Journey Through The Rainbow   作:がじゃまる

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授業と課題でどったんばったんしてます

今回龍騎編ラストです


14話 新しい未来

 

 

 

「―――ってぇぇ……!」

 

 龍騎が何かしらのアドベントカードを使ったと思えば、次の瞬間にはミラーワールドから表の世界へと叩き出される。

 照り付ける日差しにそれを反射する青い海。先程まで俺達がいた内浦と何ら変わりのないように見えるが……。

 

「…一応上手くいったみたいだな」

 

「そうだな。もう少し雑さが抑えられてりゃもっとな。何かは知らねえけど」

 

「……見ろ」

 

 変身を解除した真司が指さす先には至って普通の女子高生が二人。下校途中なのか、会話に花を咲かせながら笑い合うその光景はまさに青春の一ページと言ったところか。

 

「長袖着る時期にしちゃあ遅くないか? もう夏だぞ」

 

「……こっちだとまだ春先なんだよ」

 

 続き、首を傾げる俺の前で真司は一枚のカードを取り出して見せる。

 今にも砂の粒子となって消えそうなその一枚に抱えていた文字は、˝TIME VENT˝。

 

「このカードには時間を超える力がある。それを使って過去の世界に飛んできたんだよ」

 

 TIMEの文字が指す通り、そのカードを使えば過去の世界に飛べる。

 元々は支配者たる仮面ライダーオーディン専用のカードだが、奴を撃破した際に舞い散ったカードの中からこれを見つけたと真司は語る。

 

「…咄嗟にしちゃあ随分と機転が利くもんだな」

 

「まあな。実は少し前からこのカードの存在は耳にしてたんだよ、噂程度だけどな」

 

 自嘲気味に笑う真司の手の中から、タイムベントのカードが完全に消失する。

 

「そんな夢みたいなカードがあるっつっても噂は噂だからな。これで黒澤と松浦を助けられりゃ一番いいんだろうけど、存在するかもわからないものに希望を掛けても仕方なかったし」

 

 聞けば二年前のすれ違いをきっかけに、小原達三人のAqoursはバラバラになったままだという。

 けれど小原だけは諦めずにまた三人でスクールアイドルを始めようとしていた……今回の事件はその矢先に起こったらしい。

 

「そりゃあさ、二人が死んだことは事実だし、ちゃんとそれを受け入れて進んでいくべきだったのかもしれないけどさ。……それでもやっぱり、いざこうしてアイツ等を助けられるかもって思ったら、欲が出ちまった」

 

 もしタイムベントのカードがなかったら。その場合真司がどう決断していたかは分からない。

 けれど実際にそのカードによって過去に飛んだ今、真司が選ぶことは―――、

 

「……俺はまた、楽しそうにスクールアイドルをやってる鞠莉が見たい」

 

 小さく漏れた、彼の願い。

 例え正しい選択でなくたって、それでも変わらない願望。

 

「…いいんじゃねーのか、別に。それで咎める奴ぁいねーだろ」

 

 確かに真司の言った通り、二人の死は受け入れるべき事実だったのかもしれない。

 けど少なからず、間違った選択ではない。それだけは言えた。

 

「…俺の両親、小原グループの……まあつまり鞠莉の親父さんの展開してた事業の工事中に事故で死んじまってな」

 

 不意に、真司が語りだす。

 

「それ以来鞠莉も親父さんもやたらと俺のこと気にかけてきてな。誰が悪い訳でもねーのにさ…」

 

 過去に失った者だからこそ知る痛みがある。

 それを表すかのような真司の語りには、心なしか重みが感じられた。

 

「でもそれに救われた。鞠莉が傍にいてくれたから、俺は前向いて生きてこられたんだ。……だからさ、鞠莉には笑っていて欲しいんだよ」

 

 まあ、聞く人間からすれば馬鹿馬鹿しいことこの上ないのかもしれない。綺麗事だなどと抜かす者だっているだろう。けど理解できなくはなかった。

 

 俺も一人、たかだか女一人のために世界を救おうとしている馬鹿を知っているから。

 

「…だったら話は早いだろ? せっかく過去に飛べたんだ。ぱっぱと片づけるぞ」

 

