深い闇の中、気配がひとつ消えていく。
「はぁ、はあっ…」
なんで、なんでっ
近所のおっさん 達は道端で死にまくってるし、ガキンチョ供も、小煩いオバさんたちも、逃げ遅れたのか死んでる。
屍を横目にひたすら、家路へといそぐ。
皆も、うちは一族。
俺も、家族もうちは一族。
俺はうちはナユタ。
医療忍者だ。
うちは一族なのに?と疑問だろうが、俺は戦闘があまり好きじゃない。生きるか死ぬかの時は仕方ないが、人を殺すのが苦手だった。
それが敵であろうが、動物だろうが苦手だった。
だからサポートメインの医療忍者の道を選んだ。普段は木の葉病院で勤めて、有事の際は任務に同行する。弱けりゃ先に狙われるから、あり程度鍛えたが、せいぜい中忍レベル。
元は平和になれ腐った日本人、転生したのがピザ屋で働くフリーターにNARUTOの世界は辛いものだった。求められる強さ、忍と言うつきまとう死の恐怖。うちは一族に生まれた重責。
チートなんて天才しかなれない。いくら凡人が努力したってチートにはなれない。
才能も無い、意気地もない、覚悟もない平凡な俺はただ、自分の才能の無さに絶望していた。
神様?そんなもん一介の人間が会えるわけがないだろ。
この世界に、別世界から転生するだけで十分チートだよ。
俺が出来ることはただ、死なないための努力しかなかった。
医療忍者になれば、怪我しても自分で治せるかもしれない。
体力、持久力、それと足が速ければ生存率が上がるかもしれない。
幻術や多少の忍術でも覚えていれば敵を欺く事が出来るかもしれない。
だから、俺は綱手様に医療忍術の教えを請い、四代目火影には飛雷神の術や、瞬身の術の教えを請いた。
全ては自分のために、自分が死なないための力が欲しかった。
だけど、今、俺は後悔している。
「あ、ああ…っ!」
家に着くと、既に息絶えた妹と両親の亡骸がそこに転がっていた。
傍らには血で濡れ、鈍く光る苦無。燃え盛る炎に浮かぶ黒いかげ。赤々と浮かぶ写輪眼。間違いない、あれはうちはイタチ。俺の同期で、天才と名高いあのうちはイタチだった。
優しい人達だった。俺が医療忍者になると決心した時も心から応援してくれた。
弱虫、うちはの落ちこぼれと馬鹿にされる俺を慰めてくれた妹はまだ、まだ、たったの7歳だ。
なんで、死ななきゃいけないんだ?
なんで、優しいアイツがこんな酷い事をするんだ?
『……なあ、ナユタ。家族が好きか?』
「なんで、なんでなんだよっ!イタチぃい!!」
炎の中で見た幼馴染の顔はどこか悲しげで、 苦しげで…だけど揺らがぬ
決意があった。
その日、うちは一族は〝ただひとり〟を残して滅亡した。
主人公
うちはナユタ(13)
写輪眼をまだ開眼してない。
弱味噌、常に自分の生存率を気にしてる。
自分はチートじゃないと思っているが、周りから見れば違う意味でチート。
鬼怖い。