな私と、ちょっぴり不安に思ってしまう私がいるの。結婚することとかが不安とかそんなんじゃなくて……なんていうのかな、何とも言えない感情というか……。
だけど楽しいって思うほうがやっぱり強いから楽しみかな。
こう忙しいと時々やんちゃしたくなるよね!そんなわけで私は今七ヶ浜に来ています。
相変わらずここには海賊船が据え置かれているの。
今はこの島の一番人気のスポットだしね!何かあったときとか落ち込んだりするとよくここに来るの。
甲板に上り船長室のカギを開ける。そう、ここには私の宝物を保管してあるから。
私はたくさんの手紙の中から何枚かの手紙を手に取って読み返していた。
小さい頃にもらった手紙には子どもの字でかもめがすきとか、いっしょにぼうけんしたいと言った内容が書かれていた。この手紙を見ていると不思議と元気が出てくるの。落ちこんだ時なんかはこうやって乗り越えてきた。
一通り片付けてから船長室を出ると、そこには羽依里がいた。
『……やっぱりここにいたのか、探したぞ』
『えへへ……』
『あれ?でも羽依里、今日は仕事だったんじゃないの?』
『最近鴎が元気ないように見えたからな、今日は早退させてもらったよ』
『そっかー、ありがとね。羽依里イズいいやつ』
私のことを心配してくれてここまで来てくれた羽依里を私は思いっきり抱き着きました。
そしていよいよ結婚式当日を迎えました。
『鴎、準備はいいですか?今日のあなたはとても綺麗ですよ』
『お母さん……ありがとう』
お母さんと会話をしていると案内人が入ってくる。
『それでは久島さんお時間です。行きましょう。』
その声とともにゆっくりと立ち上がる。
今日はシンプルな純白のドレスを身にまとっている。
一歩ずつゆっくりと前へと進む。
扉の前に立つと大きく深呼吸をした。お母さんと目を合わせ小さくうなずいた。
目の前の扉がゆっくりと開く。少しずつ会場内が見えてくる。
会場内にはのみき、良一、天善、蒼、しろは、紬、静久、島の人たち。
見知った顔ぶれが大きく拍手をしながら出迎えてくれる。
そして一番奥に羽依里の姿。
おかあさんといっしょに一歩、また一歩とゆっくり羽依里の元へと進む。
みんなにおめでとうと言う祝福の声を受けながらさらに一歩を踏み出す。
そうしていくうちに羽依里はもう目の前。緊張で少し落ち着かない。
お母さんの元から羽依里の横へとゆっくり移動する。
神父役に何故小鳩さんが選ばれたのかは謎のまま式は進んでゆく。
指輪の交換。羽依里の手は小刻みに震えていた。私よりも緊張している様子が表情にも出ている。私はそっと羽依里の手に手を重ねて大丈夫だよと合図をする。
さっきよりも落ち着いた様子で指輪をはめる。ほっとしたのか安堵の表情を浮かべていた。
すべて順調に終わり羽依里とともにゆっくり一歩、一歩と前へと進んでゆく。
これから私は羽依里とともに人生を歩んでゆく。新しい冒険の始まりです。
正式な式も終わりみんなでワイワイしている。
鳥白島全体がお祝いムードで港の看板には今日のイベントとして取り上げられているほどに……。
おかげさまで通りすがりの観光客の人にもおめでとうございますって言われちゃうよ。
島の宴ムードはこの後数日続くのでした。
私と羽依里は今、ともに歩んでいく人生という大きな船に乗ったところです。
ここはゴールじゃなくスタートなんだと。
でも二人ならどんなに大きな波が来ても乗り越えていける。そう思うの。
『いつでも出航できるぞ鴎!』
『羽依里……うん!それじゃあ行くよー!!』
『海賊ひげ猫団!新しい人生の航海へ!しゅっぱーつっ!!』
ゴールの見えない果てしない旅。
次はどんな冒険が待ってるのかな!?
今からワクワクが止まりません!
私たちは七つの海を越えていきます。
生まれ変わってもまたあなたに逢いたい。
また夏に逢うのかな?
じゃあ私たちは夏の旅人だね!
そう、夏の旅人……『SummerVoyage』なんだと。
SummerVoyage・完結
ご拝読ありがとうございます。
完成までに一年かかってしまいましたがようやく完結することができました!
鴎との幸せな生活…いいですね。
むごっほ!
今後も鴎に関するSSは何かしら上げていきたいので見かけたら読んでいただけると喜びます!
ありがとうございました!