 再びドライバーを巻き付けた俺に真司も続く。

 真相暴きの探偵パートはここで一区切り。ここからはクライマックス、救うための戦いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……地味だな」

 

「仕方ねぇだろ。向こうもミラーワールドから襲ってくるんだからよ」

 

 滞在時間の限界が来た俺が外で待機していた龍騎と入れ替わる。

 作戦は至ってシンプル。ミラーモンスターが襲ってくるまで松浦を見張り続けることだ。

 

「今時刑事でもこんな張り込みしねーだろ。古いわ」

 

「お前さっきまでのやる気どこ行った……?」

 

 タイムベントで飛んだ日付は丁度松浦果南が消えた日。

 見つかった所持品の場所から割り出した襲撃ポイントまであと十数メートル。そしてその瞬間は急に訪れた。

 

「…いきなりだなっ……!」

 

《FOAM RIDE》

 

 

《KUUGA PEGASUS!》

 

 

「あらよっと!」

 

 ガラス同士を擦り合わせたような共鳴音が響いた刹那、瞬時に緑のクウガへと姿を変えた俺の腕から音もなく風の銃弾が撃ち出される。

 それは周囲の者……今まさに鏡面より飛び出さんとしていた怪物にすら気付かれることなく、風圧の弾がミラーワールドへと吸い込まれる。

 

 あとは向こう次第だが……、

 

『ッ―――!!!』

 

 ライダーのみが見え得る鏡の向こうの世界は現実世界でそこに対応する場所の鏡に映る。

 今でならすぐ目の前。松浦が引き摺り込まれたと思しき鏡には、龍騎によって蹴り払われる巨大な鮫の姿が映った。

 

「成功か?」

 

「ああ、おかげさまでな」

 

 再び飛び込んだミラーワールドの中で龍騎と並ぶ。

 眼前に構えるのは二体の魚類型のミラーモンスターに、その奥で肩を震わせる水色のライダー……アビス。

 

「……何なんだお前等…! どうして邪魔をする!」

 

「アンタを倒すためだよ……鎌田さん!!」

 

 言い切るより早く、二体の獣の間を突っ切った龍騎の剣がアビスへと切り掛かる。

 咄嗟に腕で防御を試みたアビスだったが、不意を突かれたためか防御力を生かしきれずに後方へと吹き飛んだ。

 

「その声は小原のとこの……お前もライダーだったのか?」

 

『そうだ。僕の復讐を邪魔をするために未来からきた……ね』

 

「「っ……!?」」

 

 同じ声が続く。

 だかそれは同一人物から発された声ではなく、後者の方は前者にない威圧感や気味悪さを秘めたもの。

 

「お前ッ……!?」

 

 ここには……いや、この時間には存在しないはずの奴がいた。

 アナザー龍騎。俺達のいた時間、つまりこの地点から見た未来で誕生した、鎌田の新たなる姿。

 

「なんでお前が……? まさかお前もタイムベントに……!?」

 

『ギリギリ間に合ってよかったよ……過去が変わっちゃ僕が困っちゃうからねぇ……!』

 

 問答を遮る怒号が上がり、龍騎がアビスにしたようにアナザー龍騎が龍騎へと激しい太刀を浴びせる。

 何か別な手段で過去に来たとは考えにくい。となると、真司の推測通り俺達と一緒にタイムベントで飛んできたと考えるのが妥当か。

 

「…つ、次から次へと何なんだよ……!?」

 

『……君が知る必要はないよ』

 

 アナザー龍騎が次の標的として狙い定めたのは、なんと過去の自分自身であるアビス。

 タイムパラドックスなどを気にもかけず、一切の躊躇もなく装甲ごとその身体を貫く。

 

「あ…ああぁぁぁぁ……ッ!?」

 

「お前何を……?」

 

 まもなく光の粒子となったアビスがアナザー龍騎へと吸収される。

 過去と未来の鎌田が一つになった……とでもいうべきなのか、ともかくコイツは自分自身を取り込んだのだ。

 

「自分を食った……?」

 

「っ…! また来るぞ!」

 

《FOAM RIDE》

 

 

《KIBA DOGGA!》

 

 

 咄嗟に重量のあるドッガフォームで抑え込みにかかる……が、奴はいともたやすく俺を払いのける。

 己を食らったことでパワーアップしたのか、前よりも明らかに増しているその膂力はライダー二人掛かりでも抑えることが出来ない。

 

