カズマと名乗るのは恐れ多いのでカズヤと名乗ることにした   作:美味しいパンをクレメンス

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Anemone

一番槍という宣告通り、最初に突っ込んできたのは奏である。

手にした槍の穂先を真っ直ぐ突き出してくるのに対し、カズヤも同様に突っ込んで拳を振るう。

 

「「おおおおおおらあああああっ!!」」

 

拳と槍の穂先が激突する。力と力のぶつかり合いにより、迸るエネルギーが余波となって稲妻のような現象を生む。

均衡が崩れたのは、第三者の介入。

奏の槍の下から、低い姿勢で響がカズヤの懐に爆発的な踏み込みで一気に潜り込む。

 

「はあっ!」

 

踏み込んだ左足を軸に腰を捻り、下半身の力を集約させた左拳を無防備な腹──肝臓に叩き込んだ。

 

「がはっ」

 

ボディブローの中でも最も効くと言われる肝臓を打ち抜かれ"く"の字に体が折れてカズヤの頭が下がる。

 

「まだまだぁ!」

 

更に響は腰を深く落としつつ大きく一歩、軸足の左足をカズヤの股下まで踏み込んだ。今度は右の拳を握り締め、腕の角度を九十度に保ったまま、沈み込ませた体を一気に浮き上がらせるように、かち上げるようにアッパーを繰り出す。

拳がカズヤの顎にめり込み、"く"の字に折れていた体は無理矢理起こされ棒立ちの状態となってしまう。

 

「おおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

隙だらけになったそこへ、響が追撃をする為の準備を行う。上体を左右に、振り子のように高速かつ激しく振って反動を思いっ切りつけて。

 

「右っ! 左っ! 右っ! 左っ! 右っ! 左っ! 右っ! 左っ! 右っ! 左っ! 右っ! 左っ!」

 

嵐のようなフックの連打。

カズヤの体が響に殴られる度にピンボールのように弾かれる。

このまま反撃の余地も許さず圧倒するかと思われたが──

 

「ぐっ、が、クソがぁっ!」

 

カズヤは自身の顔と響の拳の間にシェルブリットを割り込ませ、殴られつつもなんとかガードし彼女の左拳を掴んで攻撃を強引に止めると、そのまま引き寄せ頭突きをかます。

 

「あだぁっ!」

「シェルブリットバァァァストォォッ!!」

 

怯んだ瞬間に、今までのお返しとばかりに響の顔面に右拳をぶち込む。収束されたエネルギーが爆裂し彼女を吹き飛ばす。

だが拳を振り抜いたその体勢に小型ミサイルの雨が降り注ぐ。

 

「あたしがいんのを忘れんなよ!」

 

爆炎から転がり出てきたカズヤにガトリング砲を撃ちまくりながらクリスが笑う。

 

「この...!」

 

弾幕に飛び込み被弾しながら一直線にクリスに接近するものの、いきなり左右から奏と翼が迫っていた。

 

「流石に四人相手に右腕一本じゃ足りねぇか!」

 

そう判断すると左腕もアルター化させて迎撃体勢に入る。右腕で槍を、左腕で刀を防ぐ。

金属と金属がぶつかり合う音が響き、

 

「ヒャッハー!!」

 

二人にかまけた隙に、どてっ腹に巨大ミサイルが突き刺さり、

 

「ばぁーん☆」

 

次いで、クリスの声と共に放たれた弾丸がミサイルに着弾し大爆発を起こす。

 

「おいおいカズヤ、ちょいとスロースターターなんじゃねぇか? こっちは四人なんだからよ......出せよ、次のをよ! 勿体ぶってちゃ日が暮れちまうだろ!?」

 

ニヤニヤと笑いながらクリスが黒煙の中に向かって、もっと本気を出せと催促すると、

 

「そうだよな...こんなんじゃ俺もお前らも終われねー、終われねぇよな!」

 

金色の輝きが黒煙を消し飛ばし、両腕に留まらず両足をアルター化させたカズヤが姿を現した。

 

「こっから先はクリス以外初めてだろ!!」

 

右肩甲骨の回転翼が、既にブレード状の尾のように長い羽へと変化しており、それが大きく振りかぶられて踏み込みと同時に地面を叩けば、一瞬でカズヤは奏と翼の横を通り抜けクリスの目の前まで肉迫する。

 

「速──」

「らぁっ!」

 

クリスは嘘みたいな速さに最後まで言えず、飛び膝蹴りを腹に食らい、後方に転がった。

彼の背後から奏と翼がアームドギアを振り下ろすが、右肩甲骨の羽が鞭のように横薙ぎに払われ、槍と刀を弾く。

振り向き様に踏み込みながら姿勢を極端に低くして、水面蹴りを放つ。

足を刈られて体を浮かせた奏と翼が「あっ」と声を出したその時、二人の首を同時に掴み、高く掲げてから楽器のシンバルを打ち鳴らすようにそれぞれの側頭部と側頭部をぶつけた。

