落ちこぼれうちはの鬼狩り戦線   作:酉野笹実

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勘違いはこうしてされていく

うちはナユタ13歳。前世はフリーター今は元医療忍者、現在無職の迷子。

 

現在、俺は

 

「那由多!!水なれ!」

 

「うおぉお!!俺は水だぁああ!」

 

滝業していた。

 

 

可笑しいよね?可笑しいよね?これ。

 

なんでこうなったのか、半年前に遡る。

 

鬼滅の世界だとわかったのは、あの鬼だ。希血だなんだって言ってたし、朝日で身体が燃え滓みたいに消えたから間違いないだろう

 

ここが鬼滅の世界だ知って、妹のユズを木の葉に返すのは難しいだろうなと痛感した。

 

俺と妹は漏れなく希血らしい。うちは一族の血か?やっぱり血継現界の血って特殊だからか?

 

俺は妹を火葬することにした。妹の亡骸を土葬した所で匂いを嗅ぎつけた鬼が妹の墓をほじくり返すかもしれないからだ。

 

知らない世界でひとりぼっちで葬られる妹が哀れだった。だから、俺は妹の眼を自分の眼に移植した。今、妹の瞼の下には俺の眼が入っている。

 

おい、ドン引きすんなよ?俺だってこの時かなり精神的に不安定だったからな。

 

この時の俺は見知らぬ世界で妹を葬るのが辛くて仕方なかった。せめて自分の代わりに、開眼したての写輪眼があの世で妹を守れるように。そう願いをこめて、自分と妹の眼を交換したのである。そこ、サイコ野郎って言うなよ?泣くぞ?

 

それから妹の髪を切って、持ってた紙に包んだ。これはもし、木の葉の里に帰れたら両親の墓に一緒に埋葬してやりたかったからだ。

 

俺は火葬の準備をした。木や乾いた落ち葉や木の枝を拾って妹の亡骸の周りを囲い込む。人間の身体はそんなにすぐ燃えないから、燃やす燃料が必要になる。

 

せっせと火葬の準備をしていたら。いきなり声をかけられた。

 

「坊主。そこで何をしている?」

 

気配がなかったのにもびっくりしたが、その声は間違いなくあのエロ仙人のあの人だったからだ。やっぱりここはNARUTOの世界なのかっとブワッて涙が溢れて、振り返ると

 

 

天狗がいた。

 

 

はい、わかりますよね?

 

鱗滝さんです。ハイ、あの鱗滝さんです。

 

 

神よ死ね!間違いなく鬼滅時空じゃねえか!ふざけんな!

 

でもね、いきなり山の木立ちの間からあの天狗面の爺さんが気配なく立ってたらびびりません?俺はチビリそうになったがな!

 

え?お化け?お化けなの?

思わず持っていた苦無で妹を守るように立てば、鱗滝さんが手を出して敵意はないと示した所で、俺は漸く鱗滝左近次と言う人間だとわかり肩の力を抜く。

 

 

「…っこんな、山奥で何をしている?」

 

「…妹を、」

 

う、前世の悪い癖出てるぅ!なんでこんな時に声詰まる!前世の俺は年上、とくに鱗滝さんぐらいの爺さんと話すのが苦手だった。小さい頃それはもう厳しい爺さんがいて、悪さをすればこれでもかと叱られる。そのトラウマのせいで、一旦緊張すると、声が詰まる癖がでてしまい、顔を俯かせる。

 

「……殺されたのか?」

 

心臓をひと突きだった。これなら、妹は苦しまなくてすんだだろう。

 

「…何故埋めてやらんのだ?」

 

「鬼が、っ妹を希血だと。きっと埋めても掘り返される。」

 

「……だから、火葬を?」

 

「……はぃ。」

 

「よく、…良く、その鬼から妹を抱えたまま逃げたものだ。」

 

気がついたら朝日登ってたからな。逃げたと言うか、あの鬼の自滅っぽいけど。

 

「わしは鱗滝左近次と言う者だが、お主の名は?」

 

「うちはナユタ…です。」

 

 

これが、鱗滝さんと俺の出会いだった。

 

 

 

……………

 

 

鱗滝左近次は狭霧山を回り、罠の設定の不備がないか見廻りをしていたとき、ふと人間の血の香りにもしやと足を向けると13歳ぐらいの少年が、7歳ぐらいの小さな女童の周りを木で囲い、枯葉をひきつめていた。

 

女童は心の臓を突かれたのか既に死んでいるのがみてとれる。

 

少年と女童はよく似ていることから恐らく兄妹なのだろう。匂いは不思議な感じだが、間違いなくひとの子だ。ぼろぼろの衣服、血に染まった羽織に酷く憔悴した横顔が哀れだった。

 

「…坊主、そこで何をしている?」

 

「⁈」

 

ふところから苦無を取り出してこちらを伺う。感情の匂いは怯えと警戒。少し薬の匂いもする。薬の知識があるのやもしれない。

 

スキもない良い構えだ。目もいい。絶えず鱗滝の動作を観察している。これは中々、素質がある。

 

苦無を持っていると言うことは今は少ない忍びの里の子だろうか?今の音柱の宇髄天元もたしか忍びだったはずだ。身体的にもうすこし鍛えて、呼吸法を教えてやれば良い鬼殺の剣士になるであろう。

 

鱗滝は敵意がないと手をだして制せば、少年の肩の力が少し抜けたようだ。

 

 

 

 

「…何故埋めてやらんのだ?」

 

そう問えば、少年は声をつまらせた。

 

「鬼が、っ妹を希血だと。きっと埋めても掘り返される。」

 

 

希血、なるほどと鱗滝は納得した。この少年の家族は鬼に襲われたのであろう。妹を抱えて鬼から逃げたが、妹の傷は深く死に至ったようだ。

 

重傷の、しかも希血の妹を抱えて良くぞここまで逃げたものだ。

 

「……だから、火葬を?」

 

「……はぃ。」

 

「よく、…良く、その鬼から妹を抱えたまま逃げたものだ。」

鱗滝は思わず鼻の奥がツンとする。死した妹の亡骸を鬼から守るために燃やすと言う少年の覚悟に胸が熱くなる。

 

育てよう、いつか妹を殺した鬼を倒せるよう。もう、大切な人間を失わないように。

 

 

 

「わしは鱗滝左近次と言う者だが、お主の名は?」

 

「うちはナユタ…です。」

 

うちはナユタ?漢字は内葉か、いや裡葉か?

 

ナユタは那由多。極めて大きな数と言う仏教用語だったはずだ。

 

良い名だ。いつか必ず彼は上弦の鬼を倒せる剣士になる。

 

 

鱗滝左近次はその核心を持って少年に、うちはナユタに手を差し出した。




うちはナユタ(13)

勝手に名前の漢字を当てられる。以後、書面だと裡葉那由多になる。
エロ仙人とは直接面識ないが、アニメで知ってる。
爺さん系にトラウマあり。前世はプチコミュ障だった。
無自覚シスコン。

目の交換をしたのはうちは一族の愛からだと思われる。

体術はあまり得意ではないが、頑張る。

火が得意なうちはなのに、水の呼吸を覚える事になった。


うちはユズ(享年7さい)

主人公の妹。イタチが初恋の物静かな女の子。心臓をひと突きで殺される。

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