性転換系異世界勇者配信者が性転換して異世界の勇者になった話 作:たま
「
「うん!」
今から行う配信は、あくまで僕の友達である
面白い配信にしよう、という考えは無い。
『配信始めるよ、見ててね』
という内容の文をメールで送り、SNSにも同じようなことを書いて、配信を開始することにした。
「どうもー!ミルキー・スターだよー!」
初配信のときと同じような挨拶をした。まだ2回目の配信ということもあって緊張もしているけど、噛まずに言うことができた。
この配信を見てくれている視聴者の数は1と表示されていたので、
「なんとね、今日の配信はひとりじゃないんだよ」
そう言い、
「はじめまして〜、みんなに愛と笑顔を!
「はい、今日の配信は
僕がこの世界に来てからのことについては、また別の機会に話すことにした、配信の目的とはあまり関係がないと思ったからだ。
「じゃあ、この配信で僕がしたいことなんだけど、それは、親友に僕が僕であることを信じてもらうためなんだよ。だから、僕は今からあることについて話すね」
どうすれば
それは、
「親友の黒歴史について話すよ!」
そう、僕がこれから話すのは親友の黒歴史、誰にも知られたくない、封印してしまいたい過去のエピソード。
当時、僕も一緒になって同じことをしていたので、お互いに精神的なダメージを受けると思う。けど、これが一番手っ取り早く、信じてもらえる方法だと確信している。
そして僕が話そうとしたそのとき、
『ちょっとまて』
そうコメントがきた、それは初配信にも来てくれたラブスターさんのものだった。最初から見てくれている唯一のファンなので、親しみもある。
「あ、ラブスターさん、こんにちは。いまから親友の黒歴史について話していくよ」
『それはやめたほうがいい』
「やめたほうがいい?それってどういう…あ!」
いまさら気が付いた、ある可能性を。
理由はある、ラブスターさんは黒歴史を話すことを止めようとしていること。それと、配信の視聴者数がずっと1と表示されていること。
もしそれがあっているなら、ラブスターさんは…
「ラブスターさんには止められたけど…やっぱり話そうかな」
そのとき、電話がかかってきた。相手はもちろん
「ごめん!電話がかかってきたから、今日の配信は終わりにするね!またねー!」
すぐに配信終了のボタンを押し、電話に出る。
「
『信じるからぁ!』
第一声は叫び声だった、
『だからぁ!それだけはやめてぇ!』
魂の叫びだった、
「
『信じる、だから絶対言わないで』
「わかってるよ、言わない言わない」
配信で親友の黒歴史を言うことはできなかったけど、目的は達成できたから、結果的には良かった。
「一応確認するけど、
『…そうだけど、ねぇ
「それは…僕も知りたいことかな」
『ねぇせ…』
「…?
急に声が聞こえなくなってしまった、スマホを確認してみると、どうやらバッテリーが切れてしまったみたいだった。充電しなければ使用することはできない。
「充電、この世界で充電はできるのかな」
スマホのような、勇Padなるものが存在するようだし、できるのかも知れない、できないと困る。とても困る。本当に。
「ミルキーちゃん?どうかした?」
「え?」
何のことかと思い、自分のことを気にしてみると、いつの間にか涙を流していた。今まで、スマホが唯一の元いた世界との通信手段だったのに、それがなくなってしまった。
それはつまり、今の僕にとっては、心の支えがなくなったということと同じ。
「事情はわからないけど、泣きたいときは泣いてもいいんだよ」