 

「やあああああああああっ!!」

 

復活した響が横合いから飛び蹴りを仕掛けてきたので翼を盾にして防ぎ、

 

「がぁっ!?」

「ごめんなさいぃぃぃ!?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

響もそれに巻き込まれ、そのまま揉みくちゃになった三人にシェルブリットバーストを──金に光輝く衝撃波をくれてやった。

三人纏めてすっ飛んでいき海に大きな水柱が生まれる。

 

「カズヤァァァァァァァァァッ!!」

 

小型ミサイルとガトリング砲が濁流の如く襲い掛かるのを、アルター化させた両足に力を込めて地面を蹴り、狙いを定められないように右に左にとジグザグに高速で動き間合いを詰める。

 

「ちっ」

 

舌打ちしたクリスは、手にしたアームドギアをガトリング砲から中折れ式の二連装散弾銃に変形させ、迎え撃つ。

狙いを定められないほど速いのなら、狙いを正確に定める必要のない武器を使えばいい。

一気に間合いを詰めてきたカズヤに対し多少射線がずれても構わずトリガーを引く。

咄嗟にカズヤは両腕を盾のように構えて上半身を覆う。

腹に響く轟音。

ガードに用いた両腕が跳ね上がり、上半身ごと仰け反って勢いが止まったところにもう一発、散弾銃が撃ち込まれる。

もんどり打って仰向けに倒れるカズヤ。

 

「...何だそのショットガン...範囲と威力がおかしいだろ」

「へへ、対カズヤ用の広範囲、高威力のショットガンだ。これならお前との接近戦も後れを取らねぇ」

 

得意気に語るクリスを見上げながらゆっくり立ち上がるカズヤを囲む形で、海から奏と翼と響の三人が戻ってくる。

三人共シェルブリットバーストをまともに受けてもまだピンピンしており、やる気が漲っていた。特に響は、二発も食らってるはずだというのに。

 

「...タフだなお前ら...」

「いや、アンタもでしょうが。ねー皆?」

「はい! まさかあの必殺コンボを抜けられるとは思ってませんでしたよ。あれ、とあるボクサーの必勝パターンなのに」

「でも確かに、私達はカズヤと同調するようになってからかなり強くなった気がする。ギアの出力も耐久力も、同調していなくても以前より段違い」

「つまり、あたしらとカズヤは一緒にいるべきで、離ればなれになる必要はない関係ってことだろ」

 

五人は楽しそうに笑う。いや、実際に楽しくて仕方ない。

こんな風に五人揃うこと自体が久しぶりな気がするので──実際は一週間ちょいくらいなのだが──いつものやり取りができるのが嬉しい。

 

「で、まだ続けるよな?」

「当然!!」

「やっと体が温まってきたところです!!」

「今更分かりきったことを聞くな、カズヤ!!」

「あったりめぇだろうが!!」

 

愚問だと言わんばかりの四人の反応にカズヤも応じた。

 

「そうだよな! そうこなくっちゃなぁっ!!」

 

まるで遊びに夢中になる子どものように、戦いが再開される。

 

 

 

「...何デスか、あのとんでもな強さは!?」

「スピードとパワーだけじゃない、頑丈さも尋常じゃないほど上昇してる。あんな攻撃、私達が受けたら一撃で倒される」

「あれが、カズヤさんと同調することで手に入る力...」

 

眼下の戦い──特に二課の四名がライブ会場で相対した時とは比較にならない強さを目にし、切歌が驚愕の声を上げ、調が戦慄し、セレナが目を細めた。

だが何よりも印象的なのはその表情。

誰もが心の底から楽しそうだ。まるで仲の良い友人グループが遊んでいるようにも見える。自分達と戦っていた時の、使命感を持ちながらも怒りに支配されていた顔とは明らかに違う。

マリアは操縦桿を握りながら胸中で呟く。

 

(まるで互いを求めて喰らい合う獣...)