《STRIKE VENT》

 

『アアアァァァッッ……!』

 

 強化されたのは力だけでなく速度もか。

 距離と取って撒き散らした爆炎の壁も難なく突き破られ、歪な青龍刀の一閃が俺達を薙ぎ払った。

 

『最高の力だ…! これでまたアイツ等を……いや、今度はあのガキの目の前で殺してやる……!』

 

「…鞠莉に何の恨みがある! 生きるアテもなかったアンタを助けたのは鞠莉だろ!!」

 

『黙れェッ!!』

 

 激昂のままに偽物の龍騎が本物の龍騎を蹴り上げる。

 

『助けただと…? 僕から何もかも奪ったのは小原家だろ! アイツ等がホテル事業に参入さえしなければ僕はこんな無様なことにはなってなかったんだッ!』

 

 真司の話では、鎌田も以前は小原家のようなホテルグループの御曹司だったらしい。

 だが小原家との競合に負けグループは一気に衰退。その後しばらくは小原家の傘下に入って細々としていたらしいが……、

 

『どんな屈辱だったと思ってる!? 全て奪っていった挙句面倒を見るだと!? どれだけ僕を辱めれば気が済むんだッ!!』

 

「がはっ……!」

 

 横暴な呪詛を孕み、より力を込めて降り抜かれた足が龍騎を捉えた。

 もはや形容する言葉も見つからないほど高慢な自己本位を掲げ、鎌田はなおも吠える。

 

『だから僕もアイツ等から何もかも奪ってやるって決めたんだ。そのために使用人になってあの家に潜り込んだ。けどそれをお前らがぁッ!!』

 

 自分に不都合な世界、それを生み出すもの全てを糾弾するように奴は叫ぶ。

 怨嗟の火を噴き、俺達を蹴り飛ばし、何度も、何度も。

 

『今度こそ邪魔はさせない……! まずは僕の苦しみなんて何も知らずに何不自由なく生きてるあのガキから―――』

 

「……ざっけんじゃねぇッ!!」

 

 別の叫びが上がった。

 這いつくばりながらも、地を舐めながらも、それでも決して折れることのない信念を秘めた男の叫びが。

 

「過去のことしか見てないアンタに……鞠莉の未来を奪う権利なんざ…ねぇ……!」

 

『アァ……?』

 

「鞠莉も、アイツ等だってそうだ。どんだけ苦しんでても前向こうとしてんだ、進もうとしてんだ…!」

 

 事件に至る前までに真司や小原がどんな心境でいたのかは知らない。けれど、ずっと近くで彼女を見続けていたコイツが言うのなら、間違いはないのだろう。

 

「それをテメェは一度踏み躙った……二度もアイツを泣かせはしねぇッ!!」

 

 大切な者のための怒りが拳に乗り、アナザー龍騎を殴り飛ばす。

 立ち上がる意味も、命を張る理由もコイツにはある。それが本物(龍騎)偽物(アナザー龍騎)の、本質的な差。

 

「真司ッ!」

 

 そんな男気見せられていつまでも転がっている訳にもいかない。

 立ち上がり様にドッガハンマーをぶん回し、殴り飛ばした龍騎をもんどりかえって転がる奴へと肉薄させる。

 

《KAMEN RIDE》

 

 

《DECADE!》

 

 

 再びアナザー龍騎を捉えた拳に続き、握り直したライドブッカーで更なる追撃。刹那に爆ぜた炸裂音がその身を切り裂いた。

 

『ガアァァァ……! こんな…、こんな馬鹿共に……!』

 

「ああそうだ。確かに馬鹿だな」

 

 狂ったように刀を振り回す奴に短く返す。

 

「自分一人で傷ついても、気付かれなくても、嫌われても、たった一人の女のために身を投げ出せる馬鹿だよコイツは」

 

 口では言うが、そう簡単にできることではない。狂気的なまでの信念と決意があって初めて成せるものだ。

 

 だからこそ、それを人は強さと呼ぶのだろう。

 

「けどそんな馬鹿だから何が大切なのかが見えている。だから前を向けるんだ。……過去しか見えずに止まったまま生きてるお前とは違うんだよ!」

 

