性転換系異世界勇者配信者が性転換して異世界の勇者になった話 作:たま
ゴブリンの悲鳴と同時に、私の前に小さな影が立ち塞がった。
「いま助ける。」
女の子だ。鎧を着て、剣を持った女の子。僕の救世主が突如として現れた。
その女の子がその剣を振るうたび、辺りに次々とゴブリンの悲鳴が響いていく。
「ふぅ......これで最後みたいだ。」
戦闘は僕が状況を理解する前に終わった。目の前には大量のゴブリンの屍が転がっている。
「か、かっこいい...」
心の声が漏れてしまった。でも、急に現れた女の子が危機的状況から救ってくれた。心の声が漏れてしまっても仕方ないと思う。
「君、大丈夫?けがとかない?」
「あ、はい...大丈夫...です。けがは......いっ!」
一度立ち上がって体にけがはないか見てみたら、膝から血がでていることに気がついた。すると、途端にその部分が痛みだした。怪我の原因は転んだからかな。
「...結構血が出てるね。ちょっと待ってて......」
女の子はそう言うと、少し離れた所まで行き、何かを採って戻ってきた。手には草を持っていた。
「膝出して」
「は、はい!」
言われるがままに血がでていたほうの足を出すと、その手に持っていた草を僕の足に巻き始めた。
「これは...?」
「これ?薬草。痛も和らぐし、傷の治りとかもはやくなるから。」
女の子が言ったとおり、少しずつだけど痛みは引いていっている気がする、いや引いていっている。 それと同時に、薬草の効果ではないと思うけど、少し落ち着ける状況になったから、精神的な疲れも少しずつ癒えていっていると思う。
「それはそうとして......君。」
「な、なんですか!?」
怒られたような気がして驚いてしまったけど、女の子の言葉は怒る、よりも心配してくれている、の方が近いと思う。
「ここに女の子1人は危ない、こんなところで何してたの?」
「え、え~と......気がついたらここで寝てました。」
「気がついたら......名前は?」
「僕はあま......ミルキー・スターです。」
普段名乗っている僕の名前を言ってしまいそうになった。それでもいいかもしれないけど、今の僕は僕じゃなくて、異世界の勇者、ミルキー・スター。そういうことは大事にしたい。
そして僕がミルキー・スターと名乗ると、女の子は驚いた表情を見せた。
「まさか......本当に?」
「え、嘘じゃないです...」
「......っと......その......」
「......?」
「私...あなたのファン...です。」