ありふれた英雄願望(挫折)で世界最強   作:LW

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今回は我等がありふれメインヒロイン!ユエの登場回☆
主人公とヒロインが、両方好みのタイプである事って重要だと思う。

特にアニメ版EDテーマのCMで?
ハジメとユエが並んで歩くシーンが、果てし無く好きです。
魔王と愛妻にしか見えない貫禄!実に好い☆



10 パンドラの匣

「マスターは、日本に還るのよね?」

 

「………どうした?突然」

 

今日も奈落の探索を終えての休息。

夜と決めた時間に休みを取って、

水晶手製の栄養補給飲料を飲んで、水晶の用意した寝床で寝る。

そんなサイクルを繰り返していた訳だが、今日は少し違った。

 

「そう言えばマスターは日本に還るんだなぁって、

 やっぱり生まれ故郷は特別?

 それとも、会いたい人でも居るの?」

 

「生まれ故郷、か。

 こう言った異世界転移モノで、日本に還りたい!

 と言い出すヤツは、リア充だと思う」

 

「マ、マスター?」

 

「日本に今まで自分を養ってくれた家族は居る。

 会いたいか?と訊かれれば、まぁ会いたいと答えよう。

 だが命を賭けてまで会いたいか?と言われれば、答えは無い!だ。

 数少ないクラスの友人は、

 同じく異世界に転移したから?これも無い。

 勿論日本に恋人を残して来た!と言う展開も無い」

 

そう、自分には日本に還る大きな理由が無い。

優花に偉そうな事を語った気もするが?実際はこんな処だ。

まぁ、態々文明Lvで劣るファンタジーで永住したく無い!

と言うのも本音だが?

 

「結局?

 平和な日本でぐだぐだゲームをプレイして、ラノベを読みたい程度だ。

 何処まで行っても、特別は無い」

 

「………それって詰り、平穏に暮らしたいって事でしょう?

 別におかしい事じゃないわ。人が求め続けた願いの一つよ?

 マスターはテンプレだ!って言うかもしれないけど☆」

 

そう応える水晶は優し気で、

そっと寄り添って来る夜の水晶を覗かせていて、

事実水晶は、いつの間にか?そっと腕に抱き付いていた。

 

「水晶は、日本に還りたいとは思わないのか?」

 

「私は、一人じゃ大迷宮の外にも出られ無い。

 かよわい精霊さんだから☆

 マスターの居る場所が、私の居場所。

 ………重かった?迷惑?」

 

「いや、構わない」

 

過酷な大迷宮の奈落で、ふたりだけ。

他に誰も居ない。他に頼れる者も居ない。

きっとそれは大きな要因だっただろう。

だが構わない。自分の中で水晶の存在は、それだけ大きくなっていた。

 

「マスターは、優花と日本に還る約束をしたでしょう?

 ………いいの?」

 

確かに優花と日本に還る約束。

日本に還ろう!的な話はした。

だが何と言うか、もっと上位互換的な事になっていないか?

 

「なら歌姫は?

 初対面なのに、相当入れ込んでた。

 ちょっと抱き付かれて朝帰りまでしたでしょ☆

 マスターの銀髪スキー♪」

 

「ぐはっっ!!!

 好みまですっかり把握されてる!」

 

「コネクトの間、やる事が無いから☆」

 

歌姫の銀髪は本当に綺麗だと思った。

勿論あの歌声は素晴らしかったし、金の瞳も綺麗だと思った。

だが銀髪だろう。あの銀髪が一番綺麗だと思う。

その歌姫と一夜を共にした事は、☆5ですら霞む程。

 

「………コネクトの間、記憶が読めるのか?」

 

「凄いでしょ☆」

 

自分の記憶が読まれると言うのは、極めて大事だろう。

だが水晶を攻める気にはなら無かった。

 

「マスター、怒ってないの?」

 

「コッチの信頼度も上がってるって事だ。

 きっと逆コネクトが出来る。やる必要は無いだろうがな?」

 

「そうね?

 でも、それはそれで面白そう☆」

 

その時また、見た事の無い水晶の笑顔を見る。

月のような笑顔だと、そう思った。

 

「それで、歌姫の事。どうするの?」

 

「………また会って、まず名前を訊く。

 知りたい。と思っている」

 

銀髪の歌姫。

彼女の事をもっと知りたい。そう思っている。

あの夜の事が、大きな要因である事は間違い無いだろう。

ただの一夜の劣情かもしれない。そう悩む事も有る。

だがそれでも!と思っている。

八重樫の奴は?そう思わせる狙いだった。と言っていた。

だがそれでも、この想いは変わら無かった。

 

「そこで私一人を選んで欲しい処だけど?