 

ごくりと知らず息を呑む。

自分達もカズヤと同調すると、あのような規格外な強さが手に入るのだろうか。

それは一体どんな気分になるのだろうか。

激しくぶつかり合う姿がとてつもなく楽しそうで、これ以上ないほど嬉しそうで、カズヤと彼女達がたとえ敵対していても(そういうことになってる)特別な関係だと見せつけられているようで、嫉妬してしまう。

あのように頭を空にして戦うなどしたことがない、というよりそんなことはまずあり得ないとすら考えていた。

 

「どうやら状況は五分五分みたいですね。それでは釣り合った天秤をそろそろこちら側に傾けましょうか」

 

眼鏡をくいっと押し上げたウェルが嫌らしく笑った。

 

「出番ですよ、小日向未来さん」

「待ってました...ずっと、この時を」

 

深く静かな声がウェルに応じる。

 

 

 

 

 

【Anemone】

 

 

 

 

 

「Rei shen shou jing rei zizzl」

 

突如戦場に響いた歌声に、五人は動きを止めて声の発生源──空を仰ぎ見た。

紫色の眩い光が迸り、視界を照らす。

そしてどういうことなのかいち早く察知したカズヤが、血相変えて思わず口走る。

 

「なんでこのタイミングで未来が!? まだもうちょい先のはずだったろが!!」

 

未来の名を聞き、今までカズヤと足を止めたガチンコの殴り合いをしていた響が弾かれたように反応し、彼の胸ぐらを掴み掛かった。

 

「今未来って、未来って言いましたよねカズヤさん!? どういうことですか!?」

 

奏と翼とクリスも事態の把握の為に走り寄ってくる。

カズヤは一瞬だけ苦虫を噛み潰したような顔になり、それから謝罪するように告げた。

 

「未来が、神獣鏡の装者になった」

「未来が、装者に!? どうして!?」

「俺だって知りてぇよ! あいつが急にやりたいっつって、反対したけど俺の意見押し切って...」

「そんな...未来が、自分から...!?」

 

響が信じられない、という顔をする。他の三人も同じだ。何故彼女が、しかも自らの意思でシンフォギアを纏おうと思ったのかその理由が分からない。

そんな五人の眼前に、紫と白を基調とした神獣鏡のシンフォギアを身に纏い、更にカズヤと同調して金色に光輝く未来が降り立った。

 

「...うふふふ、あははははは、はーっはっはっはっはっは!!!」

 

腹を抱えて悶絶するように笑い始めたと思ったら、大きく仰け反って大声で笑い出す未来。

 

「凄い、凄いよこれ! 力が溢れてくる! 爪先から髪の毛まで一本残らず、細胞の一つ一つ隅々まで、全身でカズヤさんを感じる! あはっ! 癖になりそう!」

 

まるで快楽に身悶えるかのように震える自身の体を抱き締め、頬を上気させ妖しい目付きで五人を見つめた。

 

「ズルいなぁ、ズルいよ響達は。ずっとこの感覚を知ってたんだ、ずっとこの感覚を味わってたんだ」

 

様子がおかしいにもほどがある。

本当に未来本人なのか、別人ではないのか、それとも自分達は幻覚でも見ているのか、そんな現実逃避をしてしまうほど、目の前の彼女が普段の彼女と差があり過ぎた。

同調して、こんなに豹変するなど今まで誰もいなかったのだから。

そんな戸惑いの中、響が狼狽えながらも未来に疑問を投げ掛ける。

 

「未来、どうしてシンフォギアを...?」

「簡単だよ。装者じゃないと仲間外れにされるから」

「仲間外れ? 未来を? 私達が? それは確かに装者には秘匿義務とかあるから未来に言えないこととかあるけど──」

「嘘つき」

 

響の声を遮り非難する未来の声は、背筋が凍るくらいに冷たいものだった。

 

「う、嘘?」

(とぼ)けるんだ。何度も何度も嘘をついたのに」

 

これは止めなければいけない。そう決意して前に出ようとしたカズヤの機先を制するように未来が言う。

 

「カズヤさんはまたそうやって嘘つきの響を庇うんですか...あなたはいつもそう。気に入った相手にはとことん甘い。その甘さが、響達をつけ上がらせてるんですよ」

 

予想だにしていなかった説教に固まってしまう。

 

「ねぇ響。ううん、響だけじゃない。奏さんも翼さんもクリスも、私に隠してることあるでしょ」

 

放たれる圧力に誰もがたじろいだその時、ついに未来が口にする。

 

「本部に行くとか泊まるとか言ってたけど、バレないとでも思ったの? 嘘つくんならもう少しまともな嘘つきなよ。通信機の位置情報調べれば皆が何処で何やってるかなんて分かるんだよ」

 

嘘や隠し事がバレた時は誰もが似たような表情やリアクションをする。響達四人は揃って大きく目を見開き、何かを言おうとして何も言えない口は餌を求める鯉のようにパクパクさせた。

 

「でもね、そんな嘘、もうつく必要ないよ」

 

だって──

 

「もう皆は装者じゃなくなるんだから」

 

突然の閃光がカズヤ達五人の視界を埋め尽くす。

 

 

 

四つの聖遺物の欠片──シンフォギアから発せられるアウフヴァッヘン波形が消失した。

 