『黙れ…黙れェ! 大体誰なんだよお前はァッ!!』

 

「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」

 

 ライドブッカーから飛び出した三枚のカードが舞う。

 内の一枚、竜のクレストが刻まれた金色のカードを選び取り、ドライバーへと叩き込んだ。

 

《FINAL FOAM RIDE》

 

 

《RYU・RYU・RYU・RYUKI!》

 

 

「ちょっとくすぐったいぞ」

 

「は? なに―――どおぉぉっ!?」

 

 龍騎の背中に裂け目が生じ、同時に手にはドラグセイバー、方にはドラグシールドとアドベントカードによる装備を強制的に展開。

 そして俺がその裂け目を広げれば、大凡関節を無視するような変形の後に龍―――契約モンスターであるドラグレッダーの姿となる。

 

「おい!? なんだよこれ!?」

 

「細かいことは気にすんな。行くぞ!」

 

 飛び出した俺に先行しリュウキドラグレッダーが蛇行しながらアナザー龍騎へと接近。吐き出した火球の群れを殺到させる。

 

『くそっ……!』

 

 咄嗟に奴が盾にしたのは二体いる奴の契約モンスターの融合体であるアビソドン。どうやら過去の自分を吸収したことでその契約もコイツへと移ったらしい。

 だがその抵抗ももはや無意味に等しい。灼熱の火焔によりアビソドンは瞬く間に爆散し、生じた爆炎ごと切り裂くように繰り出されたテールアッパーが奴を天へとカチ上げる。

 

「コイツで終いだ」

 

《FINAL ATTACK RIDE》

 

 

《RYU・RYU・RYU・RYUKI!》

 

 

 リュウキドラグレッダーの火焔に乗り、叩き込んだ片足がアナザー龍騎を貫く。

 二人の戦士が降り立つと共に偽物の身体は弾け、断末魔をも掻き消す爆音が鏡の世界に轟いた。

 

 

 

 

 

 

「…やったぜ、鞠莉……」

 

 微かに残った奴の肉片が粒子となって風に消える中、ここにはいない少女に向かって真司が呟く。

 彼女達の未来を奪わんとする障害は退けた。これで一先ず、あの二人が死ぬのを避けられたと言っていいだろう。

 

「……感慨に耽るなら後にしとけ。未来守っても俺達が消えたら意味ないぞ」

 

 そろそろミラーワールドに滞在できる時間も限界だ。身体が消滅を始める前に外の世界、しいては元の時間に戻らなければいけない。

 

 真司の戦いはここで終わったかもしれないが、俺の戦いはまだ終わっていないのだ。

 

「…ん? ちょっと待て、どうやって元の時代に帰るんだ?」

 

「は? またタイムベント使えば……」

 

 とまで言いかけて、ようやく真司の言っている意味を理解する。

 俺達をこの時間へと運んできたタイムベントのカードは一回限りの使用回数。いわば片道切符なのだ。

 

 まあつまり、今の俺達には時間を超える手段が存在しないことになる。

 

「どうすんだこれ!? このまま数か月過ごせってか?」

 

「……いや待て、まだこの時代のオーディンは倒されてないからまたカード奪って……!」

 

 数か月は過去に遡ってきたため、歩夢達と合流するには少なからずそれと同じ時間を過ごさなくてはいけなくなる。

 流石にそこまで悠長に身構えてはいられないため遂に強盗まがいな思想に至るが―――、

 

「……全く、世話が焼ける」

 

 不意に耳を撫でたその声。

 俺はこの声を知っている。そう認識する前に伸びてきた灰色の布が俺達の周囲で渦を巻き、気付けばここではない別な場所へと誘っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、果南さん達を助けられたってこと?」

 

「ああ、一応な」

 

 真司と共に小原の元へ戻った直後に詰め寄ってきた歩夢に起こった一連の流れを説明する。

 

 ……あの時何が起こったのかは全く分からない。何かストールのようなものに囲われたと思った次の瞬間には元いた時間に帰ってきていた。

 アレは一体何だったのか、そしてあの時感じたデジャヴは一体……、閉ざされた記憶の蓋の下で、俺は何を知っているのか。謎ばかりが深まってゆく。

 

「…そっか。もう、急に鞠莉さんが明るくなったからびっくりしちゃった」

 

