性転換系異世界勇者配信者が性転換して異世界の勇者になった話 作:たま
異世界ではじめに出会った女の子は僕のファンでした。
「...僕のファン?」
「そうなの!」
女の子は元気よく頷いた。
僕のファン……ファンができるようなことはまだしてないし、配信者としてなら一人いるのかも程度だし……
「私は
「あ、ありがとうございます、すごく嬉しいです。」
勇Padというのはよくわからないけど、言葉の響きからしてスマホみたいなものなんだろうな。それより、人にファンと言ってもらえるのはすごく嬉しい……けど、それは配信者としての僕のことではなくて、この世界の勇者としての僕のことなんだろうな。そうなら、そのミルキー・スターではなくなってしまったから申し訳ないかも。
「どうやって僕を知ってくれたの?」
「そうですね、ミルキーさんは覚えてないかもしれませんが、私がもっと小さかったときの話です。」
彼女がミルキー・スターの話を始めたその瞬間、急に頭が痛くなってきた、頭の中に何かが入ってくる。そんな感覚がする……これは……
「よ~っし!この辺の魔物もだいたい片付けたかな~。」
そのとき、遠くの方から叫び声が聞こえた。
「こんなところに女の子?急がないと……」
もっと速く!もっと速く!もっと速く!
こんなんじゃ逃げ切れない!
じゃなきゃダメ、じゃなきゃダメなの!
じゃなきゃ死んじゃうの!
「ギギャアァァァァァ!」
数えきれない、数えようとも思えない。そんな大群のゴブリンが追いかけてくる、どこまでも。
「はっ…はっ…だれかぁ……たすけて……あぁっ!」
石につまづいて転んでしまった、躓いてしまった。もう逃げることができなかった、立ち上がる力も残ってはいなかった。
「もう……ダメなの……動いてよぉ……」
一番前のゴブリンが飛びかかってきた。
怖くて目を閉じた。
すると聞こえてきた。
「ギェビ」
いつの間にか閉じていた目を開くと、目の前に剣を持った女の人がいた。
「待たせたね、今助けるからと、そう言って私を救ってくれたのはあなたです。」
今のはミルキー・スターの記憶だ、今のストーリーは僕がつくったことのないものだ。ミルキー・スターはこの世界で存在していたのか、それとも僕がつくったミルキー・スターの設定を裏付けるようにこの世界がつくり出されたのか、そんな疑問が浮かんできた。
「……聞いてました?」
「も、もちろん聞いてたし、それに、そのときのことは思い出したよ。」
「!……そうですか、なら良かったです。それとさっきから胸の勇Padが鳴ってますよ。」
「胸の勇Pad……あ!」
パジャマの胸ポケットには普段使っているスマホが入っていた。画面を点けてみると、今気づくまでに何件ものメールがきているのがわかった。
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