「...二つのガングニール、天羽々斬、イチイバルの反応、完全に途絶しました」

 

報告する朔也の声は震えている。

 

「聖遺物由来の力を打ち消す神獣鏡の"魔を祓う力"によるものと思われます」

 

モニターに映る装者四人とカズヤは倒れ伏している。その内、学生三人はリディアンの制服姿、奏は私服になってしまっていた。

唯一カズヤのみ、ダメージを受けただけなのか外見に変化はない。

いきなり装者四人が同時に無力化されてしまった。しかもその原因は前代未聞かつ最低最悪なものときた。

 

「どうしてこんなことに...」

 

あおいの言葉に応答可能な者はいない。

未来が神獣鏡の装者となることも、ギアを纏って響達を攻撃して無力化させてくるなどいくらなんでも想定外だ。

そもそも未来にはカズヤと了子がそばにいたのに、この様なのだから。

 

「...洗脳、されているんでしょうか?」

 

緒川の声に弦十郎は腕を組んだまま瞼を閉じ、首を縦に振る。

 

「あり得るな。だとしたら犯人はドクターウェルか」

 

そう応えながらも頭の片隅では別の思考をしていた。

 

(たとえ未来くんが洗脳されていたとしても、あれは恐らく彼女の本音だろうな...ならば一体仲違いの原因は何だ? 前後の会話から察せるのは装者ではないから仲間外れになったこと、響くんが彼女に嘘をついたこと、他の者達も彼女に対し隠し事をしていたこと、そしてカズヤくんが嘘や隠し事をした四人を庇おうとしていたこと、か)

 

カズヤと装者達の関係、つまり男と女の関係を鑑みるに痴情のもつれとしか考えられないのだが...

 

「...ん? そういえばカズヤくんのシェルブリットは解除されていないのか?」

「え? あ! そういえば!!」

 

今更気がついたことを弦十郎が声にすれば、あおいがモニターを注視する。

言った通り、アルター能力は解除されていない。

朔也が少し考えてから独り言のようにぶつぶつ仮説を述べ始めた。

 

「アルター能力によって再構成されたものは神獣鏡の力の影響を受けない? 異世界の、"向こう側"の力の産物だから? それとも単純に出力が足りてない? でもカズヤくんと同調している状態で出力不足とは考えにくい。そもそも出力不足なら他の装者のシンフォギアを分解できないはず...カズヤくんと同調しているから彼のシェルブリットだけは対象外......いや、違う! アルター能力の正式名称は精神感応性物質変換能力、能力者の精神力の強さが能力の強さに直結してる! 単純に、"魔を祓う力"そのものがカズヤくんの意思を屈服させるほど強くないんだ!!」

 

納得のいく結論が出たのか、朔也は何か操作するとモニターには響の胸元がアップで映る。

 

「やっぱり...!」

 

そこには待機状態のペンダントが傷一つない状態で存在していた。

 

「司令、装者達のギアは破壊も分解もされていません。ただ、ギアが機能不全に陥っているだけなんです」

「そうか! 皆のギアはかつて一度完全に破壊され、カズヤくんが再構成した。その時からシンフォギアであると同時にシェルブリットでもある。だから神獣鏡の"魔を祓う力"によりシンフォギアとしての機能は停止させられたが、カズヤくんと同調状態だった為にシェルブリットとして存在を維持し続け、分解されるのは免れたのか」

 

確証はないが、恐らく正解だろう。

しかし、それでもまだ問題が残る。

失われたシンフォギアとしての機能は、いつ回復する?

 

 

 

シンフォギアを解除させられた四人を一瞥してから未来を睨む。

 

「俺はこんなことをさせる為に、お前がギア装者になることを認めた訳じゃねーぞ」

 

未来は反応しない。ただ薄く笑い、響達を眺めている。

 

「み、未来...」

 

立ち上がった響が震える声で未来の名を呼ぶ。

 

「どう響? 何の力も持たないただの女の子に戻った気分は」

「未来、お前、何のつもりで──」

「待ってくださいカズヤさん! 待って、ください...お願い、します...」

 

未来に掴み掛かろうとしたカズヤの腕に響がすがり付く。

 

「ちゃんと話さなきゃいけないんです、ちゃんと謝らなきゃいけないんです。ずっと嘘をつき続けたのは本当だし、皆とも口裏合わせして隠し事してたし、悪いのは全部私なんですよぉ...」

 

今にも泣き出しそうな響の顔を見て胸が痛くなる。

本人が言う通り、ちゃんと謝って話し合うというのは賛成だ。

しかし──

 

(今の未来が話し合いに応じるのか?)