 解ったわ」

 

今日は水晶が上になる。

自分と水晶の重さで、ウォーターベッドが沈む。

 

「マスターが何度他のルートに行っても、

 私のルートに堕としてアゲル☆」

 

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技能:

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■真名看破・世界の裁定・コネクト・永劫の誓い・言語理解

====================================

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世界の裁定(弱体化)

例え偉大なる真の魔術師が、

魔法を否定しようとも、世界はそれを望まない。

効果/

マギアコナトスの裁定者(ルーラー)の固有クラス技能。

水晶は自らの意思で、この技能を弱体化させている。

×対象の全てを世界に捧げる。

○対象の指定した技能を封印する。

====================================

 

 

「………パンドラの匣って処か?」

 

目の前に扉が在る。

天然の洞窟系ダンジョンが続く中、久々の人工物だ。

奈落に墜ちてから丁度50階層目。

この辺りで何か在ってもおかしくは無い。と期待を持つ。

此処に外への出口が有れば一番良い。

 

「如何にも、と言った感じだ。

 これは重要イベントの予感!」

 

久々にアイツの幻聴を聞いた気がする。

アイツは、清水は無事なのか?

止めろ。考えても仕方無い。

オレは必ず此処を脱出する!アイツも何処かでそうしている筈だ。

そして還るんだ。日本に!

 

「鬼が出るか蛇が出るか、敵ならただ潰すだけ!」

 

門番から抉り取った魔石で、扉を開く。

扉を開いて一歩進む度に、照明が灯される。

もっとマシな場所なら、このファンタジー展開を楽しめたかもな?

 

「………誰?」

 

そこにいたのは、鬼でも蛇でも無かった。

いや、鬼には違い無いか?

そこにいたのは、黄金の吸血鬼(封印中)だったからな?

 

「ジャマしたな?」

 

出口じゃないなら用は無い。

どうやら封印を解いて欲しいようだが?

こんな大迷宮の奈落の底で、

どう見ても封印されてるような奴を、解放する謂れは無い。

此処はスルー一択だろう。無視だ。無視!

 

「オィオィ。どう考えても重要イベントだろ?

 無視してどうする?」

 

アイツの幻聴がオレを止める。

この怪しいのを助けろと言う。

あぁもう!確かにアイツならそう言うかもな?

 

「………気が変わった。助けてやる」

 

黄金の吸血鬼を封印する、

やはり黄金の立方体に両手で触れる。

錬成。

オレの数少ない。チッポケな力だ。だが!

 

「オレはコイツを助けると決めた!

 立方体如きが!それをジャマするなっっ!!!」

 

中々の抵抗だった。

だが黄金の吸血鬼を封印していた、立方体の解除に成功する。

黄金の吸血鬼(全裸)は?何処か驚いた顔でオレを見ていた。

 

「………私の事、怪しいと思った。見捨てようとした。

 どうして助けたの?」

 

「オレには友達何て居ないに等しいんだが、それでも居てな?

 ソイツが居たら、お前を助けると思った。それだけだ」

 

「………名前は?

 それに友達の名前、知りたい」

 

「オレはハジメ。南雲ハジメ。

 アイツの名前は幸利。清水幸利だ」

 

「ハジメ。それにユキトシ。

 うん、覚えた」

 

「………で、そう言うお前の名前は?」

 

「名前。

 ハジメに付けて欲しい。新しい名前」

 

オィオィ名前付けイベントか!?

清水の奴が知ったら、羨ましがるかね?良し!

良い名前を付けて、驚かす処だな?

 

「ユエ。

 お前の名前はユエだ」

 

 

「如何にも、と言った感じだ。

 だが開放済か」

 

いつも通り探索を続けて、

数えて奈落の50階層まで来た処で、それに遭遇した。

如何にも怪しい人工物の門。但し開放済。

誰かが開けたのか?それとも開いたままだったのか?

どうやら答えは前者らしい。中から誰かがやって来る。

 

「マスター」

 

「解っている」

 

こんな奈落の底で何とも怪しい展開だ。

しかも足音の感じからして人間。いや、人型だろう。

ハッキリ言って先制攻撃がしたい。

だが止めて置く。ある種の予感が在ったからだ。

そして姿を現した者を見て、賭けに勝った事を知る。

 

「よぅ。厨二病が再発したか、南雲?」

 

「清水。なのか?」

 

姿を現したのは、南雲だった。

白髪と紅眼と言う厨二病ルックだったが?間違い無く南雲だ。

一緒に居る金髪の不思議ちゃんも気になるが?仕方無い。

南雲がガシッと、両手で仕掛けるシェイクハンドを受け入れる。

 

「お互い無事で何より。

 しかもこの奈落で無傷とか!強くなったな、南雲?」

 

「そんな事は無い。お前のおかげだ。

 コレが無かったら、腕の一本や二本処か?ガチで死んでた」

 

そう言って南雲が取り出したのは?刃の無いナイフだった。

スペツナズナイフ。

いつか二人で作ったロマン武器の一つだ。

 

「コイツであの爪熊の野郎の目を潰して、

 その間に錬成で逃げた。

 アレは本当にクリティカルヒットだった。あんな幸運はもう無い」

 

コッチも色々在ったが?南雲も色々だったようだ。

互いに空白を埋め合う。

 

「で、そっちの金髪の不思議ちゃんは?紹介しろ!」

 

「そっちこそ何だ?その結晶精霊とか言うチートは!」

 

水晶がチートである事は否定しない。

だがそれとは別の話!不思議ちゃんは好物です☆




世界の裁定
原作のグランベルムで、
九音やアンナが辿った結末をイメージした技能。

スペツナズナイフ
本作03で作ったロマン武器の一つ。
ボタンを押すと、ナイフの刃が射出されて突き刺さる。
コレのおかげでハジメは両腕健在です。
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