 無事歴史が書き換わったのはこの目で確認した。真司や小原の描いていたような未来に辿り着けるかどうかはまだわからないが、そこは彼等次第だろう。

 

 しかし直接介入した俺や真司はともかく、この時間に残っていた歩夢にも改変前の記憶があるのはどういうことなのか。

 他の世界からやってきた故なのか。そう思うと優木の一件を知られていなかったのは幸いだったろう。

 

「士」

 

 ともあれこの世界での役目は終わった。また旅の続きだ。

 最後に顔を見せた真司を横目にマシンディケイダーに跨り、そのエンジンを切る。

 

「いつか見に来いよ。鞠莉達のステージ」

 

「……そーだな。こっちの世界のアイツ等がどの程度かは興味あるな」

 

「なんだよそれ……またな」

 

「ああ」

 

 動きだした景色が真司を置き去りにして流れていく。

 どこか遠くから聞こえる三人の声が、次なる世界へと俺達を進ませた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ひっでぇな」

 

 荒れ果てた町が目の前に広がる。

 瓦解した建物に所々で広がる赤黒いシミ。何か大きな厄災でも通り過ぎたのかと思わせるその光景は、閑散としているはずなのに混沌を想像させた。

 

「士君、その恰好……」

 

「あぁ……?」

 

 歩夢に指摘され自身の服装を確認する。

 黒一色で統一された、機動性を重視したような無駄のないデザインはどこか軍服を思わせる。

 

「ここ、どんな世界なんだろう……」

 

「さあな。少なくともまともな場所じゃないのは確か―――ッ!?」

 

 改めて周囲を見回した瞬間、少し離れた場所で爆音と悲鳴が上がる。

 咄嗟にそちらへと向かってみればそこには子供を含む数人の人間と、それらへ今にも襲い掛からんとする怪物の姿があった。

 

「…士君」

 

「分かってる!」

 

《KAMEN RIDE》

 

 

《DECADE!》

 

 

 どうしてこういつも、新しい世界を訪れた途端に何かが起こるのか。

 内心そう愚痴りつつ変身を遂げた俺はすぐさま怪物へと突進。ライドブッカー片手に切り掛かって見せる。

 

『ガアアぁッ……!? 貴様……何故俺を攻撃する!?』

 

「さあな、自分の胸に聞いてみろ!」

 

《ATTACK RIDE》

 

 

《SLASH!》

 

 

 すれ違い様に一閃。

 その直後に爆散したのを見届けつつ、俺は振り返って襲われていた連中の安否を問うた。

 

「おい、だいじょ―――」

 

「ひいぃぃ……!?」

 

 が、俺の顔を見るなり蜘蛛の子を散らしたように喚き逃げ去ってゆく。

 その瞳には恐怖以外にも怪訝が映されており、どうやら何故俺が自分達を守ったのか理解できない……と言った感じらしい。

 

『貴様何を!』

 

『我々への反逆か!?』

 

「へーへー今度はなんだって……」

 

 新手の接近を察知し振り返るも、その中に立つ数人の男が俺の意識を射止めた。

 

「せっかくライダーに成れたのに、反逆なんてね」

 

「全く理解が出来ないな」

 

 ダイヤにクローバー、そしてスペード。

 それぞれトランプのマークに模したクレストの刻まれたベルトを巻いた三人の男達は、いずれも―――、

 

『―――やれ』

 

「「「……変身」」」

 

 

《TURN UP》

 

《TURN UP》

 

《OPEN UP》

 

 

 怪物―――アンデットの命令で男達が前へと出で、それぞれが光のゲートを潜って対応する戦士へと変身する。

 ブレイド、ギャレン、レンゲル。いずれも正真正銘の仮面ライダーだが、この世界においては人類の敵…ということらしい。

 

「ブレイドの……世界……!」

 

 




龍騎編これにて閉幕です
クウガキバと初っ端から最終的に覚醒する展開を続けてしまったので行けるかという感じでしたがまあ何とかなりました
あの二人が死なない未来にするかどうかは迷ったんですが、まあ、この話くらいは救いがあってもいいかなって。どうせこの後も似たような話ありますし(不穏)


そして次の世界はブレイド……ですが何か不穏な気配だとラウズカードが告げてますね

それでは次回で。
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