 

明らかに普段と異なる雰囲気と気配、態度、目つき。

 

「...その前に一つ聞かせろ。未来、神獣鏡の力で響達のギアを使えなくして、何が目的だ」

「私の目的? 昨日私に馬乗りの状態で唇奪われたのにまだ気づきませんか?」

「「「「っ!?」」」」

 

四人が驚いているがそれどころではない。

カズヤは確信した。

 

(こいつ...!!)

「私の目的は響達からカズヤさんを奪うことですよ。それが、響達にとって今最も効果が高い仕返しになりますからね」

「それはまた、随分と(タチ)が悪い仕返しだな」

「でも安心してください。カズヤさんを独占したいっていう気持ちは本物ですから」

「安心ね...そういう問題じゃねぇだろが!!」

 

響を振り切り未来に向かって殴りかかる。

対する彼女は、まるで予め分かっていたかのように、スッと横に体をスライドさせて拳を躱し、カズヤと響達四人を大きく飛び越すような跳躍を見せ、くるりと前方宙返りを決めてから着地、振り返る。

 

「場所を移しましょう。ここだと響達を巻き込みます。足手まといがいたら、私と戦いにくいでしょ?」

 

言って、足の装甲を展開させホバーのように浮き上がると猛スピードで今いる艦艇から海面に降り立ち、どんどん離れていく。

 

「あの野郎、本気か!?」

「カズヤさん!!」

「分かってる! 一発殴ってギア引っぺがしてから無理矢理話ができるようにするっつの!!」

 

悲痛な声の響に叫び返し、未来を追う。

 

「...クソが...全部俺のせいだ...!!」

 

カズヤが来るのを待つ未来の姿を正面に捉えながら、血を吐くようにそう言った。

 

 

 

ウェルは平静を装いつつ笑いを必死に堪える。

 

(まさかまさか、こんなに簡単に二課の装者共を一掃できるとは...おまけに"シェルブリットのカズヤ"ともこれから潰し合いをしてくれる!! 展開が上手くいきすぎてて笑いが止まりませんね!!)

 

人の心を惑わす神獣鏡の力によりその心の在り方を歪められ、脳へのダイレクトフィードバックで身に着けたバトルパターンにより素人でも驚異的な戦闘能力を保有し、更には敵対するカズヤと同調することで出力の倍増と負荷の激減が両立し、最初から最後まで全開で戦うことができる。

 

(後は戦いの最中に放出されたエネルギーをフロンティアに照射すればいいだけ)

 

いくらか軌道修正を必要としたが全てが計画通り。

 

「マリア、シャトルマーカーの準備を」

 

眼鏡を押し上げつつ指示を出せば、何かを言いたそうな顔でウェルを一瞥してから従うマリア。

 

「これはあなたの差し金ですか?」

 

ナスターシャの鋭い視線にウェルは心外だとばかりに首を振る。

 

「やですねぇ。神獣鏡のシンフォギアを欲したのは彼女ですよ。こちらから提案する前に自ら協力させてくれと言ってきたではないですか」

 

事実だ。だからこそ誰も反論できない。

 

「きっと彼女はずっと嫉妬していたのですよ、"シェルブリットのカズヤ"の隣に立つ親友達を。だから願ったのですよ、隣に立つ為の権利を。そして念願叶ってライバル達を蹴落とした、それだけじゃないですか」

「だからって、それがどうしてカズヤさんと戦うことに繋がるんですか!?」

 

セレナの疑問にウェルは肩を竦めて首を横に振った。

 

「さあ? 僕が知る訳ないでしょう? もしかしたら彼に認めてもらう為の通過儀礼なのかもしれませんよ。彼は女っ誑しと噂されていましたが、実はある程度の力を示さないと『彼の女』にはなれないのでは? だからこそ『装者キラー』と呼ばれていたのでは?」

「そんな訳が...」

 

言おうとして、セレナは止める。さっきまでの戦いで楽しそうにしていた五人の姿が目に焼き付いていたからだ。

黙るセレナや文句を言ってこない他の面々を見て満足すると、ウェルは大仰に腕を広げる。

 

「何にせよ、僕達の使命は変わりません。フロンティアの封印が解けるのを待つとしようじゃないですか!!」

 

 

 

「未来」

「はい?」

 

海面の上で、五メートルほど離れた間合いで対峙し、名を呼ばれた未来が首を傾げた。

 

「何処までが本気だ?」

「全部ですよ」

 

即答する彼女にカズヤは眉を顰める。

 

「装者になることも、カズヤさんを響達から奪うことも、全部──」

「そうじゃねぇ!!」

 

未来の言葉を怒鳴り声で遮り、響達が乗った艦艇を指差して言う。

 

「響に、あいつらに、あんな泣きそうな顔をさせたかったのかっつってんだ!!」

 

彼の言葉は続く。

 

「確かに俺とあいつらの関係は端から見たら褒められたもんじゃねぇし、お前にとっては大好きな親友盗られて気に入らねぇって思うのも当然だ! だがな、だったら最初(ハナ)っから俺に、俺が気に入らねぇってそう言え!! あんな意趣返しみてぇなことすんじゃねぇ!!」

 

一気に言い切った彼に未来は分かってないなとばかりに溜め息を吐く。

 

「私がカズヤさんのことを気に入らないと思ってたのは最初の頃だけですよ。それにあなたは装者として機密を守らなければならない響の為に、私にわざと嫌われるような言動をしてたじゃないですか。そんな優しくて気遣いのできる人、嫌いになれませんよ」

「...」

「確かに最初の頃は嫉妬しましたよ。響はいつもあなたと一緒だった。あなたと出会って響はどんどん綺麗になって、可愛くなって、響がまるで私のそばを離れて他人に染め上げられていくようで、悔しかった」

 

カズヤは黙って話を聞く。今この時を逃したら、きっと彼女の本音を聞き出すことはできないと予感したからだ。

 

「でも、ある日思ったんです。何年も一緒にいた私でも知らなかった響の魅力をあなたは引き出した。女の子って恋をするとこんなに変わるんだ、カズヤさんって凄いな、って」

「...」

「響があなたに夢中になって寂しかったけど、だからこそ私は響と一緒にカズヤさんも見るようになりました」

「響と一緒に、俺も?」

「あなたは、カズヤさんは不思議な人です。ガサツでデリカシーがない面倒臭がり屋なのに、いつもあなたの周りには人が集まってくる。あなたは、いつの間にかするりと人の心の中に入ってくる...カズヤさんと一緒だと楽しいんですよ。下らないことを話したり、些細なことで喧嘩したり、一緒にご飯食べたり...なんでもないことなのに、とても楽しくて幸せな気持ちになれる...皆に好かれる理由、分かるんです」

 

このタイミングでそんなことを言われても、未来から想像以上に好評価をもらっても、喜んでいいのか分からない。

 

「意外と思われるかもしれませんが、私、響が幸せなら、そう思ってたんです。本当に、そう思ってた......そう思ってたのに!!」

 

突如感情を昂らせ、声を張り上げた。

 

「数ヶ月前から響の雰囲気がまた少し変わって、以前より大人っぽくなって、前より自信が増した感じで、その時はカズヤさんと何か嬉しいことでもあったのかな、くらいにしか思ってなかった。けど同時に、なんとなく隠し事してる感じがあったし、泊まりで出掛ける頻度が増えた。それでも私は気にしないようにしてた。だって装者として機密を守る義務があるんだろうな、そう考えて自分を納得させてたけど...」

 

彼女は一筋の涙を零す。

やがて涙は次から次へと溢れ出てきた。

 

「嘘、ついてたんですよ、響は。しかも皆もグルになって。気づいたのは最近で、今まで一度もしようと思わなかったのに、その日はなんとなく位置情報を確認してみたら...言ってたことと全然違ってて...」

 

未来の声に嗚咽が混じり始めた。

それでも彼女は震える声で言う。

 

「響は、何も、言ってくれない...皆も、誰も教えてくれない...個人の、プライベートのことだって言えば、それまでだけど、一人だけ仲間外れにされてるみたいで...前に、カズヤさんが、私のこと『面倒臭い女』って言ってたから、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、って皆に思われてるのかと考えたら、凄く悲しくて!!」

 

ハンマーで頭蓋骨を叩き割られたような衝撃だ。

彼女がこんな想いを誰にも悟られずに何日も過ごしていたというのか。

いつも見せる笑顔の裏で泣いていたと知り、胸を掻き毟りたくなるほどの罪悪感が生まれた。

 

「未来...」

「私が我慢すればいいんだ、我慢さえすればいつも通りなんだ、って何度も何度も自分に言い聞かせてた...でも!!」

 

ここから先を聞くのが少し怖かったが、聞かない選択肢などない。

唾を飲み込み、覚悟を決めて彼女に集中する。

 

「この前、泣き出した私をカズヤさんが抱き締めてくれて、慰めてくれて、あなたの優しさと温もりを感じて、あなたのことが堪らなく欲しくなった。カズヤさんに甘えると信じられないほど幸せな気持ちになれることを知った、知ってしまった! だから同時に響達のことが許せなくなった。響達にはいつもこの人がそばにいてくれる。私は一人でこんな辛い想いを抱えてるのに、響達は辛いことや苦しいことがあればすぐにでもカズヤさんに思う存分甘えることができる。でも、私はそうじゃない! いつも私のそばにいてくれた響は、もうカズヤさんのことしか眼中にない...だったら、私だってカズヤさんに甘えてもいいじゃないですか!! カズヤさんが装者のそばにしかいないなら、私が装者になればいいって考えて、何が悪いんですか!?」

「......だから、俺を奪う、か」

「そうですよ、もう響達にはあなたに指一本触れさせません。あなたは、私の、私だけの人になるんです。あなたに甘えていいのは私だけ、誰にもあなたのことは渡さない。たとえ力ずくでも!!」

 

次の瞬間、未来の全身を包む光が一際強くなり、その光を浴びた刹那、カズヤの体にとてつもない衝撃が襲い、大きく後方へ吹き飛ばされた。

水切り遊びとして使われる石のように、二度、三度と海面をバウンドしてから漸く勢いが止まる。

 

「ぐっ...さっき食らったのはこれか」

 

予備動作なしの、全方位に向けた光の放射。しかもさっき五人同時にダメージを与えてきたことから有効範囲も相当広い。事前に察知することも避けることも無理に等しかった。

 

「あの時のクリスと同じです。さあ、勝負ですよカズヤさん!! 私が勝ったら、あなたは私の、私だけのものです!!!」

 

ガシャンと音を立て、顔の上下に存在していたギミックが獣の顎のように閉じるとバイザーとなり彼女の目元を隠す。

腕部の装甲から扇子のようなアームドギアを取り出し、その先端をこちらに向ける。

発射される紫の光。

咄嗟に横に避けた。

しかし追撃は止まない。続いて彼女は自身の周囲に人の顔くらいの大きさの鏡を十個ほど顕現させ、その鏡から先と同様の紫の光が次々とつるべ撃ちのように発射された。

 

(多いが、これなら!)

 

右肩甲骨の羽が大きくしなって背後の空間を叩く。

水上を高速で滑るように弧を描きつつ未来へと迫る。

多少の被弾は厭わない。致命打になりそうなものだけ両腕で防ぎ、間合いを詰めて、

 

「おらああっ!!」

 

右の拳を振り抜いたその時、彼女の周囲を浮遊し光を放っていた十個の鏡が瞬時に一つとなり、一枚の大きな鏡となって盾と化す。

構わずぶち抜こうとするが、拳を叩きつけた感触がおかしい。平面を叩いたはずなのに、まるで拳と拳を打ち合わせたような感触と衝撃が手応えとして返ってくる。

 

「鏡が映すのは現実の虚像」

 

鏡の向こうで未来が小さく呟く。

目の前の鏡に映るカズヤの姿。左右対象の左拳を突き出したその鏡像と今、右の拳を打ち合わせている状態。

 

(何だ!?)

 

鏡像が現実の自分と同じ攻撃をして、それが現実に干渉してきている!?

ただの鏡なら破壊できる。ただの防御壁や盾なら粉砕してやる自信がある。

だが相対しているのは『鏡』のシンフォギア。

しかし神獣鏡にこんな力があるなんて聞いていない。

最悪の想像が脳裏を駆け巡る。

まさかこれは、カズヤと同調することによって新たに目覚めた能力だとしたら?

 

「隙だらけですよ」

 

すぐ右横に、バットのようにアームドギアを振りかぶった未来がいた。

拳を突き出した体勢では避けれない、拳を引いて防ごうとしても間に合わない。

振るわれたアームドギアが右脇腹に、さっきまで散々響に殴られた肝臓を打つ。

体内で骨が軋む音が聞こえた気がする。

 

「ぐああああああっ!?」

 

体内を何かで抉られるような激痛。

バットで打たれた白球のように吹き飛ばされた。

そして海中にダイブ。

 

「ごほっ、げはっ!」

 

水の中から慌てて水面に顔を出す。

海水を飲んでしまったので咳き込みながら吐き出す。その度に脇腹に激痛が走る。

 

「この!!」

 

痛みを怒りに変えて未来へと向き直り、苦し紛れに右拳を突き出した。

発生した金色の衝撃波が未来に当たる直前で、またしても鏡が阻む。

更に金色の衝撃波は跳ね返されて戻ってきた。

 

反射(リフレクト)だとっ!?」

 

自身で放ったシェルブリットバーストをまともに受け、爆裂したエネルギーの奔流に曝され、また吹き飛ばされた後に再度海中に沈む。

 

(こっちは第四形態で、しかも一対一(サシ)で戦ってんのに、なんでこんなに押されてんだ!!)

 

海面に飛び出し、一旦間合いを保ったまま未来を見据える。

 

「はあ、はあ、はあ、はあ」

 

いつの間にか自身の呼吸が荒い。対する未来は余裕だ。

戦闘中だというのに、唐突に未来がバイザーを開き、目元を露にする。

 

「不思議ですか? どうして私に攻撃が効かないのか?」

「ただで教えてくれんなら、一応聞いとく」

 

未来は嬉しそうに唇を吊り上げて質問してくるので、素直に聞かせてもらうことにする。

 

「簡単です。相性ですよ」

「相性?」

「カズヤさんのシェルブリットは特殊なエネルギーを内包した『光』を生む力。対する私の神獣鏡は『鏡』のシンフォギア。『鏡』が"魔を祓う"という伝承を持つのは、古来より『鏡』が『光』を取り込み闇を照らす存在だったから。更に『鏡』は『光』を反射、屈折することもできる」

「つまり、その理屈なら俺はお前に勝てねーってか?」

「そうですね。カズヤさんが私に敵対するなら相性最悪です。でも、一緒に戦うなら私達は最高の相性になります」

 

未来の説明は事実だろう。実際、ここまでやって手も足も出ていない。

また、最高の相性、というのも確かにそんな気がしなくもない。

 

「更に言えば私とカズヤさんの相性もあります」

「どういうことだ?」

「しらばっくれないでください。私との同調、初めてなのに響達よりも深く繋がってるのを感じませんか?」

「...」

「沈黙は肯定と捉えます...私は、全身であなたを感じますよ。あなたから流れ込んでくる力が、血液が沸騰したように熱くて、その熱が体のありとあらゆる箇所に余す所なく行き渡っていくのが分かります。あの時のように強く抱き締められてるみたいで、頭も心も蕩けてしまいそう...私達、きっと体の相性も最高なんですよ」

 

上気させた頬を両手で押さえ、とろんっ、とした眼差しでこちらを見てくる。

そんな彼女にカズヤは忌々しげに睨むしかできない。

同調している状態でこれだけ戦局が不利なら、同調現象が発生しない第一形態で戦った方がまだマシだ。

そうすれば未来の戦闘能力は激減する。

しかしそれはできない。同調を切るということは、同調によるメリットを全て捨てるということ。それは装者の肉体に掛かる負荷の軽減も捨てることになる。

未来は正規適合者ではない。だから、同調を切ってどれほどの負荷が肉体を蝕むか知らないが、その選択だけはあり得ない。

 

「降参しますか?」

「する訳ねーだろ」

「カズヤさんならそうですよね...なら、屈服させます」

 

彼女はバイザーで再び目元を隠した。

 

「ハッ、やってみろってんだ!!」

 

未来に向かって突っ込む。

飛来する紫の光を最低限躱し、躱せないのは腕でガードして弾く。

間合いに入ったら拳を振りかぶる。

 

「何度やっても無駄です」

 

またしても一枚の大きな鏡が盾となり前を立ち塞がり、

 

「それはこっちのセリフだ」

 

虹の粒子となって分解され、消え失せた。

 

「っ!?」

「いっただきぃぃぃ!!!」

 

驚いた様子の彼女の顔に右ストレートがクリーンヒット。バイザーが砕け散るのに構わずそのまま振り抜く。

吹き飛び、水柱を上げて海に沈む未来に追撃は行わず、彼女が海面まで戻ってくるのを待つ。

やがて、バイザーを失い素顔を露にし、濡れネズミとなった彼女が戻ってきたのに合わせて口を開く。

 

「相性が何だってんだ」

「...」

「未来。お前は俺を誰だと思ってやがる」

 

黙したままの彼女に向かって腹から声を出して言ってやる。

 

「俺はアルター使い、"シェルブリットのカズヤ"だ! 相性が良いとか悪いとか、その程度のことで俺に勝った気になって、見下してんじゃねぇぇぇぇっ!!」

 

彼女は、唇を切ったのか口の端から垂れる血を左手の親指で拭うと、恍惚の表情を見せた。

 

「...素敵...」

 

ペロリと舌舐めずりしてから言葉を紡ぐ。

 

「ますますカズヤさんのことが欲しくなってきちゃった......私、もうあなたのこと以外考えられない」

 

そして、二人は激しくぶつかり合うことを再開した。

互いを求めて喰らい合う獣のように。




この作品における未来のオリジナル技

・全方位に光を放射
予備動作なし、範囲は未来を中心にして円球体状に十数メートル。
イメージとしてはゴジラの体内放射や、格闘ゲーム"ギルティギア"シリーズの『サイクバースト』みたいな感じ。要するに自分の周囲に衝撃波を放って相手をぶっ飛ばす技。

・ビットとしていた小さな鏡を一つの大きな鏡とする
鏡に相手を映し、相手の接近攻撃を鏡像が相手と同じ接近攻撃をして防ぐ。
飛び道具はそのまま反射、跳ね返す。

上記二点は遠距離攻撃の種類が乏しく接近戦に活路を見出だすカズヤには非常に有効(なお鏡は分解されるのでもう通用しない模様)。
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